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バックナンバー 2019年 9月

 本日、9月議会が閉会となりました。ようやく涼しくなってきた外に飛び出して、訪問対話や街頭演説などの日常活動に頑張っていきたいと思います。

 

 今回の一般質問は、1問目が障がい者と高齢者の支援のために、今年6月に成立した読書バリアフリー法の求める読書環境の整備に関してと、高齢者運転免許証自主返納支援事業の改善について。2問目がある関係者の方から提案された、シルバー人材センターと若年者自立支援事業の連携について質問しました。

 以下、長くなりますが、質問の要旨を掲載させていただきます。

 

 

1.障がい者・高齢者の支援について

 

問:読書バリアフリー法が国会で可決、成立しました。これは視覚障害者や、発達障がい者、本のページをめくるのが困難な肢体不自由者などの、読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進するものです。
 通常の活字の本を、視覚障がい者が自力で読むことは困難です。そこで長年にわたって視覚障がい者の読書は、点訳ボランティア、音訳ボランティアなどによって支えられてきました。近年はデジタル化で電子書籍が普及したことにより、視覚障がい者でも自力で本を読める可能性が出てきました。
読書バリアフリー法ではその第9条で地方公共団体に対し,公立図書館等について,各々の果たすべき役割に応じ,点字図書館とも連携して,視覚障害者等が利用しやすい書籍等の充実,その円滑な利用のための支援の充実、図書館の利用に係る体制の整備が行われるよう,必要な施策を講ずることを求めています。本市の対応について伺います。

 

答:図書館では、図書館利用に障がいがある人々へのサービスとして、拡大鏡、コミュニケーションボード、筆談器を用意しています。また図書としてはLLブック、大活字本を収集しています。視覚障がいのある方へは点字図書、録音図書の貸出を行っており、視覚障がい者第1級又は第2級の方へは、貸出、返却を無料で郵送できます。
 「図書館バリアフリー法」が成立したことにより、視聴覚障がい者等の読書環境の整備の促進を更に図ることが必要であると考えます。

 

問:公明党会派ではこれまでも障がい者や高齢者の読書支援のための提案をしてきました。私は平成28年第1回定例会では、大活字図書の収集拡大と利用促進について伺いました。その後の大活字図書の蔵書の状況と利用促進策について伺います。合わせてこれまでの視覚障がい者等への読書支援への取組について伺います。

 

答:現在の大活字図書の蔵書の状況は、所蔵冊数は507冊で平成28年度比113冊増、所蔵タイトル数は209タイトルで平成28年度比61タイトル増となっています。利用促進については広報ふじおかや図書館のホームページでPRしたほか、移動図書館車での貸出も始めました。
 また、視覚障がい者等への読書支援の取組として、平成30年度に点字絵本コーナーやLLブックコーナーを設置しました。

 

問:これからは先ほども触れた電子書籍など、インターネットを通じたサービスによって、視覚障がい者等の方々が、自力で書籍類にアクセスし、読んだり聞いたりすることが可能な時代になってきました。

 電子書籍については以前会派で千代田区立図書館を視察しましたが、ここは多くの電子書籍を所蔵し、インターネットを通じて貸し出しを行っていました。これからの図書館のあるべき姿のひとつと、強く感じた次第です。藤岡市のように、市民の誰もが市立図書館に公共交通だけで来館できる環境にはない場合、自宅に居ながら本を借りることのできるインターネットによるサービス、電子書籍の貸し出しは、今後取り組んでいくべき課題の一つであると考えます。そこでまず現在までの市立図書館におけるインターネットサービスへの取組について伺います。

 

答:現在、市立図書館のホームページでは、新着図書等の案内、自分の貸出や予約などの利用状況の確認、蔵書検索や予約ができ、ホームページからの予約は全体の予約件数の約60%を占めています。また、国立国会図書館や県内の図書館へのリンクを貼っており、検索機能の充実を図っています。

 

