8月23日(金)
航空機は交通機関の中で輸送単位当たりの二酸化炭素の排出量が多い乗り物で、そのためカーボンニュートラルの実現に向けて、航空機から排出された二酸化炭素の削減が喫緊の課題となっています。そうした中で、カーボンニュートラル実現の切り札として注目を集めているのが次世代航空燃料『SAF(サフ)』です。
SAFについては福生市でも公明党の原田剛議員が取り上げていますが、昨日付の公明新聞にも記事が掲載されていましたので、転載します。
家庭の廃食油を航空燃料(SAF)に!
天ぷら油などの廃食油は従来、一部が回収されて石けんや配合飼料、バイオディーゼル燃料などに生まれ変わってきたが、近年、国際的に需要が高まる「持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel=SAF)」の原料の一つとして注目され、回収・再生利用の機運が高まっている。
■回収・再生の機運高まる/東京・清瀬市
今月13日、東京都清瀬市の市役所を訪れると、70代の女性がボトルに入れた廃食油を環境課の窓口に持ち込んでいた。「賞味期限が切れた油の捨て方に困っていた。ごみではなく資源として回収される環境に優しい活動なので、協力したかった」と笑顔を見せた。
同市は今月から、将来的なSAFへの再生を見据え、家庭から出た廃食油を市役所内で回収している。市民には、洗浄して繰り返し使えるリターナブルボトルを無料で配布し、窓口で受け取った油の入ったボトルを職員が専用の回収ボックスに入れる。担当者は「今後は市役所以外でも回収できるよう環境整備に取り組む」と話す。
この事業には、都議会公明党(東村邦浩幹事長)が後押しした都の補助が活用されている。都はさらに、都内のコスモ石油のガソリンスタンド3カ所に回収ボックスを設置する実証実験も6月から行っている。都担当者は「回収に関する都民の意識は着実に高まっている」と手応えを語る。
■CO2排出量を最大で8割削減
SAFは、従来のジェット燃料と比べて製造から利用までの二酸化炭素(CO2)排出量を最大で8割削減できると推計されている。世界全体のCO2排出量の約1・8%(約6・2億トン)を占める国際航空分野にも、脱炭素化に向けた努力が強く迫られており、SAF、そして原料となる廃食油の需要が高まっている。
2022年に、国連の国際民間航空機関(ICAO)が、国際線の航空機排出のCO2を50年に実質ゼロとする目標を採択したこともあり、政府は30年までに国内航空会社の使用燃料の10%をSAFに置き換える目標を掲げる。資源エネルギー庁の永井岳彦・燃料供給基盤整備課長は「30年にSAFの国内需要は171万キロリットルに上るとみられ、原料の確保が課題となっている」と話す。
■年10万トン発生も活用は1割未満
SAFの原料となる廃食油をどこから調達するか。カギを握るのは家庭だ。全国油脂事業協同組合連合会の推計によると、飲食店など事業者の廃食油・年間約39万5000トンのうち、約9割が回収・資源化されている一方、家庭からの回収率は1割にも達していなかった。年間約10万トンのうち、回収できているのは推計でわずか4000トンしかない。
■経済安全保障にも貢献
回収促進へ本腰を入れようと政府は公明党の主張を反映し、今月2日に策定した第5次循環型社会形成推進基本計画で、廃食油の回収を促進し、SAFの原料として有効活用することを掲げている。環境省の担当者は回収促進について「循環型社会づくりを進めるとともに、資源を海外に過剰に依存しない経済安全保障の強化にもつながる」と意義を強調する。
■公明、国挙げた取り組み提案
公明党は、政府への提言や国会質問などを通して、廃食油の回収を促進し、それを活用したSAFの製造・供給を進めるための国を挙げた取り組みを訴えてきた。
今年4月の参院決算委員会では、山本香苗氏が、市民団体が廃食油を回収し、バイオディーゼル燃料として自治体の清掃車に活用していた堺市の事例に触れながら、「捨てるとごみだが、回収すれば資源だ。廃食油を集めてSAFにすることを通じ、環境意識の向上と地域活性化を図る活動を積極的に推進してもらいたい」と提案。伊藤信太郎環境相から、廃食油をエネルギーとして活用する取り組みについて「第5次循環型社会形成推進基本計画に重要な取り組みとして位置付け、しっかり後押ししたい」との答弁を引き出した。
党循環型社会推進本部の若松謙維本部長(参院議員)は「循環経済や経済安全保障強化の観点からも、廃食油のSAFへの活用は今後さらに重要性が高まる。全力で推進したい」と話す。
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また、本日付の新聞でも記事の掲載がありましたのでご紹介します。
家庭の廃食油を燃料に活用/愛知・東浦町
愛知県東浦町は、循環型社会の構築に向けた連携協定を中部国際空港株式会社と4月に締結した。町が回収する家庭などの廃食油を活用して製造された持続可能な航空燃料(SAF)を航空会社が使う。食用油は二酸化炭素(CO2)を吸収する植物に由来するため、それを原料とするSAFは、原油由来の従来の航空燃料と比べてCO2を大幅に削減できる。
公明党の秋葉富士子町議は昨年12月議会で「SAF製造に活用できる廃食用油の需要が高まっている」と訴え、町側が「SAFを航空燃料として活用することを計画している航空関連企業の意向を確認するなど、調査、検討を進めていく」と答えていた。
廃食油の回収に協力している西川和子さん、柳楽栄さんは「リサイクルが社会のためになり、うれしい」と話していた。
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記事の中でも触れていますが、国は2030年までに国内の航空会社が使う航空燃料の10%をSAFに置き換える目標を掲げていますが、現在、日本はすべて輸入に頼っている状況です。
更に、脱炭素を目指すのは世界共通の課題であり、各国の航空会社の間でSAFが争奪戦となっているため、目標の達成にはSAFの安定的調達に向けた国産化が不可欠です。
今後の動きを注視しつつ、更に取り組みを進めていきます。
