Archive for the ‘3.マイノリティ(発達しょう害、LGBT、依存症、更生)理解’ Category
児童虐待防止推進月間の11月も終わり
(11月が終わり…早すぎる…)
千葉市議会で当方がこれまで質問してきた児童虐待対策について、このホームページに付け足したりしています。
第3回定例会で行った下記の質問についても、可能な限り書き残しました(要対協と子ども家庭総合支援拠点の関係については、まだ考えをまとめきれず、宿題です。)。
様々な関係者の方々からの要望・質問によって支えられている取組みですが、特に今回の質問では、野田市、市原市、船橋市などの近隣市の同期議員からの指摘・助言に助けられました(夏に行った勉強会です)。
虐待事案については、事後的に専門家が分析すると
「こんな基本的な対応が抜けていたから発生した」
というような事案が多いのですが、
事後的な専門的分析だけでなく、
その当時、その地域では、どのような雰囲気で行政が児童の問題に取り組んでいたかを、普段から行政のそばで活動している地方議員に聞くことにより、
「では、なぜ、このような基本的な対応ができなかったのか」
という面が浮かび上がってきて、本当に参考になりました。(それは他の自治体や他者への批判というより、自分を省みる機会にもなりました。)
数年前から「(虐待などしていないのに)自分の子どもを児相に連れていかれた」という相談も、本当に多くいただくようになりました。(この問題も、同期議員との夏のオンライン勉強会で、国会議員も交えて協議しました。)この苦悩に可能な限り寄り添いながら、制度的な課題も見極めたいと思っています。
このように問題は複雑・多様化していますが、防止推進月間が終わった後も、遅々とした歩みですが、取り組んでいく所存です。
ということで、これまでの主な質疑を掲載したページのアドレスです。
https://www.komei.or.jp/km/chibacity-sakurai-hideo/%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%95%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%af%e2%91%a0%e5%85%90%e7%ab%a5%e8%99%90%e5%be%85%e9%98%b2%e6%ad%a2/
児童虐待防止推進月間×議会質問①
今回の一般質問では、児童虐待防止対策に関する質問も(かなり)行いました。
長文にならなないように気を付けますが…
問1)千葉市におけるコロナ禍の休校期間中における要保護児童等の状況確認について
答)休校期間中に虐待リスクが高まる恐れがあることから、要対協のケース651名に対し、3月と4月に児相、各区保健福祉センター、保育所、小中学校等が原則目視で状況確認した。一時保護などの緊急性の高い児童はいなかったが、継続的な見守りが必要なケースには、見守り体制を維持し、働きかけを行っている。
評価)国(緊急事態宣言下での見守り強化アクションプラン)に先んじて、市独自に見守り体制を行ったこと、市内要対協関係機関が連携したこと、原則目視を打ち出して状況確認を行ったことは、高く評価されるべきと考えます。
このシリーズ長くなるので、どこまで投稿続けられるか不安ですが、11月は児童虐待防止推進月間ですので、自分なりに取り組みたいと思います。
その議会質問の録画です→
http://www.chiba-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=2217
第26回千葉市障害者作品展
千葉市主催の障害者作品展が、千葉市文化センターの市民サロンで行われ、私もじっくり鑑賞させて頂きました。
編物、手工芸、書道、写真、絵画、陶芸、彫刻の分野に186点が出品。
躍動感みなぎる力作ぞろいです。
今年の作品展は10月9日(金)の正午で終了しますが、この催しは例年行われており、
千葉市在住で身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかを所持し、その作品制作を職業としない方であれば、応募できます。
最近は団体からの出品・入賞だけでなく、個人での応募・入賞も目立っています。
出品してみたいという方は、一般社団法人身体障害者連合会(電話:043-209-3281)まで、詳細をお問い合わせください。
芸術・文化は、個人的にはシュールな作風も愉しいのですが、何よりも高尚でありがたい存在というより、このように全ての市民にとって身近なものであってほしいと思います。
地元虐待事件の判決後に想う
当時生後4カ月だった長男に虐待を加え、重傷を負わせたとして、傷害罪に問われた元県職員(24)の判決公判が昨日、千葉地裁で開かれ、懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役2年6月)が言い渡されました。
先日は、3歳の女子が育児放棄の末、死亡したとして、大田区の母親(24)が保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕されました。
何かをバッシングして留飲を下げる前に考えたいです。
…写真は、7月12日の公明新聞(関東版)4面の「サーチライト」という小さな記事です。
そこで、千葉にこの人ありのNPO法人・友懇塾の井内理事長が涙ながらに語った言葉が紹介されていました。
「互いの幸せのために、親子の血縁関係の解消をあえて勧めることもある」
その一方で、「縁を切っても切れないのが親子だ」とも。
この一見矛盾する実相が、虐待や非行の現場における親子のリアリティだと感じます。
緊急事態宣言の状況下で、井内理事長にじっくり話を聞いた公明新聞の若手記者が何を感じたのか。
またゆっくり聞いてみたいと思います。
スクールロイヤー公明新聞に掲載
本日の公明新聞6面に、本年から千葉市に導入されたスクールロイヤー制度が紹介されました。
