四五都市連絡協議会
10月30日(水)
本日は四五都市連絡協議会総会のため滋賀県の守山市へ。
四五都市連絡協議会は、昭和45年に人口3万人の特例措置(3万人都市法案)で、当時「3万人都市」実現に向けて幹事役を務めた6市(北海道登別市、滋賀県守山市、東京都福生市、新潟県豊栄市、三重県久居市及び山口県新南陽市)が、昭和55年に市制施行10周年を記念し、お互いの交流と親睦を深めることを目的に「新市制実現都市連絡協議会」を発足させたことを淵源とした協議会で、平成の大合併を経て、現在の構成市は北海道登別市と滋賀県守山市、東京都福生市の3市となっています。
総会では各市、議会の取組の発表がありました。以下、概要です。
▪️登別市
「災害につよいまちづくり〜だれひとり取り残さない〜」
登別市は日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に伴う津波の危険性があり、居住区域の約8割が津波で浸水、津波到達時間は最も早い場所で39分とのこと。厳冬期の深夜に地震が発生すると想定した場合、市民4・4万人に対し2万人の死者が発生すると試算されています。
こうした状況から、発災から39分以内に高台に避難し、24時間以内に次の避難場所に移動する「いのちを守る」「いのちをつなぐ」ための具体的な取り組みとして、海側から山側への避難の障壁となるJR線路横断の実現に向けた協議、避難する・受け入れる側の双方の町会等の相互理解促進、現在浸水想定区域にある市役所本庁舎と消防本部の移転を進めているとのこと。
福生市にも台風や集中豪雨等による多摩川の氾濫、越水による浸水被害が想定されるため、非常に参考になりました。
「多様性のある議会へ」
登別市議会は議会改革全国1位に選ばれる議会で、平成12年の取り組み開始以来、「私たちは住民自治の鏡になっているのか」との問いを自ら立て、議会改革に取り組んでいるとのこと。車椅子ユーザーの傍聴席を議場内に作ったり、乳幼児を育てる女性議員のオンライン参加、住民懇談会などに取り組む中で、議決機関としての能力が高まっていっているのではないかと自己評価されていました。
福生市議会においても当に議会改革に取り組んでいるところですので、当事者からお話を聞くことができて良かったです。
▪️福生市
「福生市の子ども政策『子育てするなら ふっさ』から『こどもまんなか ふっさ』へ」
福生市は平成14年に人口のピークを迎え、次世代育成支援を総合的かつ計画的に実施すると方向づけ、平成25年には少子化による人口減少が一層深刻化し、子育て世代の市外への流出が多いとの調査結果を受け、平成27年に「子育てするなら ふっさ」のスローガンのもと、子育て支援を本格化させました。この取り組みにより、待機児童が9年連続ゼロ、幼児教育・保育の質の高さも全国トップレベルなどの成果が評価され、日経新聞社と日経BPが実施する「共働き子育てしやすい街ランキング」において全国で唯一、7年連続全国トップ10の評価を得ています。
近年では子ども家庭センター及び児童発達支援センターの設置、学校給食費の無償化、子ども計画の策定などに取り組み、人口における外国人比率が約7%、国籍が70ヵ国以上という特性から「多文化キッズサロン」の開設も進めています。
手前味噌ですが、福生市の子育て施策の取り組みが奏功し、年々充実してきていることがわかります。
「全国市議会議長会基地協議会について」
在日米軍及び自衛隊の基地が所在する自治体は全国で318あり、その内219が全国市議会議長会基地協議会に加盟しており、福生市は令和4年度・5年度に会長市を務めました。
基地の存在は国防上必要なものであることは理解していますが、自治体の発展の阻害要因になってることは否めません。また航空機等による騒音や事故への懸念を抱えて暮らす地域住民の生活の安定に協議会が果たす役割は非常に大きく、福生市として防衛省等関係各所との折衝などに寄与しました。
▪️守山市
「守山市の子ども政策について〜STEAM教育、発達支援等〜」
STEAM教育は「科学(Science)」「技術(Technology)」「工学(Engineering)」「芸術・リベラルアーツ(Art)」「数学(Mathmatics)」の5つの分野を統合的に学ぶ教育を指します。琵琶湖などの資源を生かした守山の特色ある環境学習を展開しており、また2026年5月竣工予定で(株)村田製作所研究開発拠点「守山イノベーションセンター」の整備が進められており、子ども向け科学体験施設を併設する予定とのこと。STEAM教育は定義が難しいところもありますが、非常に興味深かったです。
守山市発達支援システムは障害のある人および心身の発達の遅れや偏りのある、またはその疑いのある人やその保護者が①継続した相談や必要に応じた専門的指導を受けられ、②個別支援計画に基づいた支援を継続的に受けることができ、③関係機関が連携しての個別ケース会議等に基づく乳幼児期から青年期・成人期までの一貫した支援が受けられるためのシステムです。またこれに紐づく施策として家族まるごとの連携支援(重層的支援会議による多機関協働)に触れ、支援が必要であるにも関わらず制度化されていない青壮年期(18歳〜64歳)などの「はざま」にいる人をどのようにフォローしていくかの検討を進めているとのこと。この点についてはどの自治体でも課題ですね。
「議会の取り組みについて」
守山市議会は令和5年8月の新庁舎供用開始に伴い、電子採決の導入や傍聴席の充実(親子傍聴室、車椅子スペースの設置など)が図られています。またや小学生が議員に議会のあれこれを直接質問できる「議会学習会」の実施、オンライン委員会の開催に向けた条例改正等の準備、市議会の紹介動画の刷新などに取り組んでいるとのこと。
現在、福生市議会においても議場放送設備の更新に伴い同様の取り組みを進めていますが、議会学習会は参考になりました。きちんと答えられるか心配ですが(笑)
その後、3市の交流事業の今後のあり方(案)が示され、交流事業の継続に欠かせない、交流事業実施の中心となる人材の育成を目的として「職員の短期留学」を実施していく方向で一致しました。
規模の違いはあるものの、福生市の課題にリーチできるエッセンスが散りばめられていたように感じます。
本日得た多くの学びを福生市のまちづくりに生かしていきます。
◇
総会終了後は守山市役所庁舎を見学。建築家・隈研吾氏による琵琶湖の葦をイメージした県内産びわこ材(杉)を多用したデザイン、一般仕様と比較しエネルギー使用量が50%以下となるZEB仕様、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の導入など、見どころが満載でした。














