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朝霞市総務常任委員会行政視察1日目。

岐阜県 大垣市 「大垣市スマートシティ推進計画」について報告します。
1.視察概要
大垣市 が推進する「大垣市スマートシティ推進計画」について、計画策定の背景や課題分析、推進体制、具体的施策、さらには現在の取り組み状況や今後の課題まで、詳細な説明を受けました。
大垣市では、人口減少や少子高齢化、デジタル化への対応、災害対応などの社会課題に対し、デジタル技術を活用した持続可能なまちづくりを進めている。
単なる行政内部のDX化にとどまらず、市民サービス向上や地域経済活性化、教育・福祉分野への展開など、幅広い分野でスマートシティ施策を推進している点が特徴的です。
2.大垣市の現状と課題
大垣市は平成18年の市町村合併により、飛び地状の地域を持つ全国的にも珍しい地理形態となっている。また、「水の都」として知られ、豊かな自然環境と高度な都市機能が共存する都市。
人口は減少傾向にある一方で世帯数は増加しており、世帯規模の縮小や少子高齢化が進行している。2060年には人口が約12万人まで減少する推計も示されており、将来的な地域活力低下への危機感が背景にあると。
産業面では、製造業を中心とした「ものづくりのまち」として発展しており、電子部品・輸送用機械・窯業などが地域経済を支えています。
こうした現状の中で、デジタル技術を活用し、市民生活の利便性向上や地域課題解決を進める必要性から、スマートシティ推進計画が策定されたとのこと。
3.計画策定の背景
計画策定は令和3年度であり、新型コロナウイルス感染症拡大の時期と重なっていたと。
そのため、テレワーク、オンライン会議、オンライン授業など急速に普及した「新しい生活様式」を踏まえた内容となっています。
また、国が進める「デジタル田園都市国家構想」や、岐阜県のDX推進計画とも連携を図りながら、地域におけるデジタル活用を推進する方向性が示されています。
特に特徴的だったのは、市民アンケートや企業アンケート、ビッグデータ分析を活用して課題整理を行っていた点に注目しました。
市民アンケートでは、
* 情報セキュリティへの不安
* 行政手続きオンライン化への期待
* 情報取得環境の充実
などが求められていることが確認。
企業アンケートでは、
* デジタル人材不足
* DX導入の費用対効果への不安
が大きな課題として挙げられてます。
さらにYahooの検索データや人流データを活用した分析では、「ゴミ収集」「ハザードマップ」「マイナンバー」「保育園情報」など、市民が求める情報が可視化され、施策立案に反映されていました。
4.基本理念と推進体制
計画では、
「市民一人ひとりが幸せを実感できるスマートシティの実現」
を基本理念として掲げています。
その上で、
1. デジタル化による市民サービス向上
2. 行政の高度化・効率化
3. 安全安心なデジタル環境整備
の3つを基本方針としている。
また、推進体制として、市長を本部長とする「スマートシティ推進本部」を設置し、全部局横断型で推進している点が印象的でした。
さらに、市民・民間企業・大学・地域団体との連携を重視し、行政単独ではなく「地域全体でスマートシティを進める」という考え方が示されています。
5.主な取り組み内容
(1)行政手続きのオンライン化
行政手続きのオンライン化を積極的に進め、電子申請サービスやFAQシステムを整備している。
また、「行政手続きオンライン化ガイドライン」を策定し、
* 対面不要
* 押印不要
* 添付書類が少ない
などの条件を整理した上で、オンライン化を推進している。
窓口予約システムや混雑状況のWeb配信など、市民利便性向上にも取り組んでいます。
(2)ドローン・AI活用
特に印象的だったのは、インフラ点検へのデジタル活用である。
施設点検では、従来職員が高所作業を行っていたものを、ドローン活用に切り替えることで、
* 安全性向上
* 作業効率化
* コスト削減
を実現していた。
また、道路パトロール車のドライブレコーダー映像をAI解析し、
* 道路ひび割れ
* 陥没
などを自動判定するシステムも導入されています。
