令和5年度福生市一般会計決算審査特別委員会②
9月14日(土)
令和5年度福生市一般会計決算審査特別委員会において私が行った質疑まとめ2回目。
今回は生活環境部、福祉保健部、子ども家庭部です。
【生活環境部】
1 商工業振興事業
Q.1 空き店舗活用補助金を活用した事業者の主な業態は。
Q.2 福生ドッグ推進事業について、事業概要、助成上限額や補助率について伺う。
A.1 飲食・小売業が6件、その他としてサービス業が1件、パーソナルジムが1件となっている。
A.2 当地グルメである「福生ドッグ」を新規で取り扱う事業者を公募し、選定の上で開発を伴走型で支援するほか、出店可能なイベント情報の発信等、地域ブランド化促進のための販路開拓支援を行うことで、地域ブランドとしての価値を高め、地域活性化や市内経済の活性化を図るもので、新商品開発に係る助成上限額は30万円で補助率は3分の2となっている。
2 中小企業振興資金対策事業
Q.中小企業振興資金利子補給金及び信用保証協会保証料について、申請件数と把握している事業者に対する割合、主な申請理由について伺う。
A.利子補給金は24件、信用保証料は178件であった。事業者に対する割合については、令和5年度の中小企業振興資金の申込み及び実行件数は163件だが、令和3年経済センサスによる令和3年の福生市内の事業所数は約1,600である一方、中小企業振興資金は個人事業主の場合、事業主の住民票が福生市にあれば市外に事業所がある場合でも申請できることから、市内事業者の割合を正確に算出することができない。申請理由については運転資金の貸付が一番多く90件、次いで設備資金が32件などとなっている。
3 環境政策事務
Q.1 シェアサイクル観光連携推進協議会の構成市が2市から7市になったことと予算額に対し決算額が減少していることについて、負担金の概要も踏まえて説明を。
Q.2 利用増に伴う課題についてどう捉えているか。
A.1 本協議会の事業については、東京都市長会による「多摩・島しょ広域連携活動助成金」の内、観光振興連携活動のメニューを活用して実施している。当該助成金は、年間500万円に事業年数をかけた金額を補助率10/10で助成されるもので、年間1,000万円を上限に弾力的な運用が可能となっており、3年総額1,500万円について令和4年度から令和6年度の3年間の事業内容を勘案して予算配分を行っている。そのため構成市の増減と負担金の増減は直接相関するものではない。
A.2 利用者増に伴う課題については、利用したいときに近くのステーションに借りられる自転車がない、また、借りることはできたが目的地付近のステーションが満車で返せないといった自転車の再配置に関することが挙げられることから、シェアサイクルの運営事業者に改善を要望している。
4 清潔で美しいまちづくり事業
Q.ポイ捨て年間収集件数(26,704件)の減少に向け、条例周知活動以外の取り組みは検討したか。
A.令和4年度には家庭ごみの収集運搬委託業務の際にポイ捨てごみを収集する取組を開始し、令和5年度には粗大ごみ収集運搬委託業務の中でポイ捨てごみを収集するよう事業者と調整し、令和6年度から実施している。
5 収集運搬事業
Q.昨今報道等にあるリチウム電池による発火の対応について、収集車から発火した場合の対応はどうなっているか。
A.万一パッカー車から発火した場合については速やかに119番通報をするとともに、パッカー車を広い安全な場所に退避させ、可能な範囲で積載してある消火器による初期消火を行うこととしている。
6 中間処理事業
Q.令和5年度から硬質プラスチックを資源として売り払いできるようになったが、経緯と売り払い額について伺う。
A.市が収集した硬質プラスチックについて、従前は「不燃廃棄物資源化「処理委託」の中で委託料の支払いをして処理をしていたが、相場の変動により硬質プラスチックが資源として売払いができるという状況になったことから売払いをすることとした。硬質プラスチックの排出量は80,210キログラム、売払い額はで452,199円であった。
7 市民活動支援事業
Q.事業指標 市政出前講座受講者の設定根拠について、また目標と実績値が乖離している理由と対応等について伺う。
A.事業指標の目標値は平成30年度より設定されたもので、市政出前講座受講者数820人は平成29年度実績が831人であったことから、同程度の受講者数を見込み設定したものとなっている。それ以降は緩やかな減少傾向だったが、新型コロナウイルスの影響を受けた令和2年度・3年度はそれぞれ54人、33人と大きく減少した。その後、令和4年度178人、5年度256人と少しずつではあるが増加している。受講者増加に向けた取組としては、市ホームページへの掲載、講座メニュー集の各公共施設への設置や町会長協議会での配布を行っている。
8 町会等活動支援事務
Q.地域活性化交付金及び町会活動補助金の執行率について伺う。
