今回の議会質問の最後は、避難所における避難者情報の把握と、災害備蓄品の使用方法の周知についてです。
端的に言うと、
①災害情報共有システムに、住民基本台帳のデータベースを取り入れる
②5月7日に公開された千葉市の災害備蓄品の使用方法に関する資料・マニュアルを、避難所運営の最前線に周知していく
という提案です。これも費用が掛かる提案ではありません。
市の答弁は、
①提案のデータベース導入により、避難者情報の正確かつ効率的な把握ができることから、システムの改善を検討していく。
②防災ライセンス講座での配布・説明、避難所運営委員会への通知等を行う。
という、これもかなり積極的な答弁を戴きました。
この質問をした問題意識は以下のとおりです。
①避難予定先として近所の学校等を家族で事前に申し合わせするものの、災害は時と場所を選ばないので、実際は家族が別々の避難所に初動の避難をすることを前提に想定すべきです。これは、自分や同僚の仙台市での経験からの考えです。
その際に、現在のシステムのように、避難生活が始まる、あのごった返した状況で名前、生年月日、住所等を手入力していたのでは、到底遅いし、不正確になる可能性が高い。事前に住民基本台帳のデータベースを取り入れて、検索するだけで足りるようにしておくべきと考えました。
さらに、迅速で正確な避難者情報がネットワークでつながっていれば、家族が別の避難所に避難していても、すぐに分かる、実は避難者にとっての「安心」の一番は物資ではなく、家族等関係者の安否確認であるという考えです。
そして、この情報の集積は、性別・年齢別等のデータ集計が容易なので、対策本部からの救援物資の効果的な配分にもつながります。
②の備蓄品の使用方法の周知では、避難所運営委員会への「通知」に地味に、でも、かなりこだわりました。「通知」なんて、紙切れ一枚の形式だけという印象を持つかもしれませんが、公的機関の運営において、特にそのリーダー(校長、公民館長等)への周知においては、圧倒的に大事です。
あえて簡単に言うと、「やった方がいい」「やれる時はやる」レベルではなく、通知によって「絶対やらなければならない」レベルに一気に押し上げます。
この通知が事前になされている状況で監査や議員視察を行うのか、通知がない状況下で行うかによって、不備指摘後の対応は雲泥の違いになります。前者は、不備に対して処分もあり得ますが、後者は「これからは努めます」で済みます。
別に誰かを締め付けることが目的ではなく、現場を回って、このままでは「ヤバい」と思ったからです。どうしても、ホームページに貼り付けただけで、「周知しました」と済ませてしまうことが多く、形式に流されないように、意識的に行う必要があります。
それにしても、この通知は「6月中に出す」なんて言ってたような気がするけど、答弁ではこの期間が、いつの間にか発言から抜け落ちていた気がする。相手が逃げようとしているなんて、変にうがった見方をして騒ぐ必要もなく、今後も「粛々」と「現場から」確認すれば良い。
今回の①の提案は、実は先日視察させていただいた船橋市で、現在、実験・検討している段階のアイディアを早々に盗んだものです。その素晴らしいアイディアと検討されている船橋市のシステム全体については、追って当方のホームページで紹介させていただきます。本当にありがとうございました。
感謝の意味で、「ふなっしー」ではなく、公式キャラの「目利き番頭 船えもん」の写真を載せて、この連載完結です。