7月31日
夕方から夏休みで退屈した子供たちを連れて映画館へ。やっとジブリ映画「風立ちぬ」を観ることができました(子供たちはポケモンを観ていましたが・・・)。
映画の二郎は堀越二郎と小説家の堀辰雄を足して2で割った人物ですが、話の本筋は飛行機の設計に悪戦苦闘する二郎の話でした。二郎は「美しい飛行機を作りたい」という夢を抱いて東京帝大から三菱に入社するのですが、この時代に飛行機を作るといったら当然軍用機を作るしかありません。優秀な二郎は戦闘機の設計を任せられます。二郎の努力は実って美しい九試単戦が完成し、やがてそれは零戦の開発につながっていくのです。しかし物語のラスト近くにそれは零戦の残骸の山となって、日本は敗戦を迎えます。零戦は1機も帰ってきませんでした。技術者として夢を追い、全力で仕事をした結果が残骸の山、すなわち国を滅ぼした敗戦だったのです。やはり戦争は愚かしいものです。二郎の努力はなんだったのか・・・。
しかしそれは現代の視点から見るからであって、個人としての二郎は技術者としてなすべきことを全力でやったのであり、時代背景を考えればそれは批判されることではなく賞賛すべきことだったと思います。技術者・ものづくりに関わる人たちの視点、またある意味「今為すべきことを全力で為せ」ということで言えばかなり普遍的と言ってもいいレベルで現代でもそうかもしれません。宮崎監督も含めて・・・。当時の日本人は当然みんなそう思っていたでしょうし、それは明治以来の教育の結果とも言えます。
ここまで考えると、当時の日本に教育者・宗教家として、教育は子どもたちの幸福のためにあるとしてそれを実践し、戦争に反対した師弟がいて、その運動が現代に大きく世界に広がっているということは、すごいことだと改めて思いました。
ともあれ「風立ちぬ」と「堀越二郎の軌跡」展は、見る人によってさまざまな見方があるとは思いますが、素晴らしい映画であり、技術者としての堀越二郎の素晴らしさが実感できる展示です。ぜひお見逃しなく。
