少し理屈っぽい投稿です。
先の投稿で紹介したシンポジウムでは、研究者の方々から
刑法175条(わいせつ表現規制)の文脈で陳列対策への批判、
行政関与の在り方や有害排除・自己規律化につながる権力性への疑問、
議会提案とパブコメのみという手続きの粗さや、市長の手法に対して、「熟考の政治」をもっと目指すべきとの批判など、
様々な批判も戴きました。
前回までの投稿で示唆したように、私は、ネット上で意図的に文脈をねじ曲げて記事を書いているようなネットライターの批判に辟易していたので、シンポジウムの目的は、このようにきちんとした批判をしてもらうためでもありました。
なので、批判は大歓迎でしたし、今でも最大の成果だと思っています。
その中でも、批判/肯定の次元を超えて印象的だったのは、海外からの招いたクイア理論、LGBTの研究者からの発言でした。
それは、新宿二丁目のゲイに対する警察の取り締まり強化は、危険な現象であること、その一方で、日本のコンビニに並ぶ成人雑誌の表紙において、「表現の自由」は多様性どころか、性の搾取にまっしぐらに向かっている、との指摘でした。
報道機関の方や新日本婦人の会の方も、東京からわざわざ千葉大学にお越しいただき、発言をして頂きました。
改めて参加して頂いた皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。
ありがとうございました。
「公共空間と選択の自由ーコンビニにおける成人雑誌の陳列をめぐってー」と題したシンポジウムを、2018年1月27日に千葉大学で行いました。
この催しは大々的に宣伝せず、内容も殆ど投稿しませんでした。
普段のクローズで行われている研究会の流れで。
このシンポで、私が初めて訴えたのは、
この問題は、表現の自由の問題でも何でもなく、コンビニのオーナー制やフランチャイズ制の在り方の問題である、という主張でした。
というのも、私が2016年6月に議会で提案した対策は予算措置され、地元の店舗と実施が予定されていたにもかかわらず、2017年8月末に実施が困難になりましたが、
この経緯によって、「何を売るか」「どのように売るか」という次元でさえも、コンビニの各店舗で判断させてもらえない状況が明らかになったからです。
最近では、コンビニのオーナー制の問題は、24時間営業などの「働き方改革」の文脈で大きく取り上げられており、今となっては違和感はないかもしれませんが、当時は全く省みられない文脈でした。
会場では、陳列対策に慎重な研究者の方々も「それ、本当のことですか?」と驚かれ、「中央vs地方」の文脈とも重なり、事の重大さを共有しました。
その一方で、ネット上では、表現の自由の問題としてのみ炎上しました。(私も「危険な議員」として拡散…覚悟の上でしたが。)
実は、当事者であるコンビニの本社広報は、陳列対策を拒否した理由は明言していません。
「周囲」が表現の自由の問題として、取り上げていました。意図的…?
その仕組みが非常に興味深い現象でした。
コンビニから成人雑誌を撤去する決定については、今年の1月22日にBBCが世界に配信しました。
海外から見て異様な光景だったのか?
いずれにせよ、平成特有の現象で、令和元年に幕を閉じるのは象徴的でした。
当初は7時から11時までの営業(セブンイレブンの語源ですね)と、うたっていたコンビニが、平成では24時間営業するのが当たり前になり、欲する物は何でも揃えるようになり、当時バイト店員だった私にとって、握り寿司が弁当に並んだのは衝撃的だったことを鮮明に覚えています。そして成人向け雑誌も。
それまでは、町の本屋さんで、奥の仕切られたスペースで18歳未満は入れず、眺めることさえも店の人の視線を気にする禁断の領域が、コンビニでは老若男女が使うトイレの前に。
と言っても、当初は若い男性、特に独身男性が夜遅くに使う店でした。
それが、30年の間に変化し、名実ともに老若男女が使う、町のホットステーションをうたうようになりました。
きっと、平成を語る象徴的な話題として、いつか後世にネタとして使われるかもしれません。
もう来年以降は語る機会はないでしょうから、備忘録的に、今だから言えることを年忘れ的に。
なかなか本題に入らないなぁ…
今年の忘れえぬ出会い。
写真は、各紙の書評で大変評価されている『家庭裁判所物語』(日本評論社)の著者・清永聡さん(NHK解説委員)。
本年で設立70年を迎えた家庭裁判所が、戦後の混乱期の中から、誰が、どのような想いで作り、整備していったのか。
家庭裁判所の父と言うべき裁判官・宇田川潤四郎氏、戦後初めて最高裁に採用された女性裁判官の三淵嘉子氏などの人物と関係機関の織り成す感動的なドラマで描かれています。
本書の内容には、戦後の設立期や昭和の少年法改正論議など、どうやって調べたのかと思うような貴重な歴史的事実が描かれており、資料的価値も高いと思いました。
取材を受けた宇田川家の皆様ともお会いしましたが、遺族の「すごく丁寧な取材だった」との言葉からも、著者の当事者に対するリスペクトが伝わってきます。
少年法改正の議論がなされている今だからこそ、本書のように原点を見失わない視点が肝心だと痛感します。
※追記(2024年夏)
関連ドラマ「虎に翼」が話題になっていますが、
宇田川潤四郎氏のお孫さんである宇田川淑恵さんの研究ノートが所属されているNIRAで掲載。
https://nira.or.jp/paper/research-policy-note/2024/5.html
あの滝行は演出ではなくリアル?のエピソードから家庭裁判所への想いまで。
#家庭裁判所物語
#虎に翼
#朝の連ドラ
千葉市政の10大ニュースを見て、自分の10大ニュースをふと。
やはり秋の災害がトップですが、
密かに、全国のコンビニで成人雑誌が9月に撤去された件は、個人的にこだわります。
災害があって、この件の投稿は控えていましたが…年忘れ的に。
新しい物が増えると話題が集まりますが、
消えた物というのは忘れられていくもので、
コンビニにおける成人雑誌のてん末を気にしている人は少ないでしょうが、自分には見届ける責任があるかと思い、注視していました。
写真は8月の店内の光景。
既に撤去が進んでおり、
「成人向け雑誌の お取り扱いは 終了いたします。」という表示を出している店や、
特に表示なく、いわゆる「ガチャガチャ」「ガシャポン」が置いてある店も。(親にとっては結構、手ごわい戦略?)
