令和5年福生市議会第2回定例会。初めの一週間は各議員からの一般質問と理事者(福生市)から提出された議案の審議(主に委員会への付託)でした。
私は3日目に一般質問に立ちましたので、以下、概要を書きます。
1.インクルーシブな公園の整備について
(質問)
インクルーシブは、和訳すると「包摂的な」という意味の言葉で、近年、このインクルーシブの理念に基づき、障がいのある子ども、そうでない子どもも一緒に遊べるインクルーシブな公園が整備されてきている。
インクルーシブな公園の整備は、障がいの有無や世代、国籍などの差異を越え、本市の掲げる「人を育み 夢を育む 未来につながるまち ふっさ」を象徴する新たなランドマークとなり得るものであると考えるが、市の所見を伺う。
(答弁)
インクルーシブの考え方は障害の有無や年齢、性別にかかわらず、多種多様な人に公園を御利用いただくために、大切なことと認識している。
特色ある公園づくりの観点からインクルーシブな公園について研究しているところで、世田谷区の砧公園や、府中市の都立府中の森公園への視察を行った。
今後、他自治体のインクルーシブな公園の整備状況や利用状況、また、導入にあたっての課題などの調査を行い、今後の整備にどのように取り入れることができるか、引き続き研究していきたい。
2.住宅施策について
(1)マンションの適正管理について
(質問)
政府は、令和5年度から、適切な修繕工事を実施したマンションの所有者の固定資産税を減額する「マンション長寿命化促進税制」を創設し、適正管理を後押ししているが、この税制の適用を受けるためには、各自治体において、「マンション管理適正化推進計画」を作成する必要がある。また、令和4年度から始まった「マンション管理計画認定制度」についても同様であり、早期の計画策定が望まれるところである。
マンションの適正管理について、市の取組の現状及び課題、今後の取組について伺う。
(答弁)
福生市においては、令和4年度の法改正を受け、令和5年度及び6年度にかけて予定している「福生市住宅マスタープラン」の改定の中で、その内容を包含する計画とすることで進めてきたが、今回、税制改正大綱の内容が示されたとから、当初の予定を変更し、「マンション管理適正化推進計画」のみ、令和5年度中に先行して策定した上で、認定事務を開始する方向で調整を進めている。
あわせて、令和5年度税制改正において、「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」、いわゆる「マンション長寿命化促進税制」が創設されたことにより、税賦課徴収条例の改正についても調整を進めている。
(2)空家除却促進に係る連携協定について
(質問)
管理水準の低い空き家は防災性・防犯性の低下や衛生・景観の悪化など、周辺への影響が著しく、対策が必要であることから、国が空き家対策特措法を制定し、これに基づき本市においても「福生市空家等対策計画」を策定し、取組を進めてきていると認識している。
去る令和5年4月25日、空家の管理適正化を促進することを目的として、福生市と株式会社クラッソーネが「空家除却促進に係る連携協定」を締結したことが発表されたが、協定の締結に至った経緯やその内容、他の空き家対策や定住化促進施策等との関連性などについて伺う。
(答弁)
全国の自治体と官民連携により空き家対策に取り組む姿勢が評価され、国土交通省の空き家対策モデルにも採択された株式会社クラッソーネに対し、当市の課題や今後の対策等を御相談する中で、今回の連携協定を締結する運びとなった。
今後は、同社が保有する解体費用シミュレーターの無償提供により、空き家の所有者にシミュレーターの利用を通じて、解体に関する具体的なイメージを持っていただき、あわせて市の除却助成制度の活用等により、空き家の除却を進めていただきたいと考えている。
(3)市営住宅について
(質問)
公営住宅制度は、「国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするもの」とされ、住宅におけるセーフティーネットとしての役割を果たしてきた。
近年、居住者の高齢化等によるコミュニティの維持や共有部分の維持・管理に係る費用、いわゆる共益費の徴収・管理等の課題が取り沙汰されており、本市の市営住宅においても同様の状況があると認識している。
市営住宅の維持管理・運営についての現状と課題、また今後の取組等について伺う。
(答弁)
市営住宅の管理運営に関しては、市職員が直接実施をする、入居者の募集や入退去管理、建物全体の屋上防水や外壁塗装、給排水管改善などの大規模修繕、各居室の給湯設備やトイレ等の付帯設備の交換などの対応のほか、入居者が各々で実施をする、各居室の付帯設備の軽微な修繕や共用部分の清掃、除草作業などがある。また、市職員が行う管理業務の補助を目的とした管理人を、入居者の中から委嘱し、市営住宅の不具合の報告や、共用部分の光熱水費の支払などに係る入居者間の取りまとめに従事していただいている。
