太田議長のブログからの抜粋です。
新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が5月25日、全国で解除された。「新型コロナの感染拡大阻止」が、全ての最重要課題であっただけに、節目であり、新たなステージへのスタートである。しかし、「緩み」は禁物だ。第二波・第三波への警戒、そのための行動変容、深刻な打撃を受けている企業・事業主への支援、家計支援、医療支援等に全力を上げる決意だ。
この新型コロナの影響は甚大かつ深刻だ。しかもその根は深く、人間存在そのもの、営々と築いてきた人類、そして文明への逆襲でもある。感染症との戦いは長い。それは人類の歴史そのものでもある。人類が森林を切り拓き、農業を開始する。動物を家畜化する。言葉を使い、人と人とが交流し、集落を作り、都市をつくる。山極寿一京都大総長は、人類は「言葉+身体の接触」で信頼の社会をつくってきたが、そもそも「地球はウイルスの惑星であり、人間が主人公ではない」ともいえると指摘し、「地球環境を壊すと、閉じ込められていたウイルスが飛び出す可能性がある」と警告する。つまり、「三密」を避け「節度ある社会・経済活動」という「行動変容」「新しい生活様式」というのは、人類の築いてきた「人と人とが言葉で結びつく社会」「文明」「グローバルに人や物が移動する社会」に対する根源的な問いかけを含んでいるということだ。しかも、「自然環境の破壊、温暖化」「人と物の動くグローバル化」のなかで、感染症のリスクはつい隣りまで迫り高まっている。21世紀に入ってからも2002年のSARS、2009年の新型インフルエンザ、2014年のエボラ出血熱、2012年と2015年のMERS、デング熱や麻疹(はしか)も記憶に新しいところだ。この新型コロナウイルスとの戦いも山中伸弥京大教授のいうように「長期にわたる戦い」であることを覚悟するとともに、他の感染症が迫っていることへの備えが必要だ。それを迎え撃つ体制を医療だけでなく、社会体制、生活様式など全てにわたって整えなくてはならないことになる。目の前の深刻な現実の課題と、長期の課題を凝視して、体制を整えることが今、世界レベルで重要となっている。
今回まとめた2020年度第二次補正予算案は、現在の「企業・事業主への支援」「家計支援(困窮学生を含む)」「医療・介護支援」等とともに、「長期戦を見据えた備え」に力を注ぐものとしている。長期戦を見据えたものとして「長期の劣後ローンなどの資本性資金や優先株取得を確保するための大規模なメニュー確保」「地方が現場の要請に応えられるよう地方創生臨時交付金の2兆円規模の大幅積み増し」「長期戦に臨機応変に応えられるよう予備費の思い切った積み増し」などが掲げられている。また現在、深刻な状況になっている企業・家計・医療等に対し、①持続化給付金を拡充し、フリーランスの多様な所得申告に対応した強化策 ②家賃支援をテナントへの給付金、地方創生臨時交付金からの家賃・協力金支援 ③児童扶養手当を受給するひとり親家庭へ臨時特別給付金 ④困窮学生への10万円支給(第一次補正での予備費)、学校再開へ1校当たり最大500万円交付 ⑤医療提供体制を強化するため緊急包括支援交付金を2兆9800億円に大幅増額 ⑥医療・介護従事者への応援金支給 ⑦文化・芸術関係者への団体・個人への支援 ⑧農業関係者への持続化補助金――などを行うこととしている。
また、「避難所の感染防止対策の強化」も入れている。これからいよいよ出水期、台風シーズンに入る。このなかで、今までの避難所ではまさに「三密」の危険にさらされる。コロナ禍の避難所は特別注意しなければならないと、私も強く主張してきた。ポイントは、従来の体育館などに密集しての避難は、感染拡大に直結してしまうということだ。まず、分散型避難とすること。①在宅避難(動かない避難も大切)②避難所避難③ホテル避難(町会の集会室、公営住宅の空室や企業の使用可能な会議室なども)④青空避難(熊本地震で行ったテント避難や車中避難)⑤縁故避難――などを工夫して組み合わせる。そのためには事前に、使用できる場所を連携・確保しておくことが大切になる。
とくに避難所避難では「三密」にならない工夫をする。広い体育館でもソーシャルディスタンスをとる。分散できる空教室を準備する。体育館等では床にはコロナが付着している危険があるので段ボールベッドを用意する。隣りとの間仕切りも付ける。入口では体温計を用意して全員の体温を測定する。マスク(持参が原則)、消毒液等を事前に準備する。高齢者や障がい者など”災害弱者”に配慮する。またコロナ禍の災害には、通常は大きな力になるボランティアもなかなか来れない。まさに市区町村のマニュアルを作り直し、事前に準備を今から取り組むことが急務である。それと当然ながら、レベルの上がっている最近の災害について、「ハザードマップ」「タイムライン」「マイタイムライン」の整備と住民への徹底は不可欠だ。市区町村に担っていただく訳だが、限界は当然ある。国が積極的に人的、物的支援を、押し付けないでバックアップするように急ぎ進めたい。
5月31日の聖教新聞に社会学者の大澤真幸氏より「コロナ後の目指すべき社会」について寄稿がありました。非常に大事な視点であると思いますので、要約して紹介します。
地球社会を貫く原理の限界
我々のアイデンティティーは国民国家への所属をベースとしている。地球社会を貫く原理は、国民国家間の競争の原理であり、国家間の協力もあるが、国益に合わなければ成立しない。20世紀末期以降、我々は国民国家間の競争の理論には限界があり危険であると認識した。人類の存続に関わる問題は国民国家レベルでは解決不可能であり、国民国家間の競争こそが、問題を深刻にしている原因となる。国際社会の枠組みが「国民国家間の競争」である限り、個人の倫理が成熟しても重要な社会問題は解決できない。国のために命を懸ける高潔な行為も国家間で見れば野蛮な闘争として表われる。
