令和3年第1回定例会が閉会しました。
そして約12年にわたり市長を務めてこられた熊谷俊人市長が、本日をもって退職されました。
熊谷市長の功績は様々な角度から語ることが可能でしょうが、

個人的には、
総論として、財政健全化と成長戦略の両立をさせたこと、
(どちらかだけでも大変ですが、両立するのは、なお至難の業です。)
各論として、様々な先進的な取り組みを挙げることができますが、通底していたのは、マイノリティや多様性の尊重と全体論的な視点を両立させたことを挙げたいですね。

 

後者は分かりにくい表現ですが、例えばパートナーシップ宣言や障がい者スポーツ振興において、特定の団体やカテゴリーに助成して良しとするのではなく、市民社会全体から価値的な方向付けをし、より本来的な平等を志向していたように見えます。
(日本のリベラルに圧倒的に欠けているのが、この全体論的視点です。)

 

 

ちなみに、熊谷市長の任期終盤には「疑惑の疑いらしさ」が向けられた感があります。
県知事選の告示とは無関係に、曲がりなりにも千葉市政の二元代表の一翼(の端っこ)を担ってきた市議会議員として、根拠なく疑ったり、逆にかばったりすることなく、議会で見てきたありのままを伝える必要があると思っています。
その実態は、「疑惑の疑い」だけでも「疑惑」から遠いのですが、さらに「らしさ」という実体のないものでした。

 

 

例えば、IR関係者と会っていたという疑惑もどきは、「会っていた」ことが問題にされました。でもそれは、明らかに無理筋な疑惑づくりですね。
現金授受とまでは言わなくとも、せめて「秘かに会っていた」なら「らしさ」も演出できるかもしれませんが、職員同席で執務の一環として会っていたことを問題視するのは、問題視する方が悪意を露呈しています。
市長と民間事業者(しかも検討している事業の関連事業者)が会うこと自体を問題視するということは、市長は市民と直接会わない方がよい、仕事しない方がよいということです。こういう問題設定自体が、市民に開かれた市政を後退させます。

 

 

こんな調子で書いていると長くなりますね。ラグビーワールドカップ観戦云々の問題も、翌年に控えたオリパラの前哨戦としてこの国際大会のホスト役として臨んだ日本ですから。オリパラの競技開催都市の首長だったら、この国際大会の実施状況を直接「見ておくべき」だと思います。
家族同伴が問題?
私の知る限り、普段から、市長はできるだけ招待されたイベントに家族を同伴させていた印象です。私は招いた団体との橋渡しの経験もあるので強く思いますが、それで喜ぶのは家族というより、一義的には招待した団体の方です。なので、ラグビー協会関係者からクレームがなければ、何ら問題ありません。「代理」だけよこすより、よっぽど敬意と親密性を表している。
同伴は配偶者のみと規定されており、子どもに流用したとすれば詐欺にあたる、組織委員会を欺いたチケットであれば詐欺にあたるかも、ということですので、であれば、組織委員会に欺かれたのかどうかを確かめれば済むことと思います。
(そもそも詐欺罪の構成要件が成立しないので、無茶でしょう。だって、入場時に「子ども」であることは、招待側にとって分からないわけがない。)

検討過程の文書が残っていない?
他のイベントでも残ってません。そんな検討のレベルで。「ないことを問題にする」場合は、「普段はある」「他のはある」ことを示す必要があります。いつもないのに、「今回もないことをことさら取り上げる」のは、やはり悪意が露呈します。

災害対応中で不謹慎?
当時の私のブログによると、9月15日に稲毛区内の最後の停電(2戸)が改善し、避難所も閉鎖しています。市長が9月29日にラグビー観戦をしたとのことですが、議会も再開して私は9月28日に一般質問を行うなど、通常の活動をしながら災害対応していました。一般質問は喫緊の予算や決算の審議とは直接関係ありません。議会も一般質問などしている場合ではなかったのでしょうか?そんなわけないですね。ちなみに、私は10月4日には青少年健全育成功労者表彰式に出席していました。
災害対応と市長という点では、
私は、その年の10月21日に行われた「稲毛区民祭り」に市長が体調不良で欠席されていたことを、よく覚えています。
通常業務と災害対応がかなり、スケジュールがハードすぎるという印象を思っていたので。
だから、災害で大変な時に遊んでいたかのような印象操作こそ、不謹慎さを感じました。

 

さらにさらには、千葉駅西口に病院を誘致した件についても、何が疑惑なのかもわからないような議論が以前ありました。

当時、共産党がこの件を55回千葉市都市計画審議会(令和元年10月31日)で取り上げました。

「なぜ駅前に来ることになったのか」「理事長さんは千葉県の医師会長としてご活躍のようなんで すけれども、そうした地位を利用しているのではないかなということを懸念するわけです」

などと質問しました。その際の、市の答弁は以下のとおりでした。

「三愛病院のお話がございましたけれども、これにつきましては、地位を利用されたと かというふうなお話ですけれども、全くそういったことは私ども考えておりませんで、これは 特定建築者のほうでこの病院をということで誘致いただいたものですし、病院が駅前にできる ことによって、非常に市民の皆さんの利便性も、いいところに病院ということで喜んでいただ けるものというふうに思っておりますので、特にそれを、この病院も理事長の地位を利用して いるとか、そういったご指摘には当たらないと考えております。」

この答弁に対し、共産党市議は

「駅からすぐ利用ができるという点では、それは患者さんにとってはとてもいいことではないかなということは十分わかります。ただ、千葉県の医師会長、千葉市じゃなくて千葉県の医師会長という立場、立ち位置というのは、非常に大きな忖度せざるを得ないようなことも含め て、憶測としては十二分に考えられるかなということは、それはどなたが見てもわかるかなというふうに思うわけです。それで、今回こういうふうに病院の整備をなされたということでい えば、その経過も含めたあり方というのが私たちには釈然としないという部分が消えかねる、 という思いもあります。」

とコメントしました。…ちょっとひどいコメントで、「憶測しうる疑惑」とは???それは「憶測ですらできない疑惑」ですね・・・。
具体的な理由も全くなく、自分が勝手に釈然としない(のが「消えかねる」)だけ。「疑惑にしたいだけ」というのが、よく分かります。
(「どなたが見ても」という際は、ほとんどの場合は、「その人だけが、そのように見たがってる」場合ですね。(笑))

私はこれは「逆に差別してる」と思いました。つまり、県医師会の会長だから駅前に立てるのはおかしい、地位利用している憶測が可能、と言っているわけですから。
(しかも「患者にとって、とてもいいこと」と質問者さえも認めているのに…???、いったい誰のために病院はあるのか?)

ちなみに、この都市計画審議会で本議案に対し共産党市議以外は賛成し、賛成多数で可決したものです。
この賛成した委員には、公明党だけでなく、自民党、立憲民主党、民間人委員の方も含まれます。
ですので、この案件を御希望どおり「疑惑化」する場合は、この審議会の審議・意向を否定する覚悟と具体的な材料をもってすべきかと思います。
当時質問した共産党でさえも、現在は問題視していないように思いますが…。

 

う~ん、こんなことばかり打っていたら疲れてきました。あまり前向きでない話題で申し訳ありません。

でも、何度も言いますが、政局に関係なく、市議会で働いてきた者の務め、市議会に送り込んでいただいた者の務めとして、想いをつらつらと書きました…。
市長にはとりあえずお疲れさまでした、と伝えた気がしますが、問題は次のステージですね。
・・・でも、やはり、まずはお疲れさまでした。

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