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 令和3年度第1回定例会、通称3月議会が新年度予算案が可決されて閉会しました。明日よりは春を迎えたまちに出て、さっそく次の戦いに向けて行動開始です。花粉もかなり飛んでいて大変ですが、コロナ渦でもっと大変な皆様のところに気を付けながら伺ってまいります。

 

 今回も一般質問に取り組ませていただきました。ウィズコロナ、アフターコロナの新しい生活様式が必要とされる今、デジタル化ばかりが叫ばれているように感じます。もちろんそれも大変重要で前回はその質問もしましたが、コロナに対応した形でもっと市民に寄り添う姿勢が必要と考えています。今回はその視点で市役所の窓口に関するもの2点、市立図書館1点、そして私が感銘を受けた「障害平等研修(DET研修)」について質問しました。以下、質問と答弁の概要を掲載させていただきます。

 

感染症流行への対応について

 

問:新型コロナウイルス感染症流行の収束の決め手は、ワクチン接種であることは明白です。市区町村が接種を行う高齢者と基礎疾患のある方への接種が、間もなく始まりますが、これを滞りなく進める必要があります。高齢者と基礎疾患のある方と、それに続く一般に分けてそれぞれ対象者数について伺います。

 

答:65歳以上の高齢者が約2万500人、65歳に達していない特定の基礎疾患を有する者については、市で人数を把握していませんが、国からは自己申告により予診票の内容で医師が判断するよう指示されています。続いて、高齢者施設等の従事者が約1千100人、60~64歳の者が約4千100人、最後にその他の16歳以上の者となります。なお高齢者施設等の従事者には市外の方も含まれており、市民の対象者の総数は約5万7千人です。

 

問:本市にとっても空前の対象者数となりますが、この人数に円滑に接種を受けてもらうには充分な準備が必要です。市民はどう手続きして、どこで接種を受けるのか。また国から明確なワクチン供給の予定が示されていませんが、現在の時点での日程はどうなっているのかなど、本市の接種計画についてご説明ください。

 

答:市が主体で実施するのは、65歳以上の高齢者から始まる市民への接種になります。国からは令和4年2月28日までに、接種を終えるよう指示されています。

 市では、これまでにない大規模な予防接種事業を円滑に進めるため、医師会や市内の医療機関等の協力の下、接種体制について検討・協議をしています。しかし、国からの情報も何度も変更されることや、新しいワクチンの取り扱いに手間がかかることなどから、医療関係者でも接種体制づくりに慎重になっている状況です。

 国から新たなスケジュールとして、地域や人数は限定的ではありますが、4月12日から65歳以上の高齢者への接種を開始すると発表がありました。藤岡市においても国が示すスケジュールに合わせて接種できるよう接種体制を確保していきます。

 

問:新型コロナウイルス感染症の収束が未だ見通せない現状にあって、また、今後も新たな感染症の発生の可能性を考えると、市役所の窓口業務についてもウィズコロナ、アフターコロナの新しい生活様式に合わせた運営が望まれます。

 各種申請について今後オンライン化が進められても、相談業務などは対面で丁寧に対応する必要があります。そこで今回のコロナ対応で、民間でも広く使われるようになったICTによるリモートや、いわゆるテレビ電話の機能を活用するべきと考えます。リモートであれば接触を伴わずに、また距離があっても、双方向で顔を見ながら対話することが可能です。

 渋川市では各支所に行政相談員を配置し、全員がテレビ電話機能を持ったタブレット端末を使っています。相談員は支所内、また相談事の現場に出向いて本庁の担当課と通信で結びます。相談者は本庁にいる担当者とタブレット端末を介して顔を見ながら会話し、相談ができます。

 本市でも合併により鬼石総合支所が置かれましたが、その機能は縮小されています。そこで支所の窓口に、市民が本庁各課と直接相談できるよう、双方向で顔を見ながら会話できる端末を置くことを提案します。固定での使用で十分であれば、既存のパソコンに映像通信ソフトを入れ、ウェブカメラを用意するだけで運用できます。それでも十分に総合支所の機能強化となり、対面を減らして接触を避けての窓口業務が可能です。この仕組みを導入することで、オンライン申請と窓口での対面の中間の形態として、内容に応じての使い分けが可能となり、血の通ったデジタル化と言えると思います。お考えを伺います。

 

