主権者である国民が自らの代表を選ぶ選挙は民主主義の根幹をなすものです。
有権者が投じる一票の価値は平等であるべきですが、地域によって有権者の数に偏りが出るために起こる、いわゆる「一票の格差」が問題となっていました。
2009年以降にあった衆院選で、一票の格差を違憲状態とする判決が最高裁から繰り返し示されたことを受け、2016年に与党が都道府県ごとの定数を人口に応じて増減させる「アダムズ方式」の導入を提案し、衆院選挙制度改革の改正関連法の成立により導入が決定しました。
これにより、次期衆院選では小選挙区の区割りが変更され、いわゆる「10増10減」という状況が生まれることとなりましたが、これに関連して、自民党と公明党の選挙協力を巡る報道が続いています。
以下、5月26日付の公明新聞の記事を転載します。
公明党の石井啓一幹事長と西田実仁選挙対策委員長は25日昼、国会内で、自民党の茂木敏充幹事長、森山裕選対委員長と会談し、東京都における次期衆院選小選挙区の候補者を巡る交渉の経緯を踏まえ、公明党としての対応方針を伝えた。
この中で石井幹事長は「東京における自公の信頼関係は地に落ちた」と述べ、同日の党常任役員会で決定した方針を伝達。具体的には①「東京28区」で公明党として候補者を擁立しない②公明党が候補を公認した「東京29区」で自民党からの推薦は求めない③東京の小選挙区で公明党は自民党候補を推薦しない④今後の都議選や首長選などで自公の選挙協力をしない⑤都議会における自公の協力関係を解消する――とした。
自民党側は、党内で検討する考えを示したが、石井幹事長は「公明党の最終的な方針なので、この方針を変えることはない」と述べた。
一方で、石井幹事長は「この問題は、あくまでも東京に限定している話だ。自公連立政権に影響を及ぼすつもりはない」と述べた。
石井幹事長が25日、党会合などで説明した、次期衆院選小選挙区の候補者を巡る自公間の交渉の経緯は大要、次の通り。
一、公明党は、衆院小選挙区の「10増10減」に伴い、新たに選挙区が増える地域での積極的な擁立をめざし、東京、埼玉、千葉、愛知に絞って、自民党と交渉を重ねてきた。
一、(東京29区について)まず公明党現職がいる旧東京12区が割れたため、公明党はそのうちの東京29区での擁立を選択した。自民党との協議を丁寧に進めるべきとの判断から、事前に自民党の茂木幹事長らに伝え、了解を得た上で、1月25日に公認を発表した。その際、自民党からは「地元の反発があっても、しっかり説得していく」と話があった。
一、しかし、5月の連休明けに公明党の予定候補者が自民党都連幹事長にあいさつしたところ、「今回の公明党のやり方は強引だ」「自民党の現場は応援しない」「自民党の公認がなくても出馬したい人がいる。その人を応援する」と発言があった。とんでもないことだ。今月23日になっても自民党から「強い反発が残る」と伝えられ、いまだに調整がついていないのが実態だ。
一、(東京28区について)千葉5区の補欠選挙で与党として勝利するため、自民党から千葉での擁立を諦めるよう強く求められた。これを受け「東京でもう一つの選挙区での擁立」ということで交渉を進めてきた。自民党は5月までに結論を出す方針だった。
一、西田選対委員長も自民党の候補者がいないことを確認し、東京28区での公明党の擁立を「自民党本部としても最大限努力する」との話もあった。しかし、23日には自民党から「東京都連として既に候補者を決定していることもあり、党本部が地元を説得して全面的に協力することが困難」と伝えられた。初耳だ。
一、代替案として、自民党の支部長が決定していない東京12区、東京15区での擁立が示されたが、公明党は、両選挙区での擁立を求めたことはない。また、両選挙区ともすでに自民党の現職がいることから対象としていない。状況も異なり、受け入れることはできない。
一、半年近くにわたる交渉だったが、残念ながら、誠実な協議とは言えないことがあった。事ここに至って、自民党から応援できないと言われたことは大変心外だ。
また、交渉の当事者である西田選対委員長も自身のツイッターでこの件に関して言及しています。
http://twitter.com/m_nishida/status/1661862655576125440
今回、このような決定に至ったわけですが、当初、報道ではあたかも公明党に非があるかのような記事が散見されましたが、事実と異なっているということが明確になりました。
自民党の態度、マスコミの姿勢には言いたいことが山ほどありますが、いずれにせよ、公明党は公明党らしく、全力で戦い、結果を出すのみです。