これは、弁護士が学校現場に法的助言を行うもので、私はいじめ問題の解決に向けて、千葉市議会で一昨年初めて取り上げました。
学校弁護士とも呼ばれるため、ややもするとモンスターペアレント対策と同一視されやすいのですが、 昨年度の予算審査特別委員会では、日本弁護士連合会による文科相宛ての意見書を紹介し、あくまでも学校の適正運営を法的な視点から助言をしたり、研修を行なったりするもので、学校の代理人ではないこと、教育委員会を介さずに、学校現場から直接相談できることなどを求めました。
現在、再開したばかりの学校ですが、いじめ問題に限らず、直面する課題は多岐にわたることもあり、早速利用され、好評を博しているようです。
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとともに、学校が一層、子供にとって安心して学べる場になるよう、専門家の活躍に期待しています。
学校弁護士を活用/相談事業や研修会を実施/千葉市 #公明新聞電子版 2020年07月04日付 https://www.komei.or.jp/newspaper-app/
児童相談所視察
千葉市立児童相談所を訪問し、かなり早口で種々聞き取り。
休校や外出自粛によって、児童虐待の増加が危ぶまれていましたが、
児相への通告件数は、3月は151件(前年比28件減)、4月は164件(同16件増)、5月は162件(同31件減)で推移。
(この数値への個人的な見解については、末尾に追記)
児相への通告件数は、私たちの社会における虐待件数をそのまま示すものではありませんが、まぎれもなく児相の(しかも緊急性を要する)業務量の一端を示しています。
児相の職員増員は、近年どこの自治体でも取り組んでいますが、昨年の第3回定例会では、それに見合った執務室の確保を求めました。
今回、1階の養護教育センターが4階に移動し、そのスペースに児相が拡張されました。
昨年、虐待に特化した対策班が創設され話題になりましたが、「この手狭な状況で、どこで働くのか」と思いましたので、今回、確認出来て一安心でした。
そのほか、千葉市内の休校中の児童をめぐる状況、最近の千葉県における虐待案件への対応、新型コロナウィルス感染対策としての児相における事業継続の課題、保護者が感染した際の児童保護、要保護児童対策協議会の動きなどについて、短時間ではありますが、矢継ぎ早に協議させていただきました。
本当は、聞き取り自体はリモートで行うべきとも考えたのですが、かえって準備に手間がかかるようでしたので、
この御時世ではありますが、訪問してお話を伺いました。
【追記】
この数字からも分かるように、「児童虐待が増加する、増加している」などということは軽々しく言えません。なぜなら、
①この時期に限定しても、緊急事態宣言下では、通告する学校などの関係機関が休止するなど、大きな減少要因があること
②そもそも児童虐待は、統計上、定義や取り扱いについて、ここ20年ほど激しく変化しており、過去との比較がほとんど不可能であること
なので「数」を論じるのは難しいのですが、
実は、私の立場は
「比較的暗数の少ない死亡数やその内容(心中などの扱い)の推移から推察するに、虐待数は昔よりもおそらく減少している」
(でも、対策はより精緻に取り組むべき)
という考えです。分かりにくいですが、説明すると論文1本要します…。
児童虐待防止の次の段階へ
新型コロナウィルス感染防止対策が始まって以来、学び方も様々な方法になりましたが、ありがたいことに、児童虐待対策については一貫して機会に恵まれました。そこで、御礼を兼ねて際立ったものについて。
写真は、朝日新書「児童虐待から考える」などの著者でルポライターの杉山春さん。
最近では目黒区や野田市での虐待事件の裁判を傍聴し、継続的かつ丹念に取材されてきており、なぜ支援や保護が機能しなかったのか、行政、制度とは異なる視点から。
また、同じく朝日新書「ルポ 児童相談所」の著者で朝日新聞編集委員の大久保真紀さんの講演を、オンライン研究会で拝聴。
話題は海外の取り組みにまで及んで、大変勉強になりましたが、特に弁護士さんとの質疑がとても参考になりました。
そして、最後は写真も資料もありませんが、無名の千葉市の住民。
最近の千葉でも「?」と思うような事案が報道されたりしますが、必ずしも詳細が把握できるわけではありません。
それでも、地域住民の方から生の情報をいただくことが、本当に多くなりました。
以前は当事者の方でしたが、最近は支援をされていた周囲の方から、当該家族への関わり方を振り返ったり、自分たちの認識と行政や報道の認識がかけ離れていたりすることへの戸惑いなどが寄せられています。
そんな中で、千葉市や千葉県における虐待対策の今年度予算については、私はやや懐疑的に執行状況を注視している状態です。
センセーショナルに取り上げる気はないので、慌てず丁寧に取り組み、ご指導・御教示いただいた方々に恩返しできるように、効果的な虐待対策に結び付けていきたいと思います。
立ち直り支援のプロ井内さん
5月16日(土)の公明新聞6面「ひと百景」に
NPO法人ユースサポートセンター友懇塾の理事長・井内清満さんが紹介されています。
記事にあるように、非行、引きこもりなどの支援では子どもだけでなく、常に親子ひっくるめた指導にあたり、千葉の少年院や鑑別所でも圧倒的な存在感で少年指導にご尽力。
現在は、ちば南東部地域若者サポートステーションも運営、そこでの「親塾セミナー」は名物です。
井内さんというと、親子への体当たり指導というイメージですが、5年前にニュージーランドの犯罪学者の講演後に、その学者と井内さんらと居酒屋に行った際には、井内さんの単横な英会話も目撃しました。
戦争カメラマン出身で、千葉市の花火大会でも花火師として運営に携わっていただくなど、その多面的な活躍は言葉では言い尽くしきれません。
個人的にも、前職時のみならず初出馬の事務開き、そして現在に至るまでご指導をいただいている大恩ある方です。
まさに千葉にこの人ありの方で、常に、元気に、夢に向かってパワフルに進んでおられます。