問:今後は新しい時代の要請として、電子書籍の貸し出しについて検討していくべきと考えますが、まずは読書バリアフリー法の要請を踏まえて、聴覚障がい者等に向けての電子書籍へのアクセスを、藤岡市立図書館として保証していくべきと考えます。とはいえ、仮に数百タイトルを蔵書として揃えたとしても、その貸し出しにはシステム構築が必要になることから、今すぐ市立図書館単独で十分なサービスを行うことには無理があると思われます。
 そこで私はサピエ図書館のサービスを導入することを提案します。これはインターネット上で点字データや音声データとして図書の貸出が可能なサービスで、厚労省の補助事業として、日本点字図書館が事業受託してシステムを管理し、全国視覚障害者情報提供施設協会が運営しているものです。図書館などの施設がその登録施設になることによって、サピエ図書館の利用希望者はその施設での利用登録により、サピエ図書館の利用者IDの取得が可能になります。利用者IDによってインターネットを通じてサピエ図書館にログインすることで、自宅などインターネット環境にある場所で点字データや音声データとして図書を利用できることとなります。
登録施設がサピエ図書館に支払う年度間利用料金は、会員種別にもよりますが4万円程度で、個人会員になった利用者の利用料金は無料です。
 サピエ図書館には、約18万タイトルの点字データや約7万タイトルの音声デイジーデータ、約2千タイトルのテキストデイジーデータなどがアップロードされています。さらに、毎年約2万タイトルが追加されています。藤岡市立図書館がサピエ図書館の登録施設となることで、視覚障がい者等が身近な藤岡市立図書館での利用登録によってサピエ図書館を利用できるようになることは、大きな価値があると考えます。お考えを伺います。

 

答:市立図書館の障がい者サービスの充実として、まずはデイジーの導入を検討したいと考えます。デイジーは録音図書とは異なり、目次から読みたい章や節、任意のページに飛ぶことができ、視覚障がい者のほかに学習障害等の方にも有効であることが認められてきています。
 デイジーの利用状況や利用者の要望を調査しながら、サピエ図書館の導入について関係部局と協議し検討します。

 

問:まずはデイジー図書の導入を行い、その様子を見てから検討するとのことですが、パッケージ版の購入を検討するということかと思います。パッケージ版には専用機器か、もしくは事前に再生用ソフトをダウンロードしてインストールしたパソコンがあれば、インターネット環境が無くても利用できるなどの利点もあります。しっかり取り組んで頂いて、特別支援教育や通級指導などとも連携して利用を進めていただきたいと思います。また提案したサピエ図書館では、そのテキストデイジーデータだけでも現在でも約2千タイトルが利用できます。こちらも専用機器が無くてもソフトをインストールしたパソコンがあれば利用できますので、ぜひ利用者ファーストで検証の上、ご検討いただきたいとお願いしておきます。
 次に高齢者運転免許証自主返納支援事業について伺います。近年、高齢運転者が加害者となる交通事故が頻発し、社会問題となっています。そこで運転に不安を持つ高齢者の間で運転免許証を自主返納する動きが広がり、行政もこれを支援しています。本市においても本年度より支援事業を開始したところですが、本市の事業の概要と、今日までの状況についてご説明願います。

 

答:高齢者が関係する交通事故が毎日の様に報道されている中、高齢者の交通事故を少しでも減らすことを目的として、本市でも今年4月から藤岡市高齢者運転免許証自主返納支援事業を実施しています。高齢者の免許返納を促す事業であるため免許返納時の一回限りの支援としています。
 8月末時点の実績では、交付決定者数は94名です。その内訳は運転経歴証明書の交付手数料の補助で90名、バス利用券17名、タクシー券74名です。

 

