一般質問 高齢社会・人口減少社会編 part3
住民票除票の保存年限の延長について
東日本大震災をきっかけに所有者不明の土地が本格的に問題視されるようになりました。震災により多くの家や建物が津波や火事で消失し、いざ復興となった時に誰のものか分からない所有者不明の土地が復興の妨げとなったのです。
これは最後に土地の登記をした所有者が死亡し、相続による所有権移転登記が行われないまま更に次の世代へと受け継がれていった結果、最終的な所有者が誰なのか分からなくなっている土地のことで、全国の所有者不明土地が2016年時点で410万ヘクタール、九州の面積を超えています。さらにこの土地が拡大し、2040年には北海道の面積を超える可能性も示唆されており、経済損失額は2040年までに約6兆円規模に上ると試算されています。
この問題が明るみに出てから総務省は、引っ越しなどに伴って抹消された住民票や戸籍の附票の保存期間について、現在の5年間から150年間に延長することなどを検討し始めました。これにより土地所有者や相続人などを探索しやすくなり、土地の有効活用にもつながる可能性が高まります。
住民票が他の自治体に移った時には住民票の除票というものが残されますが、荒川区においてこの住民票除票の保存期限が住民基本台帳法施行令第34で5年間となっています。しかし、5年を超えて保存してはならないとは定められておりません。5年を超えた書類を保存しておくことにより、荒川区のみならず、全国の所有者不明土地の問題が解消されていくものと考えます。区として独自に住民票除票の保存年限の延長を進めるべきであると考えますが、区の見解を伺います。
【区民生活部長】
住民票除票の保存年限の延長についてのご質問にお答えいたします。
住民票の除票については、除票に記載されている個人情報を長期間保有していることが不適当であり、また、市区町村にとって負担となるため、その保存期間を住民基本台帳法施行令第三十四条第一項で、五年間と定められております。
しかしながら、先月の八月二十二日に公表された総務省の「住民生活のグローバル化や家族形態の変化に対応する住民基本台帳制度等のあり方に関する研究会」では、ライフスタイルや家族形態の変化に対応させるほか、不動産登記簿上の持ち主の住所変更や相続登記が、未手続きの場合であっても、持ち主を見つけやすくするなどの目的で、これまでの五年間の住民票の除票等の保存期間を戸籍と同じように百五十年とする最終報告が出されました。この報告を受け、総務省におきましては、関連法の改正案を来年の通常国会に提出するとのマスコミ報道があります。
特に、所有者不明土地問題につきましては、政府、民間等の検討会議において、不動産登記簿に記録されている土地所有者の住所情報を基に真の土地所有者を探索・特定していく過程で、住民票の除票及び戸籍の附票の除票の情報を活用しているが、当該除票の保存期間が五年であるために、真の土地所有者を探索することができない場合があることから、「除票の保存期間五年を延長すべき」、「五年を超えて除票を保存している市町村において除票が廃棄されないようにすべき」との意見・指摘がされておりました。
本区におきましても関係団体から同様の要望を頂いているところであり、区といたしましては、総務省が法改正に伴って検討している個人情報の保護に係る罰則の強化等にも注視しながら住民基本台帳法の法改正に適切に対応できるように情報収集に努めつつ、必要な準備を進めてまいります。
