会派視察③京都府京丹後市
丹波篠山市での視察の後、車で一路京都府京丹後市へ。AIオンデマンドモビリティ(予約型乗合タクシー)についてを視察しました。
京丹後市は面積501.44平方キロメートルに人口約5万人が居住していますが、高齢化や人口減少、公共交通などの課題があったことから、新たな移動ニーズを掘り起こし、移動総量を増やして将来の街の活性化につなげていくことを目的とした実証実験として、AIオンデマンドモビリティ(予約型乗合タクシー)を運行しています。
AIオンデマンドモビリティ「mobi(モビ)」は、WILLER(株)が運用するサービスで、半径2キロメートルの生活圏内を利用者が毎月定額を出し合うことで、コミュニティのみんなで運転手付きの車を複数台共有する感覚の移動サービスです。
令和元年度に市内鉄道会社の親会社であるWILLER(株)から市に対してmobi導入の実証実験の打診があり、令和2年度に「新モビリティサービス推進事業に関する連携協定」を締結、令和3年度に国交省の日本版MaaS推進・支援事業として採択され、同年6月より無償の実証実験が開始されました。以降、次年度からは有償の実証実験として展開され、令和5年度には1台増車し、一部エリアを拡大して運行されています。
事業概要は以下の通りです。
〇事業の位置づけ:道路運送法第21条による運送
〇申請及び運行主体:峰山自動車株式会社、網野タクシー株式会社
〇行政の関り:実証運行に関する要請、広報、データ分析など
〇主な利用者:京丹後市の住民及び来訪者
〇運行区域:マイン(商業施設)を中心とした半径約4キロのエリア(峰山町、大宮町)
〇運行日、運行時間:毎日運行(年中無休)、AM8:00~PM9:00
〇使用車両:ヴォクシークラスの緑ナンバー車両 2台
〇利用方法:スマートフォンアプリまたは電話での即時予約※事前予約不可
〇利用料金:月5,000円の定額制(乗り放題)※同居家族は6人まで登録可能、家族二人目以降は500円づつ加算/1乗車300円の都度払い
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「『共有交通』アプリ みんなでつくる、『ちょい乗り』サービス」という事業コンセプトの通り、半径約2キロの生活圏内を移動できるマイカーを、サブスクリプションで共有するという考え方は、昨今議論されているライドシェアに近いもので、既存の公共交通を補完するサービスとして有益であると感じました。
利用者の予約状況(乗車・降車場所、利用時間)に合わせ、AIが最適なルートや運行スケジュールを算出し、最適な配車や運行を行うことができる「AIルーティング」という機能を使い、エリア圏内で基本的に10分以内に車両が到着できることが特徴ですが、実績値については、直近のデータ(2023年5月末まで)では、3月は成立1434件:不成立84件、4月が成立1483件:不成立89件、5月が成立1404件:不成立78件で、待ち時間の総平均(2021年7月1日から2023年5月31日)は8分10秒となっており、サービスの信頼性は高いものと感じました。また、ドライバーもほぼ固定となっており、地域住民との顔が見える交流が図られているとのことで、この点にも注目したいと思います。
運行時間が8:00から21:00となっていますが、これは「地域の移動総量を増やし、まちの活性化を図ると同時に、既存公共交通を補完し、相乗効果を期待するもの」という事業目的に則り、通勤・通学時間を避け、他の交通機関の利用に影響を及ぼさないようにとの考えからとなっています。事業開始当初、他の交通事業者からは当然のごとく反発があったようですが、こうした考えを共有し、現に運用することで懸念を解消しており、丁寧に事業を進めていることが確認できました。
事業成果として、利用者アンケートから「今後も交通手段としてmobiが必要か」との問いに関しては95パーセントが「はい」と回答していますが、現段階では実証運行であり、採算ベースに乗るかどうか、というような課題もまだまだあるとのことでした。
福生市においても既存の公共交通を補完し、地域の実情に合った新たな移動手段の確保として、導入に向けた検討を進めるべきであり、またそのためにも、早期の地域公共交通会議の開催が望まれます。










