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バックナンバー 2011年 7月

 先週の鬼石祭りに続いて、藤岡のメインイベントである藤岡まつりが開催中です。私は例年通りオープニングパレードに参加させていただいた後、地元芦田町の子供みこしの応援に行きました。今年は昨年より気温が低いとはいえ、真夏の日差しの中でも子供たちは元気です。

 夜は勇壮な大人みこしの見物。元気な市民の熱気が街を包みます。

 今日24日も子供相撲大会、市民パレードなど、多彩なイベントがめじろ押しです。午後6時45分から始まる山車行進、ラストの寄り合いでの叩きあいは圧巻です。ぜひ藤岡まつりに足をお運び下さい。

7月15日

 所属の教務厚生常任委員会で、所管事務調査を行いました。所管事務調査とは、委員会が所管する部署の行っている事務や管理する施設について、訪問して聞き取り調査や視察を行うものです。今回は児童デイサービスセンター「ふらっと」(福祉課)、学校給食センター(教育委員会)、史跡高山社跡(教育委員会文化財保護課)の3ヵ所を調査しました。

 「ふらっと」は昨年まで障害児学童保育所として運営されていた施設を、今年度からは障害者自立支援法に基づいた児童デイサービス事業に移行させた施設です。昨年度は障害者支援センター「きらら」のオープンに伴い、障害児学童保育所から中高生が分離され、中高生対象の児童デイサービスセンターがきらら内にオープンしました。今年度は残る小学生対象の児童デイサービスセンターが、ふらっととして設置されたのです。

 自立支援法に移行したことによって、一時預かりである学童保育ではなく、療育が主となり個々の障害に応じた適切な指導・援助が行われるようになったことが大きな改善点です。また自立支援法では利用者負担が原則1割負担で済み、所得に応じた負担上限も設定されているため、ほとんどの場合が以前より大幅な負担軽減となっています。市の財政負担も、国・県の補助率が大きく上がるため、大幅な軽減となりました。

 ひとつだけ残念なのが、この施設は午前中の空き時間は、つどいの広場(乳幼児と保護者の遊びと交流の場と子育て支援の施設)としても利用されていましたが、移転せざるを得なくなったことです。幸いに昨年度にオープンした総合学習センター内に移転できましたが、やや狭い上ボランティアネットワークセンターと同居になっているので、早期に良い場所を確保してもらいたいと思います。

 学校給食センターは、藤岡市立の全ての小中学校の学校給食共同調理場です。しかし建物が2棟に分かれていて効率が悪い上、第1調理場が昭和53年、第2が昭和63年のオープンで、施設・設備とも老朽化が進んでいるため、市議会でもたびたび議論になっています。第1調理場についてはウェットシステムといって、調理場の床が水で常にぬれている方式であり、雑菌の繁殖の恐れがあること、また受け入れた食材の下処理を行う「汚染区域」と調理を行う「非汚染区域」の区分けができていない構造になっているなど、現在の衛生基準を満たしていない施設であることから、子どもたちの健康を守る上でかなりの問題があります。もちろん床についてはドライシステムの施設同様に床に極力水をこぼさない「ドライ運用」を行うなど、細心の注意を払って運営していますが、できるだけ早期に改善が望まれます。改善のためには、施設の新築しか選択肢は無いと思われます。

 史跡高山社跡は、平成21年に国指定史跡となり、翌年藤岡市が土地・建物を取得しました。富岡製糸場を中心とした絹産業遺跡群のひとつであり、世界遺産登録を目指しています。

 史跡高山社は、創始者高山長五郎が養蚕法改良を行った「高山社発祥の地」です。高山氏は中世からの旧家でしたが、長五郎は明治時代初期から養蚕の研究に取り組み、ついに「清温育」という優れた養蚕飼育法を確立しました。長五郎は飼育法をここで指導して普及に努め、また優秀な養蚕指導者を全国に派遣して清温育を全国に広めました。この清温育の普及によって養蚕の生産性は大きく高まり、当時の主要輸出品だった生糸生産を支え、日本の近代化に大きく貢献したのです。その意味で長五郎と高山社は、日本の近代化を陰で支えた隠れた功労者なのです。清温育の確立なくしては生糸の大量生産は不可能で、日本の近代化は大きく遅れた可能性があると思われます。

 現状の高山家住宅は、養蚕を行わなくなった後も高山家の住宅として使用され、1階部分は改修されています。しかし2階の蚕室は、養蚕を行っていた当時の状態がよく残されていました。今後の復元と保存は、専門家の手によって保存管理計画を策定した上で、それに基づいて進められることとなります。史跡としての価値を損なわないように、しっかりとした対応が必要です。一方で活用については、景観の保全も求められると言うことから慎重な検討が求められます。史跡として受け継いだ私たちが、責任を持って守り伝えていかなければなりません。また世界遺産登録に向けて、まず市民にしっかりとその意義を広報するなど、より積極的な関与が必要であると感じます。

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藤岡市 窪田行隆
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