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バックナンバー 2018年 3月

 本日、3月議会が平成30年度予算案を可決して閉会となりました。また明日より春を迎えるまちに出て党勢拡大に頑張ってまいります。

 

 来年度予算では、私が取り組んできたことが実を結ぶことができました。まず1点目は子育て支援として産後ケア事業が始まります。これは出産して退院後、藤岡総合病院の産婦人科病棟で1日ゆっくり過ごし、その間に助産師から乳房ケアや授乳指導・沐浴指導などを受けることができるものです。

 

 2点目は不育症治療費補助金です。不育症は不妊症とは違い、妊娠はするが胎児が育たずに流産を繰り返す症状で、原因にもよりますが治療を受ければ出産に至ることが可能です。しかし保険がきかないのでこれまで経済的負担が大きかったのですが、1年度に一回、上限20万円で、治療にかかった金額の2分の1まで、通算5回まで受けることができます。

 

 3点目は就学援助の改善で、新入学児童生徒学用品費についてです。これはランドセルなど入学に必要な学用品を購入するための費用に充てても他うものですが、これまで実際に支給されるのは秋になってからでした。これが30年度新入生については4月、31年度新入生については入学前に支給されることになりました。

 

 もう一つ、内田議員の実績で新生児聴覚検査に公費補助が出ることとなりました。これまでは自己負担で産院によって3千円から6千円ほどかかっていたのですが、3千円を公費補助します。皆様から伺った声を形にすることができました。

 

 また、今年に予算の目玉としては、小中学校普通教室すべてにエアコンが入ります。これは私も質問して推進してきましたが、市議会の他の会派の議員さんも質問して推進してきた事業です。夏休み明けに使用できるよう、準備を進めていくとのことです。また災害に備えて防災公園を、給食センターの隣の土地に整備していくことも決まっています。

 

 3月議会は、新井市長の最後の議会ということで、最後の挨拶は4期16年を振りかえっての総括となる内容でした。本人も心に迫るものがあったようで、私も感慨深いものがありました。

 

 今回は子どもの貧困対策と、独居高齢者などを中心としたハイリスク世帯に対する見守りの提案について一般質問させていただきました。以下、少し長くなりますが質問の概要を掲載させていただきます。

 

1.子どもの貧困対策について

問:国民生活基礎調査による平成24年の子どもの貧困率は16.3%で、6人に一人以上の子どもが貧困の中で生活していることが報じられました。子どもの健全な成長を図ることは個々の保護者のみならず、社会の責任と言えます。現実的にも子どもの貧困を放置すれば、貧困の連鎖によって社会的・経済的にも大きな損失が生じてしまいます。子どもの貧困率は平成27年には13.9%とやや改善していますが、依然として約7人に一人が貧困状態にあります。
 これを受けて子どもの貧困対策推進法が平成26年に施行されました。県ではこの法律に基づいて平成27年度に群馬県子どもの貧困対策推進計画を策定し、28年度から31年度までの4年間をその計画期間としています。計画の概要と、計画が市町村に求めている役割りについて伺います。

答:計画の概要は、子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することが無いよう、子どもの貧困対策を総合的に推進するため、①教育の支援、②生活の支援、③保護者に対する就労の支援、④経済的支援の4つを支援の柱として策定されました。
 計画が市町村に対して求めている役割は、子どもの貧困対策は子どもの成長段階や世帯の状況に合わせた多面的な支援を継続的に実施する必要があることから、施策を実施している市町村や関係機関、また、民生委員・児童委員との密接な連携を図ることとされています。

 

問:県の計画にある個々の事業には市町村の役割が大きいもの、また他の法律が市町村に実施を求めているものが多く、結局は現場を預かる市町村がしっかりと取り組んでいかなければ、事態は改善されないと思われます。そこで藤岡市としての具体的な支援について伺ってまいります。
 まず法律は第十条で国及び地方公共団体に、貧困の状況にある子どもの教育に関する支援のために必要な施策を求めています。藤岡市の教育の支援の現状について伺います。

