新潟県防災局と島根県子ども・子育て支援課を訪問・調査
●令和5年(2023年)10月11日(水)~10月12日(木)の2日間、新潟県防災局と島根県子ども・子育て援課を調査してきました。秋田県において最大の課題である人口減少・少子化への対応と最近頻発・激甚化している自然災害、特に夏場の大雨被害と冬場の大雪被害への対応は急務となっております。少子化対策として常に合計特殊出生率が上位にある島根県の取組と秋田県よりも自然災害への対応が進んでいる新潟県を訪問し、取組内容や今後の方向性について教えていただきました。
●初日(10/11)は新潟県庁防災局の危機対策課および防災企画を訪問し教えていただきました。下記がその内容です。
■危機対策課職員数は15名、防災企画課職員数は16名の体制で遂行されています。
■水災害対応について、昨年8月の豪雨被害を例に状況も含め、対応を教えていただく。
・令和4年8月3日からの大雨による被害状況(線状降水帯による記録的大雨)。
・村上市を中心に線状降水帯が発生し、荒川において土石流、堤防損傷、河道埋塞、道路崩壊、橋梁損壊が発生するも、人的被害は、村上市土石流によるけが一人のみであり、これは避難情報の早目の発信、県・市・区が一体となった対応の成果である。
・県と市町村との事務局段階にいおける会議を8/3の12:00に雨が降る前に開催し、注意喚起を市町村と共有し発信している。また、8/4早朝(まだ暗い中でも)構わずに避難情報を発出し、避難所を早めに開設。これは平時での事前の演習を行っていた成果でもある。
■「チームにいがた」として全県の県内市町村と相互応援等に関する協定書を結び、被災地支援活動を行っている(生活再建支援、被害認定調査、り災証明書発行事務など)。
■防災体制として、自主防災組織は全県としては87.4%の組織化であり、防災リーダー(防災士をリーダーにした)研修を県で年3回実施するなど地域防災力強化に努めている。また、個別避難計画書の策定向上に向け県として、用紙の作成の仕方などについて福祉の人材や民生委員にも参加しての研修を行っている。さらに、発災から1時間後に第1回の対策本部会議を開催、3時間後に第2回目を開催、5時間後に第3回目開催をルール化して対応しているとのことです。
秋田県として、学ぶ点が多々あります。

●2日目(10/12)は島根県庁福祉保健部子ども・子育て支援課を訪問し教えていただきました。下記が内容です。
■少子化対策として、県として、⓵気運醸成の取り組み、②制度面での取り組み、③経済的支援の取り組み、④女性活躍視点での取り組み(ライフワークバランス)、⑤民間企業支援の取り組み等を全庁挙げ行っている。
■“安心”の醸成(気運醸成)については、マイナス面(結婚はリスク、ワンオペ育児で女性は大変、親の姿を見ていると大変など、前向きになれない)情報が氾濫していることへの払拭をし、「子どもを産み育ててもいい」との機運の醸成のために、結婚・出産につながることを目指し、平成26年から講座開設事業を開始する。種類は3つ。①集中学生向け、②高校・大学生向け、③社会人向け。その中で、結婚するとき(時期)のイメージの醸成(考えるきっかけづくり)を行っている。
・小中高校生向けには、授業の1コマとして、「生の学習」として助産婦による講座を年間200の応募に対して160回実施。
・さらに、高校生・大学(県内2大学)生向けを実施(高校・大学と連携)。
・本年度からは、社会人向けに、保険会社のファイナンシャル・プランナーによる経済的ライフプランナーの相談をメインに1講座20名~40名参加で、土日を中心に年間10回程度を目標に現在4回行っている。この講座では、結婚時の収入については、1人の収入で世帯を考えるのではなく、2人で1世帯として収入を520万円で設定することにより、結婚・出産・子育てへの経済的ハードルを下げるようにしている。
・島根県の平均初婚年齢は、26歳~27歳のピークを踏まえ、男30歳・女29歳が平均となっていおり(現在は、更に年齢が上になっている)、全国平均よりも年齢が低い割合で結婚されている。これは、先の高校生への講座の影響もあると考えている。
■制度面での取り組みとして、保育事業では、国の基準で行った時の待機児童数ゼロは達成できているが、実際の「家の近所に保育所が無く、しぶしぶ在宅で保育している」等の潜在待機児童数は思うほど減少はしていない。その中にあって、就学後の学童クラブの受け入れ数を望む声が大きく、学童クラブ数の拡大、時間延長を実施している。
・医療費に関しては、各市町村と一緒に徐々に学年(年齢)を令和3年度から引き上げている。
■民間企業支援への取り組みとしては、島根県の特徴として、女性の就業数の構成において、一般に下がる35歳前後を中心に就業数の低下がなく仕事をしている。これは、仕事を続けていたいとの女性の思いと共に、結婚しても働かなければならないという経済事情の反映にあると考えている。一方で行政・民間問わず職場環境の整備も多くの事業者の協力を得て実現されている(子ども・子育て支援課以外の部署で推進)。また、復職時の支援も民間企業に行っている。
■経済的支援については、県・県内28市町村と共同で進めている。
■第3子以降出生数について、島根県は、3世代入居世帯は高く、祖父母が孫を見ることが可能であることも安心感を醸成し、第3子以降が多い要因となっている。但し、島根県西部の中山間地は保育所の数も減ってきており、厳しい状況にあるとのこと。
島根県における結婚前の結婚・出産・子育てへの安心感(気運)の醸成づくりへの取組、民間と一体となっての取組等学ぶ視点・事項が多くあると感じた。しっかりと本県でも取り組んでいきたい。