視察時の説明では、「委託よりも職員運用の方がコストを抑えられる」との考えから、職員が研修を受けてドローン操作を行っている点も特徴的であり、その研修予算もしっかり計上されていて、予算にもよるが理想は各担当課にドローン操作ができる人材を確保することと。
(3)デジタルデバイド対策
「誰一人取り残さない」という理念のもと、高齢者向けデジタル支援に力を入れている点も大変参考になった。
具体的には、
* スマートフォン教室
* 出前型デジタル講座
* 地域集会所での相談会
* デジタル相談窓口
などを実施していた。
特にNPO法人と連携し、地域へ出向いて講座を行う仕組みが構築されており、単なるデジタル導入ではなく、「使えるようになる支援」が重視されていた。
スマホの講座実施は職員が行うこともあるが、NPO法人に委託して行なっていると言うことを確認しました。
(4)子ども支援・教育分野
子ども向けには、
* プログラミング教育
* デジタル体験施設「デジタル広場」
* 子育て支援アプリ
などを展開していました。
また、不登校児童生徒支援として、メタバース空間を活用した取り組みが非常に興味深かった。
学校に通えない子どもたちが、まずは仮想空間に参加し、他者との接点を持つことで、社会とのつながりを維持する支援の取組みは、実証実験段階ではあるけども効果が得られているとの説明がありました。
担当者からは、
「まずはメタバースに来ることが第一歩」
との説明があり、不登校支援を段階的に進める考え方が印象に残りました。
(5)地域通貨「ガキペイ」
地域デジタル通貨「ガキペイ」も特徴的な取り組みでした。
現在は市民向け給付やプレミアム商品券事業などにも活用され、市内経済循環に役立てられている。
加盟店は約640店舗、アプリ利用者も広がっており、市内限定で利用できるため、地域経済への波及効果が高いとの説明であり、初期立ち上げ時には予算はかかったが、現在まで運用していることで費用面で負担にはなっていないと。
また、
* 現金給付より迅速
* 市外流出を防止
* 高齢者利用も一定数存在
などの効果も確認されているとのこと。
6.DX人材育成
大垣市では「DX人材育成計画」を策定し、職責ごとの研修体系を構築している。
特に印象的だったのは、
「システムを押し売りしない」
という考え方でした。
以前は情報部門から各課へ、システム提案を行っていたが、現場に受け入れられなかった経験から、現在は、
* 各課が課題を出す
* 情報企画課が伴走支援する
* BPR(業務見直し)から一緒に行う
という手法へ転換したとのこと。
その結果、各部署からのDX相談件数が増加し、現場主体の改善が進みつつあるとの説明があり、なるほどととても参考になりました。
7.今後の課題
課題として、
* DX推進体制が十分機能していない部分
* AI活用が一般業務に留まっている
* 個人情報を扱う専門業務へのAI導入が難しい
なども挙げられていた。
また、人材育成についても一定の成果はあるものの、求めるレベルにはまだ達していない職員もいるとの率直な説明があり、継続的な取り組みの必要性を感じつつ積極的な取組みに感動しました。
8.所感
今回の視察では、スマートシティを単なる「デジタル化」ではなく、「市民生活の質向上」や「地域課題解決」の手段として位置付けている点が非常に印象的でした。
特に気になっていた、
* 高齢者支援
* 不登校支援
* 地域経済循環
* 行政効率化
など、幅広い分野へ横断的に展開している点は大変参考になりました。
また、デジタルデバイド対策として、NPO法人や地域団体と連携しながら「使えるようになる支援」を丁寧に行っている姿勢は、今後の自治体DXにおいて極めて重要であると感じました。
さらに、BPRを重視し、「現場課題からDXを進める」という考え方は、単なるシステム導入に終わらない持続的なDX推進として大変学ぶ点が多かったです。
朝霞市においても、行政内部の効率化だけでなく、市民サービス向上や地域課題解決につながるDXの推進、そして誰一人取り残さないデジタル支援体制の構築が重要であると改めて感じました。
本日は、お忙しい中、議長、副議長にもお越しいただき、ご挨拶もいただき感謝です。
さらに、担当課の方々には丁寧でわかりやすく説明いただきました。
大変にありがとうございました。

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