答:本市の教育支援として、経済的理由により修学が困難な人に対して「藤岡市奨学金」の貸与や「多野しんきん育英会奨学金」を給付しています。また、経済的な理由により義務教育を受けることが困難な児童・生徒のため、保護者へ学用品費などの援助を行う「就学援助制度」があります。申請は学校へ提出し、審査ののち認定を受けた場合に、学校を通じて支給されることになっています。

 

問:就学援助について、定期的に案内が子どもたちを通じて保護者あてに配布されていますが、この配布は年に何回、どのタイミングで行われているか伺います。

答:就学援助に係る案内は、小中学校に在籍する全ての子どもの保護者に対して、原則、年に1度10月に学校を通して行っています。また、小学校新入学児童の保護者に対しては、就学時健診の際に案内を配布し、学校の担当者より説明しています。

 

問:家計の状況が急変して悪化することは充分ありうることであり、また1回案内を見た段階では申請を躊躇していた方が、複数回案内を目にすることで申請に至ることもあると考えます。年に複数回、就学援助の案内を配布するべきと考えますが、伺います。

答:ご指摘の通り、案内を複数回行うことで、該当する保護者が申請に至る場合もあると考えます。制度と申請方法の周知について、現状行っている10月の案内に加え、年度始めに学校より通知で案内したり、市教育委員会及び各校のホームページにも掲載したりするなど、該当する保護者がいつでも申請できるよう工夫・改善を図ることで対応していきたい。

 

問:教育費負担の軽減が進むことによって、家庭の経済状況が原因で進学をあきらめなくてもよい環境づくりが進んでいます。しかし、そこに至る前の小中学生の時点で、基礎学力をつけることが前提として重要です。保護者が家庭学習の面倒を見られない、自宅が狭く自宅学習に集中できない、また経済的に学習塾に通うことが難しいなどの状況があるようですが、これらのことで子どもたちが不利にならないための取組が必要です。
 そこで現在全国で展開されているのが、無料学習塾です。これは経済的に苦しい家庭の子どもたちに対して無料で学習指導を行うもので、県の計画でも生活困窮世帯等への学習支援を、必要とされるすべての市町村において実施することを目指しています。直接子どもたちと向き合って、学習の手助けができる無料学習塾の実施は効果が高いと思われます。
 市内でも、NPO法人が美土里地区で教室を開いています。公明党会派で教室を見学し、代表者と意見交換させていただきました。代表者のお話では、藤岡市の協力を得て市内で複数の教室を今後開設していきたいが、最大の問題はボランティア講師の確保にあるということでした。個別指導を行うため、一つの教室を開くためには少なくとも数人の講師が必要になります。
 ボランティア講師の募集について健康福祉部と教育委員会がしっかりと連携して関わり、情報提供していくことが重要と考えますが伺います。また教室の会場となる施設の使用にも配慮が必要と思いますが、お考えを伺います。

答:今後学習支援を市内全域に広げるためには、講師の確保が喫緊の課題であると思われます。講師の確保について教員経験者へ呼びかけて教育委員会と連携し周知に努め、また市内の大学・学生に対しても今後後検討していきたいと考えています。
 また学習の場についても、教育委員会所管の施設利用も視野に入れて、市としてできる協力を続けていきたいと考えています。

 

問:法第十一条では国及び地方公共団体に、貧困の状況にある子どもの生活に関する支援のために必要な施策を求めています。藤岡市の生活の支援の現状について伺います。

答:生活支援については、昨年度より関係各課が集まり「子どもの貧困対策打ち合わせ会議」を立ち上げました。会議では、市の子どもの貧困の現状について情報共有を図るとともに、他市の取り組み事例などを基に、貧困対策に効果的な事業について検討を重ねています。今後も定期的に開催し、貧困対策に有効的な施策の実施に向け検討していきたいと考えています。

 