答:鬼石総合支所は本庁の8課の受付申請業務を取り扱っていますが、コードレス電話を利用して、市民と本庁職員が電話で直接相談できるようにしています。コードレス電話での相談は1カ月に数件程度あります。スペースの確保や設備の導入など課題はありますが、総合支所の機能強化と住民の利便性向上に資すると考えます。身近になったICTサービスのひとつであり、藤岡市デジタル化ビジョンで推進を図ることとしている市民の利便性向上に寄与するので、今後、導入に向けた検討を進めたいと考えています。

 

問:お悔やみ窓口の設置について伺います。人は誰でもいつかは必ず亡くなります。人間は社会的な生き物ですので、亡くなると行政に対しても多くの手続きが必要です。様々なケースも考えるとどのような手続きがあるのか、手続きを行う担当課ごとに分けてご説明ください。

 

答:死亡届提出に伴い遺族に渡している案内では、11課及び1関係機関で25の手続きとなっています。この手続きは個人によって異なりますが、個々の取扱いが解るよう案内しています。市民課では、印鑑登録、住基カード・マイナンバーカードなどの返却。税務課では軽自動車等の名義変更、廃車手続き、納税相談課では市税等の納付手続き、保険年金課では、国民健康保険証の返還や葬祭費の申請など7つの手続き、環境課では、犬の所有者変更の手続き、福祉課では、障害者手帳の返却など、介護高齢課では、介護保険証の返却など、子ども課では児童扶養手当の申請など5つの手続き、農業委員会では、農業者年金や農地の相続等の手続き、建築課では、市営住宅に関する届出や申請。経営課では上下水道に関する届出、また、前橋地方法務局高崎支局での相続登記について案内しています。

 

問:これらの手続きを全て済ませるには、庁舎内での移動時間も含めて多くの時間と手間がかかります。本市の場合、健康福祉部各課は本庁舎から離れた別棟であり、さらに市民にご苦労頂いています。これらの手続きを、家族を失った悲しみの中、葬儀等で疲労している状態で行うことは大変です。

 そこで近年全国でお悔やみ窓口を設置し、手続がワンストップで済むサービスや、相談窓口を設置する市町村が増えています。届け出の情報は関係課と共有されるため、スムーズに申請できるようになり、受け付け時間も3分の1まで短縮できる例もあるとのことです。

 本市でも将来的には専用スペースを確保したほうがより良いと思いますが、現状では1日平均2人ほどのためそこまでの必要はないと思われ、死亡届を受理する市民課窓口を兼用し、そこに各課の申請書類を集約して対応することが考えられます。一人の職員で全て対応する必要もなく、予約制として各課の職員が必要に応じて順次対応する運用も可能です。お悔やみ関係の手続きの集約について、改めてお考えを伺います。

 

答:お悔み関係の手続きを集約する専用コーナーの設置ですが、質問のなかでもふれていましたが、現在の死亡者数からすると件数もそれほど見込めません。また、多課にわたる手続きとなるため職員1人での対応は難しいことから、現時点では専用コーナーの設置までは考えていません。

 提案の必要に応じて各課の職員が順次対応する運用など、引き続き遺族にとってスムーズな手続きが行えるよう関係各課とも研究していきます。

 

問:市立図書館では、返却されてきた図書に対してアルコールでふき取り、除菌を行っています。あまりに効率が悪く、時間もかかるのにカバーの部分しか清掃できません。また、液体であるアルコールでふき取ることは、フィルムが掛けてあっても、本を傷める可能性が高いと思われます。

 新型コロナウイルスと闘っている現在はもちろん、季節性インフルエンザやノロウイルス感染症を始め、特に抵抗力のない子どもやお年寄りを守るためにも、また作業に当たる職員の安全のためにも、もっと安全で効果的、かつ効率の良い除菌方法が必要です。

 そこで市立図書館に図書消毒機と呼ばれる機器の導入を求めたいと思います。この機器は新型コロナウイルス感染症の流行によって、全国で大きく導入が進んでいるようです。

 この機器は紫外線で殺菌消毒し、送風により本に挟まった髪の毛やほこりなどを除去するものです。メーカーや機種により異なりますが、同時に数冊の処理が可能で、数十秒で消毒ができます。この図書消毒機を使うことにより、不特定多数の方が利用する本を清潔で安心して借りることができます。

 このことについて平成26年に一般質問が行われ、かなり前向きな答弁が行われていますが、今日まで機器は導入されていません。このコロナ禍にあって、改めて図書消毒機の導入を図るべきと思いますが、お考えを伺います。

 

