令和8年第1回定例会の代表質疑(2月27日)において、高市政権の「責任ある積極財政」の地方への影響について、神谷市長に質問をしました。
その該当箇所を抜粋した質疑を、以下、掲載します。
○12番(桜井秀夫君)
次に、国の財政運営方針が地方財政に与える影響についてです。
近年、国の財政運営をめぐっては、一昨年以降、ガソリンの暫定税率の廃止や私立高校事業料の無償化など、生活者の視点から見れば歓迎すべき政策転換が相次いでおります。
他方で、これらの施策が地方財政の歳入構造にどのような影響を及ぼすのか、依然として不透明な点が多いことも指摘されております。国の政策判断が地方税収や地方交付税の算定に波及する可能性を踏まえれば、地方自治体として慎重な見極めが求められる局面が続いていると言わざるを得ません。
現在の政府においては、昨年の組閣以来、一貫して、責任ある積極財政が掲げられ、国として財政出動を強める姿勢が示されております。しかしながら、この方針が地方自治体の財政運営に与える影響は多岐にわたり、いくつかの論点が浮かび上がってまいります。
例えば、第1に地方自治体の投資判断への影響です。
国が積極的な財政出動を進める場合、公共投資や社会資本整備に対する国庫補助や地方債の発行条件が変化し、地方自治体の事業選択や投資のタイミングに影響を及ぼす可能性があります。国の政策誘導が強まることにより、自治体の自主的、主体的な判断も相対的に制約される
ことはないのか、その確保が問われるところであります。
第2に、金利動向と起債管理への影響です。
国の財政政策が市場金利に影響を与える可能性は広く指摘されており、金利上昇局面となれば、地方債の発行条件や借換債の活用方針に見直しが迫られることも想定されます。本市の中長期的な起債管理にとって、国の財政運営方針は看過できない要素であります。
第3に、地方財政計画との整合性です。
国の積極財政が地方財政計画にどのように反映されるかによって、本市の中期財政見通しや予算編成方針にも調整が必要となる可能性があります。特に、社会保障関係費や公共施設更新費など、構造的に増加が見込まれる分野とのバランスをどのように確保するかも、重要な論点と考えます。
最後に付言いたしますが、とりわけ消費税の扱いに関する議論も注視すべき動きです。
昨日から開催されました国民会議において、時限的か恒久的かは別として、少なくとも食料品を消費税の対象外とする消費税減税への議論や、給付付き税額控除の議論を加速させるとの意向が示されております。消費税は地方消費税として地方財政に一定割合が配分されていることから、その制度変更は本市の歳入に直接的な影響を及ぼす可能性があり、慎重な分析が求められます。
以上、申し述べましたとおり、国の財政運営方針は、本市の財政運営に多面的な影響を及ぼし得るものであり、その動向を的確に捉え、必要な対応を講じていくことが不可欠であります。
そこで伺います。
政府が唱える、責任ある積極財政による今後の市政への影響について、どのようにお考えか、お聞かせください。
○市長(神谷俊一君)
次に、国の財政運営方針が地方財政に与える影響についてお答えします。
政府の、責任ある積極財政による今後の市政への影響についてですが、国においては、危機管理や未来に向けた投資、防災・減災・国土強靭化の推進などの重要施策に対して、戦略的な財政出動により税収増を図る、責任ある積極財政を経済財政政策の基本方針として、補正予算を成立させるとともに、新年度予算案をとりまとめ、早期の成立を目指し、現在、調整が進められているものと承知をしております。
本市におきましても、国の補正予算と呼応して、防災・減災の推進に係る国庫補助金や、財源措置の有利な市債の積極的な活用により、学校体育館冷暖房設備整備や学校施設の環境整備、下水道施設の整備等を推進する補正予算を計上し、市民生活の向上に向けた施策展開を図ってまいりますが、今後、国で審議される当初予算の詳細な内容等について、引き続き、情報収集に努めるとともに、本市の発展に向けて、国の財源を活用できる事業につきましては、時機を捉えて、適切に対応してまいります。
一方、今般の軽油引取税等の暫定税率の廃止に関しましては、減収分の全額について、補てん措置が講じられておりますが、国では、食料品に係る消費税率引き下げが検討されており、地方自治体の安定的な財源である地方消費税交付金への多大な影響が懸念されるところであります。
また、このような国の方針に対して、金利や為替の変動といった市場の反応に伴う、地方債発行に係る利払いや、物価への影響についても、慎重に見極める必要があるものと認識をしております。
国の政策方針に伴う、税収減や財政需要の増につきましては、地方財政に影響を及ぼすことのないよう、代替財源の確実な確保などによりまして、適切に措置されることが必要と考えており、引き続き動向を注視してまいります。
○12番(桜井秀夫君)
ただいまは、市長はじめ両副市長、及び病院事業管理者より、御丁寧な答弁をいただきました。大変ありがとうございました。2回目は所感を申し上げます。
新年度の予算編成につきましては、…(中略)
まず初めに、国政との関わりについてです。
国政における与・野党の構図は、議院内閣制と二元代表制という制度の違いから、そのまま地方議会に当てはまるものではないと考えており、まあ国政で大きな変化はありましても、私どもはこれまでどおり責任会派として、市民に対して、また執行部の皆様に対しても、責任ある態度で二元代表制の一翼を担ってまいる所存であります。
その上で、政府の補正予算においては、政策の継続性が認められ、答弁にもありましたように、千葉市政においても呼応して取り組まれたことは評価いたします。
一方で、今後政府が大きな政策転換として掲げる、責任ある積極財政については、答弁にあった地方消費税交付金や地方債発行に係る利払いなど財政面への影響のみならず、これまでの地方創生や地方分権といった国と地方との関係についても広く注視してまいります。
また、国政との関係という観点から、今回はあえて、ベーシックサービスについても質問させていただきました。この政策概念は、先月新たに結党され、私どもも支援した中道改革連合の党の綱領において、福祉政策の柱として掲げられたものであります。
もっとも、ベーシックサービスという概念は、現時点では一般に十分浸透しているとはいいがたい状況です。しかし、地方自治の現場では、例えば神谷市長が進めてきた医療費助成など子育て施策をはじめ、既に各地で具現化が進んでおります。
肝心の国政においても、2017年の衆議院選挙で当時の安倍政権が、保育・幼児教育の無償化を消費税10%に引き上げ、増税とともに公約として掲げ、見事に選挙で勝利し、公約どおり速やかに無償化を実現したことは記憶に新しいところです。確かな財源の裏付けのもと、その後も待機児童の解消が進み、現在は、こども誰でも通園制度という新たな段階の議論に至っております。
このことは、今回の私たちも含め、減税合戦と化した感のある衆院選とは異なり、増税を明確に公約として掲げた与党が勝利した唯一の選挙として、日本の憲政史に残る重要な事例となっております。ベーシックサービスとは、公的サービスの無償化の推進だけでなく、税金の使徒を透明化し、市民が判断できる過程、プロセスとセットであることを示しております。
以上、政権が大きな政策転換を訴え、政局も大きな変化が生じた今日においては、国政の新たな動向をともに注視して、地方として的確に対応していく必要があると考えます。
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