A.これらの交付金、補助金は前年の10月1日現在の加入世帯数や組数を算定基礎として算出するもので、7月に交付し、町会・自治会の実績報告に基づき使用の残があった場合は出納閉鎖前までに返還していただく。令和5年度は地域活性化交付金及び町会活動補助金のいずれも返還金はなかったため、算出金額に対する執行率は100%である。
【福祉保健部】
1 民生・児童委員事務
Q.委員の定数の根拠と見直し等の議論の有無について伺う。
A.民生委員の定数の根拠については、民生委員法第4条により厚生労働大臣の定める基準を参酌し、区市町村長の意見を聴いた上で都道府県条例で定めることとなっており、福生市の定数は「東京都民生委員定数条例」により現在は主任児童委員を含む52人と定められている。
委員定数については3年に1回の改選年度の前年度4月に都より意見照会があり、各区市町村の意見を踏まえて改選年度に東京都が定数を決定する。福生市では平成22年度の改選時に当時51人であった定員を52人に増やしており、その後定数見直しについての議論は行っていない。
2 成年後見制度推進事業
Q.成年後見人等報酬助成金について、積算根拠を伺う。
A.成年後見人等報酬助成は市長の審判請求により成年後見等が開始された方のうち、生活保護受給者等の経済的な理由により成年後見人等に対する報酬費用を負担することが困難な方が対象で、助成の金額は月額2万円、12か月分の24万円を上限としており令和5年度は上限の24万円を2件助成した。
3 生活保護事務
Q.医療扶助におけるオンライン資格確認システムの作業の流れ、効果等について伺う。
A.生活保護の医療扶助にもマイナンバーカードによるオンライン資格確認システムを導入したことでマイナンバーカードによる確実な資格確認・本人確認を実現するとともに、医療券の発行・送付等の事務を省力化し被保護者の利便性を高める効果がある。
医療機関の受診等の流れについては、適正な医療の実施を確保するために従前からの福祉事務所が委託した医療機関を受診する仕組みを維持しつつ、現行よりも医療券等の送付や受取等のコスト・手間が軽減されるようになり、事前に資格情報や委託医療機関情報等を登録しておくことで被保護者の受診と同時に資格情報と委託情報を確認できるようになった。
なお、当面の間は医療機関等でオンライン資格確認の設備が整っていない等の事態に備えて、マイナンバーカードによる資格確認ができない場合、現行の医療券を併用し必要な受診に支障が出ないように対応することとなっている。
4 生活保護事業
Q.1 生活保護受給世帯のうち、外国人世帯数とその比率について伺う。
Q.2 生活保護法第78条による徴収金について、どのようなケースがあったか。
A.1 令和6年3月末日現在の生活保護受給世帯は972世帯で、外国人世帯は50世帯のため、外国人世帯の比率は5.1%となっている。
A.2 生活保護法第78条による徴収金は、いわゆる不正受給に伴う徴収金で、令和5年度の主なケースは給与収入の未申告によるもので、毎年実施している課税調査及び資産申告の際に発見されたものである。
5 高齢者福祉事業 / 成人保健指導事業
Q.保健事業と介護予防の一体的実施事業の成果について伺う。
A.保健事業と介護予防の一体的実施事業は、高齢者1人ひとりが必要な支援を得ながら住み慣れた地域の中で自分らしく望む生活を送ることができるよう、高齢者の健康状態やフレイルの状態及び生活状況等を比較的早い段階から包括的に把握し、アプローチや健康支援をおこなうもので、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる、健康寿命の延伸を目的としたものである。
令和5年度は、保険年金課、介護福祉課、健康課3課合同で、通いの場への積極的な関与としてポピュレーションアプローチを、また、高齢者に対する個別的支援として、ハイリスクアプローチを実施した。ポピュレーションアプローチは市内の集いの場において延べ10か所156名に対しフレイルのチェックリストの実施、フレイル予防の講話、測定機器による健康測定等を実施し、ハイリスクアプローチは、健診未受診で通院歴などのない方や閉じこもりの可能性のある76歳の高齢者25名を対象に、健康状態の把握や必要なサービスへの接続を目的として介護福祉課と健康課の専門職で家庭訪問や電話訪問を実施した。対象者25名のうち17名については健康状態を把握することができ、そのうち1名については医療・介護サービス等が必要と判断されたため、地域包括支援センターのサービスにつながっている。
6 高齢者あんしんシステム事業
Q.家具転倒防止装置設置事業の取組と成果、課題等について伺う。
