3月2日(土)
昨日(3月1日)の市議会定例会で一般質問を行いました。以下、質疑の概要です。
※質疑については1回目の質問及び市長答弁のみとしています。市長からの答弁を受けて、再度質問している場合もありますので、詳しくは福生市ホームページの市議会のページから、インターネット中継(録画)もしくは後日公開される議事録をご確認下さい。
1.防災対策について
(1)災害時のトイレ環境向上策について
(質問)
避難所生活は精神的・体力的にも負担が大きく、食事と排泄という当たり前の行為が普段以上に重要であり、断水等で機能しないトイレは悪臭のみならず感染症の原因ともなるため、在宅避難も含めたトイレ環境の整備が求められる。本市における災害時のトイレ環境向上に向けた考え方や取組について伺う。
また、災害時のトイレ環境の整備として、「助けあいジャパン(一般社団法人)」が推進する災害派遣トイレネットワークプロジェクト「みんな元気になるトイレ」という取組がある。市民との協働による取組であり、シビックプライドの醸成、広域的な連帯感を高める取組として有効と考えるが、この枠組みに参画することについての所見を伺う。
(答弁)
下水処理施設や下水道管が被災し、避難所において水洗トイレが使えなくなった場合を想定し、既存のトイレの便座にかぶせるタイプの災害用簡易トイレを備蓄し、避難所を開設する際に、まずは水洗できるかを確認して、断水しているようであれば、速やかにこれを設置することとしている。このほか、便器付きの簡易トイレや、一部、マンホールトイレを確保しており、今後も訓練などを通じて、確実にトイレが使えるようにしていく。なお、在宅避難については、トイレ対策に加えて、食料、日用品の備蓄など、自助の精神に基づく災害対策として、啓発に努めていく。
また、議員から紹介があったプロジェクトは、クラウドファンディングといった手法を取り入れたトイレトレーラーの確保など、これまでにない方策が特徴であると承知しているが、維持管理などの課題もあることから、これを含め、様々な方策を研究しながら防災に係る取組を充実させていきたいと考えている。
(まとめ)
先日、能登半島に災害ボランティアに行かれた方からお話を伺う機会がありました。現地の劣悪なトイレを目の当たりにし、便座に黒いビニール袋を被せ、凝固剤を入れておき、使用ルールを共有したところ、それ以降、避難者が使用するごとに、次の人がすぐに使えるように準備されていたそうです。こうしたことから、戸建てあるいは集合住宅等の在宅避難も含め、災害時の簡易トイレの使い方を周知すべきと考え、少し視点を広げて市全体のトイレ環境向上策として質問しました。
NPO法人 日本トイレ研究所が昨年、全国の自治体を対象に実施したアンケート結果によると、災害時のトイレ確保・管理計画を「策定している」と答えた自治体は24.1%で、「策定していない」が75.9%でした。また、災害用トイレの備蓄状況についても、最大規模の災害が発生した場合に想定される避難者数に対して「足りる見込み」と答えた自治体は30.7%に留まっていますが、質疑の中で本市においてはしっかりと対策が取られていることが確認できました。
(2)外国人住民に係る取組について
(質問)
今回の能登半島地震においても、外国人労働者が正しい情報にたどり着けず混乱し、また支援が行き届かない等の状況もあると伺っている。こうしたことを踏まえ、本市の人口における外国人比率が高いという特徴から、外国人住民への防災に係る取組の充実が求められる。災害に備えた外国人住民への啓発、避難所運営における外国人対応、外国人住民との協働による防災の取組の促進など、市の取組の現状と今後について伺う。
(答弁)
啓発については、多言語併記の防災マップの配布、市公式YouTubeチャンネル「福生市メディアラボ」の外国人向け動画「福生市生活ガイド」の中での防災に関する御案内に加え、やさしい日本語のほか、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ネパール語、タガログ語、ベトナム語の7つの外国語に対応した外国人向け防災ガイドブックを作成している。
避難所運営については、様々な言語に対応できる対話型AI翻訳機20台を導入している。これに加えて外国人の方に対する支援が可能なボランティアを、福生市災害ボランティアセンターに対して要請するとともに、通訳・翻訳による支援が可能な東京都防災(語学)ボランティア等の専門ボランティアの派遣を東京都へ要請するなど、可能な限り支援していく。
協働による防災の取組の促進については、消防団には、既に外国人の団員も在籍し、日々御活躍いただいている。また、令和5年6月に福生市・福生消防署合同水防訓練を実施したが、今回は市内のNPO法人 青少年自立援助センターYSCグローバル・スクールの外国人生徒に水害を防ぐ工法などを見学していただいた。ほかにも、同校の外国人生徒を対象とした防災講習会を開催し、火事が発生した時の対応、AEDや胸骨圧迫の方法、一時避難場所や避難所などについて学んでいただいた。
