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稲毛区 櫻井秀夫
hsakurai2016@yahoo.co.jp

千葉知事選挙②共産党支持層が教えてくれた知事選の投票行動?

今回テーマの「投票行動」については、もう2週間も経って今さら感もありますが(1回書いて、消えてしまったという噂あり(泣)…)、落ち着いてから書くのも良しということで、お許しください。
実は、今回の選挙は(注目された割には?)データが少なく、頼れるのはNHKの出口調査くらいで、あとは選挙管理委員会が公表している開票速報だけです。
その中でも紹介したい数字は、NHKの出口調査における
①共産党の支持層の40%あまりが熊谷氏を支持した
②森田県政を52%が評価している
③投票で最も重視したのは「政策・公約」が41%で最も多かった
④県政の転換を91%が望んでいる
と、

 

 

県知事選と市長選における千葉市内における開票結果の
⑤共産党推薦・「知事」候補のかなみつ理恵氏は千葉市内で15,387票を獲得(千葉市選管)
⑥共産党推薦・「市長」候補の大野たかし氏は43,703票を獲得
(前回選挙より2千票近く増えてます。)
⑦4年前の平成29年の県知事選では、共産党が応援したすみや信一候補は「24,140票」を獲得していた
という数字です。

 

 

また、
⑧3月25日付の千葉日報1面で引用された「自民党型県政の転換を明確に打ち出したのは金光さんだけだった」という共産党県委員長の発言
も紹介しておきたいと思います。

 
これら8つの事実に基づいて、以下のことが推察できます。
(1)①の共産党支持者の40%が熊谷氏を支持したということは衝撃的で、にわかに信じがたいと思われても不思議ではありませんが、同日選における⑤共産党推薦・知事候補の獲得票と⑥共産党推薦の市長候補の獲得票との間に、千葉市内で28,316票の差が生じていることから十分ありえる結果です。
シンプルに考えて、市長選で共産党候補に投票した方の2万8千人以上が、共産党候補以外の知事候補に投票していると推測することが可能です。

 

 

 

(2)前回選挙との比較という点でも、共産党推薦の市長候補は2千票近く増やしているのに対して、今回の知事選⑤と平成29年の知事選⑦を比べると、共産党候補が8,753票減らしていることが分かります。
前回選挙と比べて市長選では増やしているのに、同日選(期日前投票日は市長選よりも長く、投票機会が多かったはず)の県知事選では4割近く減らしているわけです。このことからも、「共産党支持の4割が熊谷支持に流れた」という出口調査の結果は、むしろ否定する方が無理があると思われます。

 

 

 

(3)なぜ、共産党支持者の方の投票行動を取り上げたかと言いますと、今回の知事選では「自民党支持層の60%あまりが熊谷候補を支持した」ことが大きく取り上げられがちですが、(これは政治の場に身を置いている自分の主観ですが)自民党支持層の方が、国政の問題に対して地方選挙で「お灸をすえる」という投票行動をとることは、さほど珍しくない印象ですが、共産党支持層の方がいかなる理由であれ「流れる」という現象は非常に珍しく感じます。
特に共産党に不祥事等の問題があったとは思えず、むしろ上記⑧で紹介したように、「自民党への批判」という意味では、明確に公約として打ち出していたのは共産党候補でしたので、今回の選挙で「自民党への批判が、自民党支持層をも動かし、熊谷氏の大勝をもたらした」というマスコミの説明だけでは、到底、今回の選挙結果の質的な特徴を描けていないと考えます。

 

 

 

(4)それでは、共産党支持層の方をも動かした今回の千葉県民の投票行動から何が読み取れるのか。
私が市長選の支援活動で肌身に感じたのは「森田県政への批判」でした。しかし、これは私の現場感覚にしかすぎません。実際に、②では森田県政は何とか過半数の評価を保っています。(評価されている理由として最も多かったのが「人柄が信頼できるから」の26%で、千葉「県」全体での森田前知事の人気の高さというか、千葉市だけではわからないキャラの受容度合いを感じさせます。)
この点については、ストレートな質問から直接考える方がよさそうです。

 
③の「投票で最も重視したこと」については「政策・公約」が41%で最も多く、次が「経歴・実績」の30%です。森田前知事とは対照的に「人柄・イメージ」は22%、一部マスコミや国会議員が強調した「政党・団体の支援」にいたっては7%にしかすぎません。
そして、④の「今の県政の転換を望むか」については、91%が望んでいると答えています。(「あまり望まない」が7%、「全く望まない」が1%)議論の余地のない数字です。

 

 
つまり、熊谷氏への支持は「実績に裏付けられた政策を県民が評価し、県政の転換を期待した」と考えるのが自然です。
このように述べると、熊谷氏を随分持ち上げているという印象を与えるかもしれませんが、私が熊谷氏をこのように評価しているのではなく、出口調査の結果を虚心坦懐に眺めると、自然に導かれる重要な結論の一つだということです。
そして、私にとって、これこそが今回の出口調査で最も衝撃的な数字でした。

 

 

つまり、現在の政治不信が渦巻く状況にあって、このようなシンプルな、まっとうな話が選挙であるものなのかと。
その意味で、「イメージ」が重視されていなかったので、熊谷氏へのネガティブ・キャンペーンも効果がなかったと言えますし、今回の選挙の争点を与野党対決にしようとした党は、与野党問わず、民意を見誤っていたと言えます(勝ったと称している側も)。

 

 

 

 

そして、自民党型県政を否定したにも関わらず、共産党支持が「流れてしまった」ことも、そこがポイントではないかと推察します。
何が言いたいかというと、共産党も決して負けたわけではなく、今回の選挙は、「自民党批判」という争点をも「実績に裏付けられた期待」がはるかに凌駕したということを示しているのだと思います。共産党支持層の方も、熊谷氏の全てを納得しているわけではなくとも(…それは当然)、共産党支持層にさえも「県政を転換する期待」を抱かせる裏付けがあったということでしょう。
この共産党支持層の方の投票行動は、今回の選挙が
「ありがちな消去法で残された候補ではなく、県民が期待を寄せて積極的に選んだ結果」
であることを示していると考えられまます。
それはとても重要なことです。

 

 

 

 

 

熊谷氏の公約は、新人にも関わらず「○○無料化」などという派手なものはなく、かなり地味でオーソドックスでしたが、それでも訴えが市民に届くことも示してくれました。このことは、政治に身を置く者すべてが注目していいと思います。

 

 

 

 

 

このように、今回の選挙は多くのことを学ばせてくれます。
しかし、納得できる分析・報道を読むことがなかったので、このように自分なりに考えてみましたが、所詮、投票行動の分析は「推測」の域を出ません。
妥当か自信はありませんし、検証も困難です。
それでも、今回の選挙結果の得票数はさることながら、その質的な側面と「しっかり向き合う必要がある」と思い、つらつらと書きました。

 

 

 

 

次回の最終回は、この選挙で勝ったのは誰なのか、今回の選挙現象はポピュリズムなのか、そんなことをまとめられたら…、などと思っています。

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