問:子どもの貧困対策打ち合わせ会議でぜひ協議していただきたいのが、こども食堂への支援です。こども食堂は子どもの生活の質を高める取り組みとして全国で広がっている活動であり、子どもやその親、および地域の人々に対し、無料または低額で栄養のある食事や温かな団らんを提供するものです。ここには子どもが一人でも安心して来ることができるので、貧困家庭や孤食の子どもにも食事を提供し、安心できる居場所となります。
 市内では美土里地区で有志の皆様のボランティアにより、誰もが集えるこども食堂「かがやき食事会」が始まりました。会派で見学に行ったところ、当日は地域の親子が多数参加し、和気あいあいの雰囲気の中で食事会が行われていました。先に紹介した無料学習塾の子どもたちも勉強を終えた後に合流し、一緒に食事と会話を楽しんでいました。
 この食事会の立ち上げに際して、社協を通じて赤い羽根共同募金からの補助を受けたということですが、経費は主催者がかなりの持ち出しをしているようです。今後、他の地域でもこども食堂の取り組みができるように、運営費の補助が必要と考えます。
また、こども食堂の安全・安心のためには、こども食堂保険に加入することも必要です。こども食堂保険は運営上のリスクを軽減するため、施設設賠償責任保険と生産物賠償責任保険をセットしたものです。子ども食堂の中には保険料まで予算の手当てができない団体も多く、そのためにこども食堂への理解が広がらないという側面もあると言われています。藤岡市として保険費用の補助を行えば市内での安心につながります。こども食堂に対する補助について、お考えを伺います。

答:子ども食堂の運営形態はNPO法人や個人での運営が大半であり、自治体の直営や委託による運営は少ないため、運営費については主催者が持ち出して行っている場合が多く、共同募金や民間企業からの補助金等を利用して運営している食堂が多数見受けられます。
 市としても運営費の補助や、また食中毒等危険を伴うリスクを軽減するための保険料への補助について、他市の状況等を把握したうえで、他地域でも同様の取り組みが行われるよう、協議検討していきたいと考えています。

 

 

問:法第十二条は国及び地方公共団体に、貧困の状況にある子どもの保護者の自立を図るための就労の支援に関し必要な施策を講ずることを求めています。藤岡市としての取組について、伺います。

答:保護者への就労支援は、生活困窮者自立支援制度の自立相談支援事業で自立へ向けたプランを作成し、相談者に寄り添いながら各種支援を実施しています。具体的には、ハローワークへの同行や履歴書の作成支援、面接のアドバイスなどを実施しています。
 また、貧困率が高い傾向にあるひとり親家庭への就労支援として「自立支援教育訓練給付金」と、「高等職業訓練促進給付金」の支給を行っています。この給付金は、いずれもひとり親家庭の親が資格等を取得し、より収入のある職業に就業することを目的としています。
 また、最終学歴が中学校卒業のひとり親家庭の親と子どもを対象に、学び直しの支援として「高等学校卒業程度認定試験合格支援事業」を行っています。

 

問:法第十三条は国及び地方公共団体に、各種の手当等の支給、貸付金の貸付けその他の貧困の状況にある子どもに対する経済的支援のために必要な施策を講ずるよう求めています。藤岡市の経済的支援について伺います

答:経済的支援については、市内の中学3年生までの全ての児童を対象に児童手当を支給しています。また、ひとり親家庭で一定以下の収入の世帯に対して、子どもが18歳になるまで児童扶養手当を支給しています。
 このほか、交通事故や労務災害で保護者を亡くした場合や、保護者が一定の障害認定を受けた場合に、生徒が中学校を卒業するまでの間、交通遺児等手当の支給を行っています。

 

問:最後に法第十四条は国及び地方公共団体に、子どもの貧困対策を適正に策定し、及び実施するため、子どもの貧困に関する調査及び研究その他の必要な施策を講ずるよう求めています。藤岡市は、この問題の調査研究をどのように行っているのか伺います。

答:市では、今年度小中学生の保護者を対象とした学習支援に関するアンケート調査を実施しましたが、市民を対象とした貧困に関する調査は行っていません。

 

問:最適な対策を策定し的確に実施していくためには、正しい実態を知らなければなりません。まずは子どもの生活実態調査をきちんと実施し、改めて現状を把握する必要があると考えます。藤岡市でも調査を実施するべきです。また子どもの貧困対策の対象となる可能性の高い家庭のニーズを探るためにも、合わせて、児童扶養手当の受給者、就学援助の受給世帯などへのアンケート調査、子どもにかかわる保育所・幼稚園・小中学校教職員、また民生委員・児童委員へのアンケートやヒアリングなども行っていくことで、実態とニーズを把握することができます。調査を実施し、その結果を分析して対策を行っていく必要があると考えますが、伺います。