答:図書消毒機は県内の図書館でも、11館に設置されていることを確認しています。日本図書館協会の見解では新型コロナウイルス感染を防ぐ最も効果的な対策は、資料利用前後の手洗い・手指の消毒であり、紫外線照射による資料の消毒は推奨されていません。その理由としては、紫外線の新型コロナウイルスへの効果はまだ立証されておらず、各国機関の見解もむしろ否定的であることをあげています。

 図書消毒機の導入につきましては、今後新しい実証結果が出てきた場合は見解の改訂も有り得るとのことなので、日本図書館協会や県立図書館の動向を注視していきたいと考えます。

 

 

障がい理解に関わる職員研修について

 

問:障害者差別解消法の施行により、行政機関はその事務・事業を実施するに当たり、障がいを理由として不当な差別的取扱いをすることが禁止されるとともに、障がい者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合、その実施に伴う負担が過重でない場合には、必要かつ合理的な配慮を提供することが義務化されました。法は福祉分野にとどまらず、日常生活および社会生活全般にかかわる分野を広く対象としています。

 そのため法に対応するためには、福祉分野の職員にとどまらず全ての職員が障がいに対する理解を深めていく必要があります。そこで、本市の職員研修における、障がい理解に関わる研修の実施状況についてご説明願います。

 

答:本市においては、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」に則して、職員が適切に対応できるよう、「藤岡市における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領」を平成29年4月1日に施行いたしました。

 職員研修については、対応要領第7条に基づき、新規採用職員に対しては、障がいを理由とする差別の解消に関する基本的な事項について、また、新たに課長となった職員に対しては、障がいを理由とする差別の解消等に関し求められる役割について、平成29年度よりそれぞれ研修を実施しています。

 

問:群馬県では障がいを理由とした差別の解消を推進していくための職員研修として、「障害平等研修」を活用しています。これはDET研修とも呼ばれ、障がい者自身がファシリテーターとなって進めるワークショップ型の研修です。対話を通じた「発見」を積み重ねていく中で、差別や排除など、社会の中にある様々な「障害」「バリア」を見抜く力を獲得し、それらを解決していくための行動を形成することを通じて、障がい者の社会参加や多様性のある社会を創ることを目的としています。

 DET群馬のファシリテーターを講師として実施するこの研修は県職員が順次受講するのみならず、昨年1月21日には山本知事以下県幹部職員も受講したとのことで、県知事の受講は全国で初めてということです。また県内各市町村でも、職員対象に実施するところが増えてきています。

 私自身も研修を受けたところ、イラストや映像を見ながら「障害」について考えたり、DET群馬のファシリテーターや参加者とのディスカッションを積み重ねたりする中で、「障害」とは何か、差別を解消し共生社会を作っていくにはどう行動すべきか、自然と理解が進んでいきました。

「障害者の権利に関する条約」の前文では、「障害」は「機能障害を有する者とこれらの者に対する態度及び環境による障壁との間の相互作用」であるとしています。要するに「障害」とは「障がい者の身体にあるもの」ではなく、「障がい者と向き合う健常者の態度や社会環境のバリアによって生まれるもの」だということです。

 もちろん障がいによる不便さを補うためには、様々な福祉施策が必要です。しかし障がい者をはじめ不便さを抱える人々が、更に言えば健常者も含めてすべての人が自分らしく生活できる共生社会を実現するためには、健常者の心の中のバリアと、社会環境にあるバリアを取り除いていく必要があるのだということを、自ずと理解させてくれる研修でした。

 本市においても障がいを理由とした差別の解消を推進していくため、職員研修に「障害平等研修」を取り入れていくべきと思いますが、お考えを伺います。

 

答:合理的配慮を提供する際、「障害」とは、障がいのある人のことではなく、障がいのある人の社会参加や社会資源の利用を妨げる健常者の態度や社会環境の障壁であることを認識し、そのうえで障壁を取り除く行動を起こすことが個人を尊重し合う社会形成につながると考えます。

 昨年、群馬県主催の藤岡公民館において行われた一般向けの研修では、意識や考え方を変えることができた、障壁に気付くことができたといった趣旨の意見が多く寄せられたと聞いております。

 本市においても、障害平等研修の実施について、職員の障がいに対する理解と障がいを理由とする差別の解消に関する認識を深めるために有効と考えますので、実施に向けて前向きに検討していきます。

 

*上記はくぼたの私的編集による概要です。詳しくはくぼたまでお問い合わせいただくか、後日に藤岡市議会ホームページに掲載される録画映像または議事録をご確認ください。

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