あえて長文。
最近の国政の「疑惑」について、当方のスタンスは、
「誰かをかばったり責めたりする筋合いはなく、ただ事実関係を求めています。」
と地元で説明していますが、その観点から一言。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180416-00000077-asahi-pol
この記事では、
①「佐川氏が、昭恵氏の記載があることを知りながら、政治の関与を否定する答弁をしていた可能性が出てきた。」
とあります。
政治の関与を否定した証言や、いつ記載に気付いたかは刑事訴追の恐れがあるので証言拒否した、あの証人喚問とこの記事は特に矛盾していなくて、特段新しい展開ではないかと。
そして、公文書改竄の「責任は自分にある」と、あの証人喚問の場でさえも佐川氏は自らの責任を認めていたので、改竄前の内容を認識していたとしても全く不思議ではありません、むしろ当然とさえ言えます。
この記事は論理的に破綻しています。
政治の関与の有無と、佐川氏が昭恵夫人の記載に気付くかどうかは、論理的な関係がありません。あたかも「知りながら…否定する答弁をしていた」ことが何かおかしいような書きぶりは、相変わらず疑惑の雰囲気作りだけですね。
逆に、記事を書く側のスタンスによっては、「記載内容を知っていたからこそ、自信をもって否定をする答弁ができた(かもしれない)。」と書くことも可能です。
この記事のルーズさは、
公文書改竄前にあった「昭恵夫人の記載」や「政治の関与(を疑わせる記載)」について、その内容を読み手が知らないことを前提に、都合よく書いている点にあります。

しかし、これはこの記事に限ったことではありません。
この文書改竄と答弁に関する報道の多くは、昭恵夫人の名前の記載の有無ばかり取り上げられますが、その文書改竄と政治関係者関連の記載との全体像は、殆ど取り上げられずに、断片的な報道が繰り返しされている気がします。
一般市民は「改ざん前文書」の内容なんて知るわけがないと、タカをくくっているのでしょうか。
では、このような視点で、この記事の次のくだりについて。

②「改ざん前の決裁文書には、土地取引の交渉過程で、近畿財務局が学園側から昭恵氏の写真を見せられたことや、政治家側からの問い合わせがあったことが記されていた。」
と、この新聞記事で書いています。
昭恵夫人の名前を出しての「籠池氏の発言」と、夫人との写真を「籠池氏が提示」したことが記載されています。具体性のない内容で間接話法のみで。
(あと、「夫人が森友学園訪問時に感涙した」と産経記事に「載っている」と、また議員等による森友学園来訪者の6名以上いるうちの一人として名前が掲載。以上、改ざん前文書で、登場はこの3つのみ。)

一方、他の政治関係者がらみでは
「鴻池祥肇議員■■(注:黒塗り)秘書から近畿局へ照会(受電)。
 籠池理事長が、本件土地について購入するまでするまでの間、貸付けを受けることを希望しており、大阪航空局に直接相談したいとの要請を受ける。」
「森友学園が国土交通省北川イッセイ副大臣秘書官に「近畿財務局から示された概算貸付料が高額であり、副大臣に面会したい。」と要請。」や、
「平沼赳夫衆議院議員秘書から財務省に「近畿財務局から森友学園に示された概算貸付料が高額であり、何とかならないか」と相談。」、さらに
「鳩山邦夫衆議院議員秘書が近畿財務局に来局し「近畿財務局から森友学園に示された概算貸付料が高額であり、何とかならないか」と相談。」
(ちなみに、これらの問い合わせに対して財務省はことごとく「…どうにもならない…」と断っていると記載。)
このように具体的かつ直接話法で。
これらが「改ざん前文書」では淡々と時系列で並んでおり、後に削除されました。

この新聞記事では、これらの後者の動きは「政治家側からの問い合わせがあった」などとだけ、サラッと書いてます。明らかに「度重なる要望・要求」だと思いますが(笑)。
不思議なのは、この記載状況で、昭恵夫人の「名前の記載の有無」と間接話法のみが、ことさらピックアップされ、それ(と籠池氏の発言?放言?)により関与が疑われている事態だということです。
個人的には、次の事実が殆ど取り上げられていないことの方が理解に苦しみます。
それは、上述の政治関係者の動向に関する時系列を同じ文書内で明示したうえで、
「※本件は、平成25年8月、鴻池祥肇議員(参・自・兵庫)からの近畿局への陳情案件。」(特例承認の決裁文書①(平成27年2月4日)など)
と明記されていることです。

つまり、建設予定地の貸付の承認申請は、「鴻池議員の案件」として役所側には理解され、決済で回っていたということです。(「かごいけ氏」と「こうのいけ議員」との混同にお気をつけて)
これは不思議なことではなく、籠池氏と鴻池議員事務所には20回前後の陳情記録が残っているほど、「当時は」最も深く関わりがあります。

そして、本当の疑惑である
「籠池氏によるゴミの発見から、(佐川氏の答弁が矛盾した)価格再交渉による8億円値引きのたたき売りと、検査院によるその追認」の過程では、
昭恵夫人(の名前)は籠池氏の間接話法でさえも登場しません。
(ゴミ発見直後も、籠池氏は鴻池事務所を頼った記録が残っています。)
この本当の疑惑については、地元の地方議会でも問題視され、大阪地検が近畿財務局に対し背任容疑で調べているのは周知のとおりです。

ちなみに、改竄前文書での安倍首相の登場は、(私が見つけることができたのは)改竄前決裁文書の「参考資料」で理事長(籠池氏)を説明するくだりに出てくる「日本会議大阪」を説明する(注)の箇所で、「日本会議国会議員懇談会」の役員として麻生大臣、平沼赳夫議員とともに「安倍晋三総理らが就任」と説明している箇所だけです。(これで「関与」は…)
これも、日本会議が貸付の承認に影響を与えたと断定するのは無理筋で、次のページに添付されている籠池氏の名刺のコピーの最初に「日本会議大阪代表」と書いてあることから、その説明を付記したかと。(そこに並んでいる「プロ野球オリックス・バファローズ ファンクラブ理事」の肩書は、説明がいらないでしょうから。(笑))
以上が、私が改竄前文書で見た政治関係者との関連個所ですが、もしも、私が見落としていたり、誤った見方をしている場合は、御指摘を頂ければ幸甚です。
改竄前文書を何度も目を通すなど、地方議員として、時間の使い道を誤ったかもしれません…(少し後悔)

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