「人間の可能性の祭典」…
パラリンピックの開幕。
コロナ禍での開催となりますが、全てのアスリートの活躍、大会の成功を祈ります。
コロナによって普段の日常を失った今、ずっと以前から困難を伴う日常を乗り越えてきたアスリートから学ぶ思いで、TV前から声援を送りたいと思います。
(以下、個人的に共感した「HEROs LAB」の記事より転載)
2020年8月21日に行われた「HEROs LAB」に講師として登壇した河合さんは、オンライン上に集まった中高生に対し、パラリンピックのことを「人間の可能性の祭典」と説明した。(※河合さん=日本パラリンピック委員会委員長)
この言葉の通り、河合さんは、”人間の可能性を示し続けた人生”を送ってきた。生まれつき左目の視力がなく、15歳の時には、わずかに残っていた右目の視力も失い、全盲となった。しかし、5歳の時から取り組んでいた水泳で、17歳で出場したバルセロナ・パラリンピックで銀メダルを2個、銅メダルを3個獲得したことを皮切りに6大会連続でパラリンピックに出場。大学卒業後には全盲で初の中学校教師となるなど、様々な可能性を切り開いてきた。
教育者としての一面を持つ河合さんは、中高生に対して、さらにこう続けた。
「Impossible(不可能)のIとmの間にアポストロフィーを入れるとI’m possibleという言葉に変わる。」
この言葉は「不可能だと思えていたことも、考え方を変えたり、少し工夫したりすれば出来るようになる」という造語で、国際パラリンピック委員会(IPC)の公認教材の名前として用いられている。こうしたパラリンピックを題材にして共生社会への気付きを促すパラリンピック教育は、“オリンピック・パラリンピック教育”として学習指導要領にも盛り込まれた。このパラリンピック教育から障がい者の生き方を学んだ若者たちが、共生社会の担い手になることを河合さんは期待している。
世界の先陣を切って超高齢化社会へと突き進んでいる日本が抱える課題は、パラリンピックでの取り組みと重なる点が多い。例えば、視聴覚障がいを抱えている人や、車いすを用いた生活をしている人が感じている課題は、今後多くの人が直面する課題となるだろう。
これまで、パラリンピックの開催へ向けては、バリアフリー化に対する関心が高まったり、障害者差別解消法が制定されるなど、法整備も推し進められてきた。しかし、社会を変えるのは、制度ではなく、人である。制度が変わったところで、私たち国民の意識が変わらなければ、真の共生社会は実現しない。だからこそ、東京パラリンピックには、日本が共生社会を実現するための「社会的装置」としての役割を期待したい。
私たちは、2021年夏、パラアスリートたちの想像をはるかに超えたパフォーマンスを目撃するだろう。彼らが普段の生活の中で、どのような障壁に直面しているのか。どのように障壁を乗り越えているのか。未来の自分の姿を重ね合わせながら、想像を超えるパフォーマンスを目撃したい。そんな想像力を働かせたとき、初めて真の共生社会実現へ向けて、大きな一歩を踏み出すことができるのではないだろうか。