問:本市の事業における支援内容のうち、公共交通利用券等の交付についてはバス利用券10,000円分か、タクシー券5,000円分のどちらかを選択することになっており、いずれも1回限りの支援となっています。
 この事業について公共交通利用券の交付が1回限りということについての声は、先の6月議会での質問でご紹介しました。自主返納者を含めて運転免許証を持たない高齢者の移動手段については、早急に検討を進めていただけますよう、改めてお願いいたします。
 もう一つ市民から提案いただいたのは、タクシー券で利用可能なタクシーの拡大です。現在利用できる5社の営業車両では車いす利用者など介護を必要とする方の利用が難しいため、市内でも複数の事業者が運行している介護タクシーの利用を認めてほしいとの声があります。
ご存知の通り介護タクシーは、一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)として、国の許可を受けて事業を行っている事業者のタクシーで、乗降時に乗務員の介助を受けることができます。またその営業車両として、車いすやストレッチャーのままで乗車できる福祉車両も運行しています。運転に不安を持つ高齢者本人が車いす利用者という例も今後考えられますし、また家族に車いすを利用しているなど介護を必要としている方がいて、その送迎に当たらなければならないため、運転に不安を持ちながらも自主返納を躊躇している高齢者は数多くいると思われます。
 介護タクシーの利用時に本事業でのタクシー券利用を可能にする改善を行うことによって、こういった方々にも運転免許証自主返納を促し、もって高齢者の交通事故減少を図ることが促進できると思いますが、お考えを伺います。

 

答:本事業では多野藤岡ハイヤー協議会に加盟しているタクシー事業者と契約しており、利用できるタクシー会社は5社のみです。介護タクシーについては同様な協議会がないため、事業者の把握が難しい面もありますが、利用者の利便性を確保するために前向きに検討していきたいと考えます。

 

2.若年無業者の自立支援について

 

問:シルバー人材センターでは家庭、企業、公共団体等から受注した仕事を会員に紹介しています。センターと会員の間には雇用関係はなく、就労日数や収入が保証されるわけではありません。このような仕組みにあっては会員が求める仕事の量、つまり需要と、発注される業務の量の供給が釣り合っていることが制度の安定に必要と思われます。

 シルバー人材センターの会員になれるのは概ね60歳以上ですが、現在は高年齢者雇用安定法第9条により65歳までの高年齢者雇用確保措置が定められています。そのためセンターでは、65歳未満の新規会員を確保することは困難と思われます。現在の藤岡市シルバー人材センターの状況について伺います。

 

答:藤岡市シルバー人材センターは、定年退職者などの高年齢者に、そのライフスタイルに合わせた「臨時的かつ短期的又はその他の軽易な就業」を提供するとともに、さまざまな社会参加を通じて、高年齢者の健康で生きがいのある生活の実現と社会福祉の向上に貢献している団体です。会員は、原則として60歳以上の方で、平成30年度末で352名が登録し、平均年齢は72.8歳になっています。
受注件数は平成30年度実績で請負事業と派遣事業を合わせて1,931件、就業延人員は42,085名、就業実人員は、342名になっています。
 センターの課題としては、企業・事業所等の継続雇用制度の導入など近年の労働者を取り巻く環境が変化したことにより、高齢者数は増加していても会員数は横ばいで、新規入会の年齢が高くなることにより会員の平均年齢も上昇傾向となっています。
そのため、数字は把握できていませんが、発注を受けても対応する会員の確保ができずにお断りするケースもあると聞いています。

 

問:もうひとつ、働くことに関して社会的に問題になっているのは、若年層そしてそのまま高齢化して中年層に及ぶ無業者の問題です。更に無業者が6か月以上外出しなくなれば、「ひきこもり」と呼ばれるようになります。
 そういった状態から抜け出し、自立しようとする若者を支援するのが藤岡市若年者自立支援事業です。この事業では若年者に対し職業的自立を促進することを目的として、中間的就労である職場体験やボランティア活動体験等の支援プログラムを実施しています。藤岡市若年者自立支援事業の実施状況についてご説明ください。

 