一国だけの解決はない
現在のコロナ禍のパンデミックスは「国民国家間の競争」では絶対解決できない。我々は破局的の混乱の渦中にいる。「一国だけの解決」ということ自体ナンセンスである。「国民国家間の主権」の不十分さ、無力さに気づき導かれる教訓は、国民国家間の主権は相対化され、やがて乗り越えられなければならないということであり、より包括的な上位とよりローカルな下位へと相対化される必要がある。
人々にも変化の必要が
国民国家間は主権を放棄し「人類」そのものであるような共同体に担われるべきであり、そのような機関に国民国家レベルの行動を抑止し得る権威が与えられなくてはならない。私たちのアイデンティティーの在り方も国民国家への所属から人類という共同体への所属に基づくアイデンティティーに変容しなくてはならない。「日本人」「アメリカ人」である前に世界市民である、と。ローカルなコミュニティーのレベルの連帯とグローバルな人類レベルの連帯を合体させると目指すべき社会のあり方の理念的イメージが得られる。コミュニティーの理想を、自由な個人間の自発的な連合という意味で「アソシエーション」と呼ぶ。これをグローバルな連帯と接続させ(アソシエーションの重層化)包括的なものへと積み上げ、最終的に人類の普遍性へ至る。
世界市民として考える
我々は、現下のパンデミックスの中で大きな分岐点にいる。国民国家の利己主義を極限まで推し進めるのか、国民国家を相対化する新たな連帯に向かうのか。二十一世紀の末にも人類が繁栄しているのは、後者の道を選んだときである。二百年前カントは「思考の自由とは理性を公的に使用すること」と書いている。公的とは自国のためではなく世界市民として考えること。
全国の緊急事態宣言は解除になり、日常の生活が戻りつつあります。しかしまだ油断はできず第2波第3波に備えなければなりません。その様な中コロナ疲れやコロナうつなどという言葉も聞かれるようになりました。対策について精神科医の廣瀬久益先生の記事を紹介します。
≪対策のポイント≫ ①「なんとなくだるい」は要注意②活動性と生活リズムをキープする③ウオーキングとダンスがお勧め④プラス思考に転換していく
①「なんとなくだるい」と感じるときは要注意。また、背中や肩、首の張りの他、後頭部が重く感じたり、頭痛が出てきたりする身体症状も、うつの症状の一つです。何かやろうとしても、気力が付いていかない。そのうち、やろうとすら思わなくなってくる。「意欲」と「関心」がなくなっていくのが、うつの代表的な症状です。
②「活動性と生活リズムをキープすること」です。平常時のリズムを崩さないようにしましょう。家事は手抜きをしないとか、運動をするなど、心身の活動性のレベルを高める努力を心掛けましょう。 活動性をキープするため、運動は必須です。ただ、「気が向いた時にやる」ではなく、「決めた時間にやる」ことが大事。時間のプレッシャーをかけることで、生活にメリハリが生まれます。
③「ウオーキング」を日常に取り入れるようにしましょう。マスク着用など新型コロナウイルスの感染予防はしっかりしながら、5000歩から1万歩は、意識して歩くといいでしょう。私がオススメしているのは、お気に入りの音楽で、好きなように踊ること。振り付けなど細かい決まりは、何もありません。座ったままでもOKです。音楽に合わせて、両腕をランニングのときのように前後に振ったり、立って左右にステップしたり、何でもいい。何事も「楽しく」が大事です。
④運動と同じくらい大事なのが、脳を動かすことです。本を読んだり、映画を見たり、人生設計を考えたりと、頭を使うことを積極的に取り入れましょう。 マイナス思考からプラス思考に転換していくことが大切です。ここでは、切り替えるための簡単な方法を二つ紹介します。まず、自分が一日の中で考えたことを、10個くらいメモに書き出します。例えば、「新型コロナが不安で、ご飯も喉を通らない」など、ありのままを書きます。そこに、それはプラス思考か、マイナス思考か、書き込みます。そして、マイナス思考は“もう考えない”と決めること。逆に、プラスに考えたことは、大切にしていってください。思い浮かべるだけでなく、書き出すことで、自分の中の感情を少しずつ処理できるようになっていきます。 もう一つは、その日の自分の出来事を、事実だけ、ニュース報道のように書き出すという方法です。このとき、感情や考えを除いて書くようにしてください。 うつの症状が出てくると、考えと感情と、そこにある事実とが分けて考えられなくなってきます。この方法で、冷静に事実が見えるようになってくるのです。
一つ目は、「考えても答えが出ないことは、考えない」ことです。マイナス思考で気になることの多くは、答えが出ないこと。その時間をなくすことが大切です。
二つ目に、「今、ここで、できること」を意識することです。
私はよく「脳は意外とバカ」と表現しますが、脳は一度に一つのことしかできません。今、目の前のできることを一生懸命やっていると、そこに不安やマイナス思考は入り込めません。
考え方をプラスに変えて、今できることに集中する。これが、これからも続く生活スタイルの変化に対応していくためのポイントです。テレワークやテレビ電話など、今までやったことがないことも、「普段できない貴重な経験」と考えられれば、楽しめるようになります。また、仕事量が減り、家族との時間の大切さを実感し、ライフスタイルの見直しにつながった人も少なくないはずです。 あらゆる経験は、全て必ず生かせます。今の状況も、考え方次第では、きっとマイナスばかりではありません。プラスを自ら見つけ出していってほしいと願っています。