答:子どもの貧困対策を推進していく上で、市の貧困の現状を知ることは必要不可欠であると考えます。貧困対策を進めていくうえでの基礎資料となるものであるため、調査の必要性や実施方法等について、協議検討していきたいと考えています。

 

2.市職員による見守り活動について

問:少子高齢化によって独居高齢者や高齢者のみの世帯が増加し、その他のハイリスク世帯についても身内や地域で支える機能が低下していると感じます。藤岡市においてはまだ地域に支えあう力が残っていることから、他の大都市のように深刻化していませんが、この藤岡市でも残念ながら孤独死などの事例は発生しています。
 こうした事態を防ぐためには、見守りの機能を強化する必要があり、まず行政に携わる者に対し、市民の生活と安全を守る意識と取り組みが求められますが、見守りの最前線に立つ民生委員・児童委員の人数には限りがあります。それに対して藤岡市最大のマンパワーは市の職員です。改めて職員の現在の人数と、もう一点は職員が担当事務以外の点で市民の抱える問題や安全にかかわる問題を知りえた時や、異変に気付いた時は、どんな対応をとるようになっているのか定められた手順や規則があれば伺います。

答:藤岡市役所で働いている常勤一般職の職員数は、平成30年3月1日現在で鬼石病院を含め569名です。
 次に、職員が担当業務以外で異変に気付いた場合の対応については、現在は通報の手順や規則等は定めておらず、その職員の判断で担当課へ直接連絡している状況です。

 

問:現状では明確な危険性があったり、問題が明らかな場合は連絡しやすいと思われますが、判断がつきにくい場合や担当課が明らかでない場合などは連絡をためらったり、後回しにしてしまう可能性も大きいと思われます。
 まずは見守りの意識を持つ目をできるだけ多く確保することが重要と考えますが、市職員は569名と多数いますし、市民の安心・安全を思う心をしっかり持っていると信頼しています。職員は日々窓口で、また出先の現場で市民と接し、また地域でも市職員であることを市民に認識されながら生活しています。当然ながら勤務時間中は自らの職務に励んで頂かなくてはなりませんし、時間外の行動を強いることもできません。ですから特別なことをする必要はなく、日々の業務の中で、また地域での生活の中で見聞きした事実と情報の中で、市民の生活の様子に違和感や異変を認識した時、その情報を通報するというルールを定めます。
 情報を集約して一元化するためと、職員が通報しやすい環境にするためにも、通報先となる窓口を決めておきます。窓口となった課、藤岡市では地域安全課が適当と思われますが、それぞれの問題の所管の担当課に確認を取ったうえで、緊急性があれば警察などに通報し、そうでなくとも必要と思われる情報は担当課と共有することで、その後担当課で対応したり関係機関と連携することができます。そうすることで職員が、ふとしたきっかけから得た情報から、一人の市民の危機を救うことが可能となります。
この仕組みを今年に導入したのが、大阪府寝屋川市です。これは昨年12月に起こった、33歳の統合失調症を患う女性が、両親に長年監禁された末に亡くなるという痛ましい事件の反省に立ったものです。
 寝屋川市は今年1月22日、市長名で「キャッチ!SOS宣言」を出し、全職員がより意識を高めて職務に当たるとともに、まちの見守りを進めていくこと、改めて命を守ることについて思いを強くして「安全で安心なまち」の実現に努めていくことを宣言するとともに、職員が違和感や異変に気付いた際の手順を定めました。
 藤岡市でも改めて職員の意識を高めるとともに、手順と体制を定めて職員に徹底する必要があると考えますが、伺います。

答:市民の安全・安心を確保するためには、職員の意識を高め、通常業務を行う中で異変に気付いた場合の通報体制を整えることは有効な手段のひとつと思えます。大阪府寝屋川市の例も参考にしながら、見守り体制について検討してまいりたいと思います。

*上記はくぼたの私的編集による概要です。詳細はくぼたまでお問い合わせいただくか、後日議会ホームページに掲載される録画映像か議事録をご確認ください。

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