(まとめ)
総務省統計局の「世界の統計2022」によると、日本の国土の面積は全世界の0.29%しかないにも関わらず、全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の18.5%が日本で起こり、全世界の活火山の7.1%が日本にあります。また、全世界の災害で受けた被害金額の17.5%が日本の被害となっています。
このように、日本は世界でも災害の割合が高い国であるため、私たち自身の備えも重要ですが、災害時の自助、共助、公助の割合は7:2:1と言われていることから、外国人住民に自助に務めていただくとともに、共助の枠組みに入れるような取り組みが必要です。
2.音声コードについて
(質問)
現在、市で活用されている音声コード※は「SPコード」と呼ばれるもので、専用の読取機器が必要であり、これに対し、NPO法人 日本視覚障がい情報普及支援協会が開発した、スマートフォン等のアプリケーションを使用する「Uni-Voice」(ユニボイス)という音声コードが開発されている。市で活用されている音声コードについて、スマートフォン等に対応したコードに更新すべきと考えるが、所見を伺う。
※音声コード:デジタル化された文字情報を符号化した高密度の二次元記号で、専用機器でコードを読みとることで文字情報を音声化することができる。視覚障害や識字障害、失読症(ディスレクシア)への対応として、また多言語対応も可能ということから、外国人住民への情報提供ツールとして活用されている。
(答弁)
市では、視覚障害のある方への対応として、文字を読むことが困難な方のためのデジタル録音図書の国際標準規格であるデイジー図書の提供や、各分野で作成する計画等に音声コードを活用した情報保障に努めている。
障害者を取り巻く状況や社会が変化する中、近年の情報通信技術の進展に対応するため、令和6年3月に改訂した福生市障害者計画・第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画及び福生市高齢者福祉計画・介護保険事業計画(第9期)において、スマートフォンやタブレット端末に対応したユニボイスを各ページに添付した。
今後においても、ICTを活用した情報支援ツール等、先端技術に対する情報収集や先進自治体の動向に注視し、障害のある方々へのサービスの向上に努めていく。
(まとめ)
市内各所に設置してある音響機付き信号にもユニボイスコードがついており、アプリでコードを読み込んでみましたが、コード一つで多言語対応ができるので、印刷物の多言語化が容易になると感じました。また、他の地域では史跡等の観光資源の案内板に設置している事例が多くみられ、本市であれば、茶室福庵であるとか、旧田村家住宅、郷土資料室などでも活用が考えられます。
また、ユニボイスコードの読取に必要なアプリには、一般向けの「Uni-Voice」と視覚障害者向けの「Uni-Voice Blind」(ユニボイス・ブラインド)があり、後者には指定の場所の災害リスク等を読み上げてくれる 「聞くハザードマップ」 が実装されています。視覚障害者や高齢者はもとより、今後、多言語対応の予定もあるようですので、有用と考えますので、今後、各分野での更なる活用の検討を要望しました。
3.子育て支援カードの電子化及び専用サイトの開設について
(質問)
本市では、子育て家庭の経済的支援と市内小売業等の活性化を図る目的で、子育て支援カード事業が実施されているが、時代に即した新たな事業展開として、令和5年度予算にカードの電子化及び専用ウェブサイトの開設に係る経費が計上され、事業が進められていると認識している。本事業の概要について、サービスのデジタル化に伴う利用手続きの流れについて伺う。
(市長答弁)
平成21年10月より実施してきた子育て支援カード、通称「ふっさ子育てまるとくカード」事業について、これまでの紙媒体のカードを改め「福生市LINE公式アカウント」上に電子カードを表示する方式に移行し、3月1日より申請の受付を開始した。また、カードの電子化とあわせて、協賛店の情報を掲載した専用ウェブサイトの公開を開始した。
利用の流れについては、会員カードの発行に際しては市内公共施設の窓口で申請受付及び発行を行なっていたが、電子化に伴いスマートフォンからの申請が可能となる。具体的には、保護者等の申請者に「福生市LINE公式アカウント」を登録後、住所、氏名、お子さんの名前及び生年月日など必要事項を入力して申請していただくと、仮承認という形でLINEアカウント上にカードが表示され、その後、担当課において申請内容を確認し、承認をすることで会員登録が完了となる。なお、スマートフォンを所持していない方も想定されることから、その際は、これまでと同様に市内公共施設の窓口で申請受付し、紙媒体のカードを発行する。