A.家具転倒防止装置設置事業は日常生活動作の低下した高齢者に対し、家具転倒防止具や家具転倒防止板を設置することにより地震時の家具転倒を防止し、生命及び財産の安全を図るために実施している事業で、対象者は日常生活動作の低下した65歳以上のひとり暮らし世帯又は65歳以上の高齢者のみの世帯で要介護認定を受けている方や、障害者手帳や愛の手帳を交付されている方で、令和5年度については、申請件数は0件であった。本事業の課題として、今後も高齢者人口の増加が見込まれていることから高齢者に対する震災等への予防意識の向上のため、本事業の周知を図っていきたいと考えている。
7 介護予防・地域支えあい事業
Q.1 配食サービスボランティアの人数と増減の傾向について伺う。
Q.2 社協、民間の両方とも利用数が減っている要因について伺う。
A.1 配食サービスボランティアの人数は令和4年度は44名、令和5年度は44名で同数だった。
A.2 近年、民間における配食サービスについて、メニューや宅配時の見守りなどサービスの充実が進んでおり、完成したお弁当をお届けする以外に冷凍して電子レンジ等で解凍するだけでよいサービスや、置き配ボックスを活用するなど様々なサービスを実施している。そのためこのような民間サービスの充実が、配食サービス事業の減の要因として考えている。
8 がん検診推進事業
Q.1 各種がん検診推進事業の平均受診率が2.6ポイント増加とのこと。どのように分析しているか伺う。
Q.2 女性医師・スタッフによる検診の状況について伺う。
A.1 例年、実施方法を変えているわけではないが、年度ごとに受診率のばらつきが見られ、そのばらつきの原因については特定できていない。
A.2 令和5年度は11月26日と3月3日の2回にわたって実施をした。各検診、各回70名を定員とし、当初は延べ280名分の枠を設けたところ合計で延べ575名の申し込みがあり、最終的には延べ283名の方に受診いただいた。
9 自殺対策事業
Q.「こころの体温計」の利用状況について伺う。
A. メンタルヘルスチェックシステム「こころの体温計」は、パソコンや携帯電話を利用して市民が簡単に自身や家族等のストレスや落ち込み度をチェックできるもので、令和5年度の総アクセス数については10,205件だった。
【子ども家庭部】
1 子育て支援カード事業
Q.令和6年3月から電子化し、登録件数は358件とのこと。登録件数は母数との対比でどのくらいか伺う。
A.電子化に伴いこれまでの世帯単位からスマートフォン等のアカウント単位での発行に変更したため、登録件数の母数は対象世帯が保有するスマートフォン等の数ということになるため、その把握は困難であるが、令和6年3月末時点の対象世帯数3,722を仮の母数とすると約9.6%となっている。
2 保育所運営事業 / 幼稚園教育振興事業
Q.乳幼児「子育ち」応援プログラム推進事業の取組内容と成果等について伺う。
A.本事業は東京都が実施する「こども未来アクション」のプロジェクトのひとつである「とうきょう すくわくプログラム」(乳幼児「子育ち」応援プログラム推進事業)の協力自治体に26市で唯一福生市が選ばれ、令和5年度は市内保育園及び幼稚園5園が実践に協力することとなった。
このプログラムは、東京大学の研究機関であるCEDEP大学大学院教育学研究科付属発達保育実践政策学センター)の支援のもと、保育園や幼稚園において園の環境や強みを活かしながら各園が選択する「光」「音」「植物」等のテーマに沿って乳幼児の興味・関心に応じた「探究」を積み重ねることによって、子どもたちの意欲や自己肯定感、社会性などの「非認知能力」を高める等、乳幼児期の成長・発達をサポートすることを目的としている。
保育者は「探究活動」を実践する中で子どもたちの言葉や様子を記録し、活動後は他の保育者等と記録を共有して振り返りを行い、その中でこれまで気づかなかった子どもたちの一面を発見し、子どもの世界観について改めて理解を深めながら次回の活動につなげる。
本事業に参加した園及び保育士等からは、「プログラムを実践するたびに子ども一人一人の個性や五感の敏感さ、集中力など、毎回新たな発見があり、子どもたちと一緒に活動を深めることができた。」「たくさんの気付きがあり、保育のモチベーションが上がったように思う。新たな角度から子どもにスポットライトを当てることになり、その子の違った一面を見ることができた。』などの感想があった。
成果としては、令和6年度から「とうきょう すくわくプログラム」が都内全域に展開されるにあたり当市の取り組みが事例として紹介されるなど、更なる保育の質の向上が図られたと考えている。なお活動の様子は、3月に行われた報告会及びパネル展示において各園が発表を行った。またメディアラボに報告会のライブ動画のアーカイブを、『こふくナビ』には展示パネルを掲載している。
3 保育所運営事業
Q.保育所等入所選考システム導入の効果等について伺う。
A.システム導入により、事務量が多く複雑な入所選考事務の時間を短縮できたことで業務に注力することが可能となった。具体的には、4月の入所選考事務に要していた約27時間のうち13時間を短縮することができ、短縮できた時間を利用調整会議後の処理に充てることができたうえ、残業時間の減少にも繋がったと考えている。