年末の読み物的に、しばらくこの現象を振り返る投稿が続きます。
お許しを。
一般的に、災害の記憶は確実に薄れていくものであることから、防災教育の実務の充実とともに、学校の副教材に、今年の災害をとどめるよう求めました。
「現在、編集を進めている社会科副読本に、東日本大震災や今年の台風などによる甚大な被害の様子を掲載します。」との答弁でした。
この質疑以上に、自分が議場で爪痕を残したかったのが、今後「災害文学」の収集・推奨が必要だという主張でした。
分野として確立されているとまでは言えないかもしれませんが、
災害に遭った人と社会には、災害を乗り越えるため、災害に備えるために、災害前や災害後の人とコトバでつながっていく営みが必要で、それが生命尊重の文化・社会の土台になると考えています。
このように頭を駆け巡ったのは、以前、一緒に写った写真を投稿していただいた、漆原智良先生の講演を拝聴したのがきっかけでした。
戦災孤児から島の教師、児童文学作家へと生きてこられ、東日本大震災に現在も向き合う先生の言葉に、不思議な想いで魅了されました。
硬い話題が続きましたが、今回は真面目だけど明るい話題で。
11月にこの投稿でも紹介した、千葉大の大学祭で出会ったSDGsのオリジナル・ゲーム。
先日、学生から千葉市職員へゲームの説明と体験を。
党千葉県本部の青年局長の仲村秀明県議も同席。
次第に、職員の方もその面白さにハマり、教育的効果などで熱く協議を交わしました。
私は、彼らが作ったゲームの、SDGsに関する啓発的側面もさることながら、このゲームにゴールや正解がないことや、人と競り合うのではなく、発言して意味や文脈を共有し合うという側面に大変ひかれています。
彼らのネットワークで、千葉大学だけでなく、中央学院大や江戸川大ともコラボしてきたと。枠に縛られない学生の展開力。
学生の要望を聞いて、議員や行政が実現するという政治スタイルだけでなく、
彼らの自由な発想や取り組みをこちらが学び、そこで終わらさずに社会や大人のフィールドにつなげて展開していく。
自分が模索する、青年と議員との関わり方。
そんな試みの一環でもあります。
関係者の皆様、大変ありがとうございました!
給水支援については、千葉県議会でも取り上げられ、報道されました。
しかし、その内容は、私が現場で直面した事実とも異なることから、事実を明らかにするとともに、今後取り組むべき課題を整理しました。
質問)台風15号によって停電・断水した千草台団地への給水支援を、私が市に要請したら「県から断られた」との返答だったが、実際には夜間(20時ころ?)に県の給水車が現地に来てくれた。
しかし、事前にも事後にも情報がなかったため、給水を受けられなかった住民もいた。
市に問い合わせても、この状況が把握されておらず、対応も連携も問題がある。構造的な課題もあるのでは?
答弁)市営水道の給水区域では、県から9月12日から17日までの6日間に応急給水が実施されました。
千葉市内に複数の水道事業体があることが課題であるため、県営水道と市営水道の統合が必要と考えており、今後は県に統合への早期協議を積極的に働きかけてまいります。(趣意)
意見)9月9日に発災で、12日からの給水では遅い。
(自助・共助にも課題がありますが。)
しかも、9日に例外的に行われた千草台団地での給水も、連携が悪いので効果が薄い。
県は要請を断ったが、県の給水車の半分以上が稼働していなかったことも後に判明している。
構造的な課題として、地図にある3つの事業体も統合すべきで、問題多々ありです。