答:藤岡市若年者自立支援事業は、委託先であるNPO法人ラポールの会が支援プログラムを実施しています。プログラムの内容は、アルバイト体験、農作業体験、イベントや関係先でのボランティア活動などですが、昨年度の支援者は34名、就労訓練延べ日数は107日、参加人数は延べ145名でした。

 

問:以上のことを踏まえて、シルバー人材センターが若年者自立支援事業と連携し、協力して事業を行うことで、両方の事業にメリットがあると考えます。
 宇都宮市シルバー人材センターと栃木県若年者支援機構では、事業協力してニートや引きこもりなどの若者に就労体験の場を提供しています。具体的にはシルバー人材センターの社会貢献事業と位置付けて、平成25年度と26年度に、数回ずつ封筒入れの軽作業を、中間的就労の機会として提供しました。
シルバー人材センターには様々な難易度の仕事が数多く入ってきます。発注する側は、誰がその作業を行おうとも、その仕事を完成させてくれれば何の問題もありません。シルバー人材センターとしては、受注した仕事をこなしつつ社会貢献を行うことができます。
 一方で自立支援に取り組む立場では、作業の難易度や強度の異なる仕事を、その支援プログラムの進行度合いに応じて提供することが可能となります。
言うまでもなく事故や対象の若年者の自立にマイナスとならないように慎重に進める必要はありますが、シルバー人材センターと若年者自立支援事業実施団体とで協定を結ぶなどして、連携して事業を進めることについてお考えを伺います。

 

答:支援対象者の中には精神問題や発達問題などの難しい事情を抱える人もいて、自立支援にあたっては関係機関、利用者に無理や負担の無い方法を相談、模索し、有効かつ継続できる取り組みを行う必要があります。
 シルバー人材センターとの連携については、仕事の受注責任などの課題や運営事情もありますので、調査研究が必要であると考えます。

 

 

*上記はくぼたの私的編集による概要です。詳しくは後日に議会ホームページに掲載される議事録をご覧いただくか、くぼたまでお問い合わせください。 なお質問の録画映像も1週間後くらいには、同じく議会ホームページで公開されます。

9月2日

 

 藤岡市議会9月定例会が開会となりました。日程は19日までの18日間です。9月議会は決算議会で、30年度の決算について審査し、市民からお預かりした税金の使い道をチェックします。分厚い決算書との格闘と、一般質問の準備が並行してしばらく続きますが、全てにしっかりと取り組んでまいります。
 今回も一般質問に取り組ませていただきます。

 

1.障がい者・高齢者の支援について

(1)読書バリアフリー法について

(2)読書支援の取り組みについて

(3)インターネットサービスへの取り組みについて

(4)サピエ図書館について

(5)高齢者運転免許証自主返納支援事業について

(6)介護タクシーの利用について

2.若年無業者の自立支援について

(1)シルバー人材センターについて

(2)若年者自立支援事業について

(3)事業の連携について

 

 1については、参院選前の通常国会で、超党派による議員立法で「読書バリアフリー法」が成立しました。これは視覚障がいなどで一般の書籍を読むことが困難な方々に向けて、電子書籍などによって自力で読書できる環境づくりを、国と地方公共団体に求めるものです。藤岡市立図書館でも、今後の電子書籍の導入や、視覚障がい者等に向けてインターネットを通じてデイジー図書や電子書籍を提供するサービスである「サピエ図書館」の利用を提案します。

 また、運転に不安を持つ高齢者に対して、運転免許証の自主返納を促す支援制度が始まりましたが、その特典として提供されるタクシー券で、介護タクシーも利用できるように求めます。

 

 2については、シルバー人材センターと若年者自立支援事業が提携して、シルバー人材センターに寄せられる様々な仕事を、自立支援事業の中間的就労に利用しようという提案です。

 一般質問は10日(火)に行われますが、私の質問は4番目と決まりましたので午後2時前位の登壇になるかと思われます。しっかり頑張ります。

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