教訓を「過去」にせず「未来」へ繋ぐために
明日、私たちは震災発生から15年目の3月11日を迎えます。
時の流れは記憶を薄れさせますが、あの日、未曽有の被害から学んだ「経験と教訓」は、次の世代へ確実に手渡していかなければなりません。
私には、忘れられない記憶があります。
発災から3日後、私は前職の関係で、北海道から救援物資を積んだトラックとともに、まだ混迷を極める被災地(岩手県宮古市)に立っていました。
目の当たりにした光景、漂う匂い、そして被災された方々の表情。当時の現実と圧倒的な無力感を知る一人として、記憶の「風化」は何としても防がなくてはならないと強く感じています。
今、各地の伝承施設では語り部の高齢化が深刻な課題となっています。その一方で、震災を知らない中高生や大学生が、遺族や地域の方から学び、自らの言葉で伝える「新しい伝承の形」も芽生えています。
こうした、体験を持たない世代が継承を担う「ソフト面」の活動を安定させるための資金や体制づくりが、今、国に求められている支援だと考えます。
また、災害対応の最前線に立つ自治体においても、当時の経験者から若手職員への継承が急務です。組織として教訓を「自分ごと」化する姿勢が、いざという時の市民の命を守る力になります。
インフラという「ハード」を整えるだけでなく、語り継ぐという「ソフト」を継続的に育てていくこと。
官民で力を合わせ、3.11を風化させない決意を新たに。







