いじめ自殺問題について
連日いじめによる自殺の報道が後を絶ちません。この問題、国会でも取り上げられ議論されていますが、注目すべき点は国政での議論ではなく、地方行政や教育現場の検証であるように思います。国会における次のような答弁が報道されました。
安倍晋三首相は30日の衆院教育基本法特別委員会の審議で、いじめ自殺問題に関連し、文部科学省がまとめるいじめ自殺の統計が99年度以降、「発生なし」となっていることについて「この数字は実態を反映していないと思う」と述べ不備があるとの認識を示した。保坂展人氏(社民党)に対する答弁。この中で首相は「大切なのはまず実態の把握。教育委員会は調査に協力してもらい、正確な数字を報告するよう促したい」と述べ、地元教委の対応に問題があるとの考え方を明らかにした。 伊吹文明文部科学相も「自殺の動機はなかなかひとつの理由で割り切れない。教委や学校にはいじめは学校の責任に帰するという懸念がある」と教委や学校の責任を指摘。保坂氏が「文科省のいじめの定義を明らかにすべきだ」と迫ったが、伊吹氏は「専門家の意見を聞かせてほしい」と述べるにとどまった。
これはこれで重要なわけですが、こうした問題を再発させないために、いじめ自殺が発生する根っこの部分に迫り、解決に導く姿勢、また連鎖的に自殺が発生していることに対し報道のあり方も議論すべきではないでしょうか。大きな社会問題が発生したことに対し事実を報道することは大事です。多くの懸案事項が山積する中で、この問題について国会議論、報道のあり方はどうなのかと考えてしまいます。
ところで、相次ぐ小中学生のいじめ自殺の理由の多くが肉体的暴力によるものではなく、精神的暴力であり、言葉の暴力であるということを調査している機関があります。「子どもの頃に他人から言われて傷ついた一言」というテーマで調査を行ったそうです。最も多かったのが「容姿に対するからかい」、次に「汚い言葉使い」(うざい、死ね等・・・傷つかないわけがありません) また本人でなく家族に対する罵声も少なくありません。言われた本人にも強くなってもらいたい、言い返す勇気を持って欲しいとの願いもありますが、これらを発する原因をしっかいと見つめなおす必要があります。教師、家庭、地域による総点検が必要です。90年代、秋田県が自殺者No.1であったことを御存知の方は少ないのではないでしょうか。その秋田県、全国的に自殺者数が増加する中、家庭調査を含めた地域に根ざした対策で自殺者数を30%も減らすことが出来たそうです。
尊い生命を守るため、問題の解決のために学校、地域、個人に何が出来るのか、真剣に考え行動するときが来ています。