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多くの自治体で、文化・スポーツ振興に関する事務が市長部局に移管されているというケースが増えてきており、昨年度の本市の文化振興推進協議会においても話題になっています。

その経緯としては、これまで文化振興はもともと根拠法のない中で、多くの自治体において教育行政の一環として始まりましたが、平成13年の文化芸術振興基本法の公布、平成29年の文化芸術基本法への改正を経て、その基本理念として文化芸術だけの振興のみならず、観光、まちづくり、福祉、産業など幅広い分野と連携して総合的に文化政策を推進することが掲げられ、平成19年以降の地教行法の数度の改正により、現行では学校体育を除いたスポーツ行政、文化および文化財保護、図書館・博物館など公立の社会教育機関に関する事務などが、市長部局へ移管できるようになっています。

実際に令和6年5月の文化庁の調査によると、令和5年度の各文化行政区分(文化政策全般、芸術文化、文化財保護、国際文化交流、博物館)における所管については、例えば文化行政全般(文化芸術に関する基本計画の策定や文化芸術政策に関する取りまとめ)については、中核市62市中、51市が市長部局に移管されています。

中核市以外でもこれまで、この問題の議論は活発に行われています。移管によって教育委員会の事務負担が軽減し、学校支援能力が強化されるという意見や、生涯スポーツと学校体育との接点にある事務の連携の仕方への懸念、文化財保護に関する事務の移管には慎重にすべきという意見、また何よりも「社会教育の政治的中立性」についての懸念もあります。それについては一方で、完全な移管ではなく補助執行にするなど、制度の運用により解決は可能、という意見もあります。現段階での教育委員会、市長部局の考え方を聞きました。

(答弁要旨)教育委員会(生涯学習部長):文化芸術の振興に当たり、今後さらに幅広く様々な分野とのつながりを生み、相乗的な効果を得ていくためには、庁内の各部署としっかりと連携できる体制づくりについても検討する必要があると考えている。

(答弁要旨)企画財政部長:総合計画の施策として、文化やスポーツの振興を掲げ、他の施策とともに、各部局連携して取り組んでおりますが、これらの事務の移管の要否に関しましては、議員おっしゃられるとおり、検討する体制をどうしていくかが入り口になると考えております。文化芸術やスポーツ施策に関する事業については、地域づくりとも密接な関連があり、市長の権限と責任において一元的に担当することにより、地域の実情や住民のニーズに応じて、地域の振興をはじめとした幅広く様々な分野とのつながりを生むことが期
待されるということは、承知しているところでございます。
一方で、本市においては、文化芸術やスポーツ施策は、生涯学習や学校との連携など、教育分野とのつながりを重視し、これまで教育委員会において推進してきたという経緯もございます。事務の所管、または連携していく体制づくりの検討につきましては、教育委員会の担当部署と行政組織を所管する総務部が中心となり、目指すべき方向性に合わせて、関係する部署と連携しながら、丁寧に議論していくことが必要であると考えているところでございます。

今後は教育委員会所管課と総務部での協議、という仕組みが示されました。

 

船橋市議会公明党議員団では、9月9日に松戸徹船橋市長に対し、令和7年度予算編成に関する要望書を提出しました。

これは今夏も行った市内各種団体との意見交換会でいただいたご提案や、日常市民の皆さまからいただいているご意見などを政策にし、13分野319項目の要望書としてまとめあげたものです。

松戸市長からは「基本的に賛同できる内容が多い。しっかりと検討していく」との回答がありました。

予算要望書全文はこちらからご覧ください。→→ 令和7年度予算要望書

 がん患者の「治療と就労の両立支援」の推進のために

がんや糖尿病、精神疾患などで治療を続ける方の職場復帰など「治療と就労の両立支援」のニーズが高まっています。
特にがん患者に対しては、厚労省の指針により、がん患者・家族への相談支援や医療従事者に対する研修を行うことにより、地域におけるがん診療連携の円滑な実施などが求められています。
東京都では「がん診療連携拠点病院機能強化事業」に基づき、がん患者の就労に関する総合支援事業を支援しており、そのうち船橋市と同様に市立病院を持つ青梅市(市立青梅総合医療センター)を会派メンバーと視察しました。ここでは社会保険労務士による就労相談の中で、職場との折衝が必要な場合には、院内に配置されている「両立支援コーディネーター」がその任に当たり、医師・職場・患者を結びつける役割を果たしています。
船橋市立医療センターでも類似のサービスはありますが、個別の悩み、相談にさらにきめ細かく対応できる体制づくりを求めていきたいと考えています。