このうち特に、居室内の付帯設備は老朽化が進んでおり、それに起因するトラブル対応による管理人の負担増が懸念されるほか、管理人の高齢化とそれに伴う管理業務への影響が課題として挙げられるが、今後も「福生市公営住宅等長寿命化計画」に基づく予防保全による修繕や改修を進めるとともに、市職員と管理人が連絡を密にし、連携して管理業務を遂行することで、入居者に不便が生じないよう、引き続き適正な管理に努めていく。
(3)多世代交流の居場所づくりについて
(質問)
近年、住民サービスの高度化等による生活の利便性の向上や単身世帯、高齢者の増加、コミュニケーションのデジタル化などから、地域の人間関係の希薄化が更に進んでいる。
これまでも、地域共生社会の実現の観点から、個々の活動の範疇にとどまらない多様な実施主体による集いの場、居場所づくりについて質問してきたが、コロナ禍という未曽有の試練を経て、大きな影響を受けた地域社会をもう一度活気づけるため、人と人をつなぐ、多様な世代が交流できる居場所づくりが必要と考える。
多世代交流の居場所づくりについて、市の所見を伺う。
(答弁)
地域における世代間交流の取組は、世代を超えたつながりや相互理解を深めることができる大切な機会であるものと捉えている。
第6期福生市地域福祉計画においても、顔の見える関係づくりのため行政が取り組むこととして、地域住民同士の交流の場を整備し機会を提供するほか、児童と高齢者などの世代間交流を促進するとしている。
市ではこれまでも高齢者や子どもの事業において、様々な交流をはかる取組を行っているが、日頃、関わりの薄い同じ地域の高齢者と子どもが交流することにより、地域において希薄となりつつある世代を超えたつながりや相互理解を深めることができることから、世代間交流の機会を積極的につくっていかなければならないと考えている。
4.多文化共生の推進について
(質問)
本市の人口における外国人比率は、都道府県別で最も高い東京都内においても高く、多文化共生施策については注力してきていると認識しているが、外国人住民の多国籍化はもとより、在留資格(特定技能)の新設、デジタル化の進展、自然災害の多発化・激甚化など、社会情勢の変化に伴い、多文化共生施策を更に進めていく必要があると考えている。
本市における多文化共生の推進について、今後の施策の方向性や具体策など、市の所見を伺う。
(答弁)
多文化共生実態調査における「日本の生活での困り事、心配事」の項目では、「ことば」、「生活費や税金」、「仕事」に次いで、「災害時・緊急時の対応」と回答している外国人住民が多く、その中でも、来日して5年未満の方の割合が高くなっている。
そのため、令和5年度には、市内の外国人学校や日本語学校の生徒を対象に、「やさしい日本語」を使った福生消防署での防災研修及び池袋防災館での防災体験研修会を実施する予定である。
また、「多文化共生講演会」についても引き続き開催し、多文化共生意識の醸成を図ることで、外国人住民と日本人の方が共に安心して生活できる環境づくりをすすめていきたい。
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答弁を受け、私からは以下のような要望をしました。
1.インクルーシブな公園の整備について
インクルーシブな公園は、本市の多様性を体現するランドマークになり得るもの。更に研究を進めていただくとともに、高齢者や障がい者、外国人などの市民へのヒアリング等、検討段階から当事者に参画していただくなど、公園整備の中でも、インクルーシブの理念に合致した取り組みを進めてもらいたい。
2.住宅施策について
(1)マンションの適正管理について
マンション管理適正化推進計画の策定が遅れた場合、マンション長寿命化促進税制の恩恵を受けられないなど、住民の地域格差が生まれてしまう懸念がある。遅滞なく進めてもらいたい。
(3)市営住宅について
第2市営住宅で現管理人の退任による今後の管理についてのお知らせが入居者に向けてあり、文書には、管理人不在による生活への影響、具体的には、「廊下や階段の電灯、給水設備、エレベーター、水道料金等の支払いができなくなり、最終的には使用不可となる」との記載があり、入居者から不安の声が届いている。担い手不足というのはどこでも言われていることだが、市としても最大限努力してもらいたい。
3.多世代交流の居場所づくりについて
今後は、運営サポートや必要経費の補助、人的な支援やマッチングなど、市として更に関りや支援を強め、既存の高齢者・子供の居場所への若者・現役世代の参加を促す仕組みづくりが求められる。どのようにしたら単身世帯のような、地域に必要だけれども繋がれていない、潜在的な人材を巻き込んでいけるかが重要である。様々なシーンで多世代が交流できるよう、その中心となる機関やコーディネーターなど、担い手の育成、また仕組みづくりを考えてもらいたい。
4.多文化共生の推進について
言語、文化・風習などの差異を越えて互いが理解し合い、共生するには多くの課題がある。その全体像を俯瞰しながら、細やかな事業を展開していくには、しっかりとした体制作りも必要である。60か国を超える国籍の多様な外国人を地域人材として活かし、持続可能なまちづくりに資する取組を進めていくために、現状の態勢をより拡充し、多文化共生を担う専属の担当部署の設置を検討してもらいたい。
今後も現場を回り、地域課題を的確に捉えた質問をしていきたいと思います。