また店舗側の手続きについては、協賛店に関する新規登録や更新などの各種申請は紙の申請書にて受付を行なっていたが、新設した専用のウェブサイト上の入力フォームから手続きしていただく。
(まとめ)
本件については、私も子育て世代の一員としての実感から、一般質問等で何度か取り上げ、いよいよ事業開始ということになりましたので、改めて質問しました。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の「X」、トランスフォーメーションは、サービスのデジタル化により、社会や生活が便利に変わることを指します。今回の事業のブラッシュアップがその好事例となることを期待しています。
4.公共施設等の泡消火剤について
(質問)
去る2023年12月、町田市の市営の立体駐車場で何者かにより消火設備が起動され、PFOSが含まれた泡消火剤が近くの川に漏出し、川の水から国の目標値を上回る値が検出されたという事案が発生した。これを受け、東京都が所有する駐車場や事務所ビルなどに設置してある消火剤について調査したところ、30の施設で有害性が指摘される物資を含むものが設置されていたことが判明したことから、順次交換を進めるとのことである。
本市における公共施設等の市所有施設の泡消火剤について、現状と今後の対応について伺う。
(答弁)
福生市が管理する施設における泡消火剤の使用状況について、車両などの油火災は水による消火では十分な効果が得られない、あるいは、かえって火災を拡大させてしまう恐れがあることから、市庁舎の地下駐車場において泡消火剤を使用しているが、規制対象のPFOSを含有していないことを確認している。また、そのほかの福生市が管理する施設においても、泡消火剤は使用していない。今後もPFOSの規制基準の変更などについて、国等の動向に注視し、適正に対応していく。
(まとめ)
今回質問するにあたり、有機フッ素化合物について改めて調査しましたが、その中で印象的な記事がありましたので、紹介したいと思います。
ウェッジオンライン 1月23日付【高まる不安、広がる誤解 化学物質PFAS報道の裏側】
「PFASを投与すると実験動物が死ぬから危険」という話もあるが、どんな化学物質も多量なら毒になる。食塩でも200グラムほど摂取すると死ぬが、数グラムであれば一生の間毎日食べ続けても影響はない。問題は体内に残留する量が危険なのかだ。
(中略)
私たちは酒、たばこ、加工肉、コメに含まれるカドミウムやヒ素など多くの発がんのリスクに囲まれ、PFASのリスクがそれらより大きいという事実は見当たらない。危険情報は不安を生むが、公的機関の情報も参考にして慎重に判断することが求められる。
というものでした。記事にあるような視点は大切です。今後も注視していきたいと思います。
5.eスポーツの活用について
(質問)
eスポーツは認知機能の向上やフレイル予防などの介護予防施策、発達障害支援や不登校、引きこもり等の支援としても活用され、特に高齢福祉の分野では多世代交流やオンラインによる広域連携の取組も見られており、効果も上がっていると認識している。eスポーツについては、令和3年第4回定例会にて一般質問でその活用を求めたが、その後の検討状況等について伺う。
(答弁)
eスポーツはコロナ禍において直接的な接触を避けられるため、感染予防を行いながら進められる健康増進プログラムとして注目された。ある自治体では、eスポーツ協会と共同で高齢者の認知症予防を目的とした事業を実施し、高齢者の注意力が改善される効果や、脳の活性化がみられるなどの効果があったと報告されている。
高齢者のフレイル予防には、運動、栄養、社会参加の3つが重要な要素で、内容や実施方法等によりますが、eスポーツはこのうち運動や社会参加の効果が得られると考えられる。
現在のところフレイル予防としてeスポーツを取り入れた事業は実施していないが、市では令和5年度から7年度にかけて高齢者スマートフォン体験事業を実施しており、高齢者のデジタルデバイド対策と共にIT活用支援を通してフレイル予防に生かしていく。
(まとめ)
自治体における活用状況については、まだまだ事例が少ないようですが、私が調べた範囲では、大阪府大東市では、不登校の児童・生徒を多層的に支援する教育支援センター「ボイス」が、若者や高齢者、障害者をはじめとした市民の活躍の場を創出する施設「eスポーツスポット大東」でイベントを企画し、取り組んだとの事例がありました。また、多摩市では、令和3年度になりますが、「2050年の大人づくり 多摩市×不登校支援×eスポーツ」として、ゲームを入り口とした不登校支援を掲げ、その一環としてeスポーツを活用したとのことでした。
不登校にある児童・生徒にとって、eスポーツは単にゲーム興じるというものではなく、他者と繋がる「居場所」になり得るもので、不登校経験者がeスポーツを通じて成長し、支援に携わっているケースも見受けられます。今後も引き続き、導入の可能性について調査研究を進めます。
