9月25日付け聖教新聞に「京都大学こころの未来研究センター」の広井教授のインタビュー記事がありました。大変興味深い内容です。要約し紹介します。
現在の危機について
ーー人間と生態系のバランスが崩れた結果として感染症が頻発している。コロナ禍により「一極集中型」社会の脆弱さが露呈した。「地方分散型」社会への移行が持続可能な社会への分岐点となる。
生き方全体を含む「包括的な分散型社会」への転換を提唱
ーーコロナ禍をふまえた「ポストコロナ」の未来に向けたシュミレーションでは、女性の活躍、男性の育児参加、テレワークやリモートワークの推進の重要性が示された。戦後の「単一ゴール・集中型」社会から「包括的・分散型」社会をめざすべき。
生命中心の経済を提唱
ーー①健康・医療②環境③生活・福祉④農業⑤文化などの生命関連産業の発展がポストコロナの時代には重要となる。生命関連産業は比較的小規模で地域に密着したローカルな性格が強い。国家の経済成長というマクロの視点でなく、生命の充実や幸福度を高めることを目指すミクロな視点に立つ経済構造が求められる。
いかに生命中心の社会へ移行できるのか
ーー「ポスト資本主義」の構想には3つの柱がある。1.市場経済(私)、2.コミュニティー(共)、3.政府(公)のすべてが重要。
GDPなど量的拡大を唯一絶対の目標とせず「持続可能な発展」「定常化社会」を目指す。
有限性について
「地球環境の有限性」と「人間の生の有限性」の2つの有限性に向き合っている現代。人間の一生が有限であることを積極的にとらえるべき。物質的有限性を認識するから無限の価値を創造できる。
第3の定常化とは
人類は人口と経済の「拡大・成長」「成熟」「定常化」を3度繰り返し、現代は「第3の定常化」への移行期。第1のサイクルの移行期は約5万年前、洞窟壁画や装飾品、芸術的な縄文土器などが一気に現れる。第2のサイクルの移行期は紀元前5世紀頃、仏教、儒教、ギリシャ哲学、旧約思想が起きる。第3のサイクルは、市場化、産業化、情報化、金融化で始まり現代は移行期にいる。既成の価値観の分を超える「地球倫理」的な新しい思想が誕生する必要がある。








