本議会での市長の発言:千葉市の財政と病院
本議会も3日(月)で閉会となる予定です。
いつもイベントに出て、ゆるキャラの背中ばかり追いかけていると思われるといけないので、少し議会の真面目な話を。
私個人の一般質問は別の機会に譲るとして、今回は本議会の熊谷市長の答弁に注目してみます。
なぜ市長の答弁に注目するかと言えば、今回、非常に注目を集めた(アピールした?)事柄と全く注目されなかったことがあり、そのギャップが激しいので、おさらいする必要があるかと思いました。
①財政
まずは、注目を集めたのは、何と言っても決算議会ですので市の財政、なかんずく財政の好転化による「脱・財政危機宣言」の解除を行うかどうかに注目が集まりました。
(脱・財政危機宣言はこのサイトから確認できます。http://www.city.chiba.jp/zaiseikyoku/zaisei/zaisei/datuzaiseikikisengen.html)
結論的に言えば、
「実質公債費比率が早期健全化基準である25%を超過する可能性がありましたが、財政健全化に向けた取組みを進めてきた結果、実質公債費比率が早期健全化基準を超過する可能性はなくなったものと考えております。
しかしながら、地方債の発行に当たり国の許可を要する18%以上となっているのは、政令市の中で千葉市のみという状況であり、これを下回り許可団体を脱却することが宣言解除の重要な目安となると考えております。」
と答弁されました。
つまり、夕張市のように破たんする可能性はなくなり(政令市ワースト1位からも脱却したようです)、確実に財政健全化は進めてこれた。
しかしながら、借金する際に国に許可してもらわなければならない政令市は千葉市だけであり、いまだ財政危機宣言を解除するほどの楽観はできない、という具合でしょうか。
この決算額をそのまま提示しても実感できないので、「1か月あたりの家計」を例に以下のように当てはめてみました(速報値で正確さは保証できませんし、現在の公会計制度の考え方には、この家計への例示はそぐわない面もあろうかと思いますが、分かりやすいと好評につき、参考までに)。
給料(市税)が41万円、パート収入(使用量、手数料)が6万6千円、友人から帰ってくる借金(中小企業資金融資預託金収入)が7万3千円、でもいまだに親(国)から仕送り(支出金、交付金)を27万円、借金(市債)も9万5千をしている状況で、93万前後の収入がある状態で、
食費(人件費)に12万8千円、医療費(扶助費)に22万5千円、生活費(物件・補助費)に14万5千円、自宅の修理(維持補修費)に1万6千円、車・土地(投資的経費)の購入代に7万5千円、子供への仕送り(他会計への繰出)に10万4千円、借金の返済(公債費)に13万5千円、貯金(積立金)を1万円、友人へ貸すお金(中小企業融資・企業立地促進)に7万3千円で、93万円弱の支出といったところでしょうか。
財政健全化を見事に進めている一方で、医療費の高さに今後の不安が、そして維持補修費の低さに様々なひずみを感じる面があります。もちろん、負の側面に熊谷市長の責任がどこまであるかと言えば、やはりそれ以前の世代を追及したくなります。
皆さんはどのように評価されるでしょうか。
②病院
先ほどの財政についてはマスコミでも議会でも散々話題になりました。
その一方で、注目を浴びなかったのに「お?これ重要じゃね?」と思った答弁もあります。それが市立病院です。
公明党千葉市議会議員団からの「青葉、海浜の両市立病院の統合について、将来的に検討すべきでは」との質問に対し、
熊谷市長は「これまでの2病院体制を前提とした再整備に加え、将来的には、両病院の統合も含めた議論もしていく必要があると考えております。」と答弁されました。
この背景には、昭和59年に開院した古い海浜病院の耐震性や、「病院完結型医療」から国が打ち出している「地域完結型医療」への転換など様々な要因がありますが、
いずれにせよ、両病院を統合する議論の必要性を、公の場で認めたのは初めてではないでしょうか。
もちろん、統合を決めたわけでは全然なく、その議論の必要性を認めただけですが、千葉市民の生活においてこの両病院の統合は極めて重要な論点となりえます。
しっかり市民の声を届ける必要がありますし、それ以前に私たち市民の側もしっかり検討しなければならないし、その準備をしなければならないと思います。まずは情報の整理です。
そして、このように「持続可能な福祉」「福祉の生き残り」を議論する際には、必ず政争の具として利用する勢力が現れ、中身を議論をせずに「福祉の切り捨て」というレッテル張りだけをしますので、静かな環境で冷静かつ誠実な議論をする必要があります。
そのうえで、病院や医療の分野というのはどうしても専門家主導で進めざるを得ません。だからこそ、市民の声を意識的に取り入れる仕組みが必要になります。
そのためにも、この答弁はもう少ししっかりと取り上げられても良かったのではないかと思います。
報道サイドも議員サイドも今後検討する余地があると思います。