昭島市 平成30年6月 定例会(第2回)
6月18日
◆12番(赤沼泰雄議員)
おはようございます。ただいま議長より御指名をいただきましたので、通告に従いまして順次質問させていただきます。
「私たちが抱える問題は、人間がつくり出したものだ。したがって、人間が解決できる。人間の理知と精神は、解決不可能と思われることもしばしば解決してきた。これからもまたそうできると私は信じている」。これは、アメリカのジョン・フィッツジェラルド・ケネディ大統領が1963年にアメリカン大学で行った演説の中の有名な言葉であります。今回の一般質問は、そうした観点に立って行わせていただきます。
先日の一般質問で荒井議員も触れられておりましたが、今月12日に、アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がシンガポールで史上初の米朝首脳会談を行いました。アメリカが主張する「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を、北朝鮮が受け入れるかどうかが最大の焦点でありましたが、共同声明では「朝鮮半島の完全な非核化」にとどまり、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」の文言は盛り込まれず、期待外れの感は否めませんでした。非核化の作業をいつから始め、いつ終えるのか、また核兵器や核物質をどう処理するのか、全ての工程をどのように検証するのか、こうした具体的な道筋も不透明なままであります。
しかしながら、新しい関係の構築に向けた一歩を踏み出したことは紛れもない事実であります。今回の会談がきっかけとなって、北朝鮮の完全な非核化とともに、日本人拉致問題の解決に向け、具体的に前進することを期待するものであります。
それでは、初めに大綱1問目、水と緑の基本計画についてお伺いいたします。
「武蔵の国をつらぬきて 流るる川の清き名を おいてそびゆる学舎に」、これは私の母校である玉川小学校の校歌の一部であります。市内の小中学校の校歌の歌詞には、多摩川など昭島の自然環境のことがうたわれておりますし、昭和49年に制定した昭島市民憲章の1項目めも「ふるさとの自然をまもり 緑と花をそだて 美しいまちをつくります」となっております。そのように多摩川や地下水に象徴される水と緑豊かな自然環境は、昭島の市民生活になくてはならない重要な要素であり、将来の世代に引き継いでいかなくてはなりません。
昭島市は、平成14年、人と自然の共生を目指し、潤いのある環境を守り、育てるための環境政策の柱として環境基本計画を策定し、環境問題を市政の重要な課題と位置づけました。また、平成23年には水と緑の基本計画を策定し、「水と緑と人々のふれあいを大切にするまち」を将来都市像として各施策を展開してまいりました。
そこで、まずお伺いいたしますが、昭島の自然環境を将来の世代に引き継いでいくために、今後どのように取り組んでいくのでしょうか。基本的な考え方で結構ですのでお聞かせください。
次に、細目の2点目、環境教育についてお伺いいたします。
これから夏に向けて、特に夏休みを迎える子どもたちは、休み期間を利用して川や海へと出かける機会も多くなります。警視庁によりますと、昨年の7月、8月の2カ月間における水難事故の発生件数は511件で、水難者は647人、そのうち中学生以下の子どもは130人で、20.1%に上ります。死者・行方不明者について、発生した場所別に見てみると、全体では海が58.3%で6割近いのに対し、子どもの死者・行方不明者に限定すると、河川が50%と半数に上ります。ちなみに、過去5年間を見ても、水難事故で亡くなった子どもの発生場所は、やはり河川が半数前後と最も多くなっております。
河川敷にあるくじら運動公園や大神グラウンド等でそれぞれのスポーツを楽しむ子どもたちの姿に比べると、川で遊ぶ子どもたちの姿が極端に少なく感じているのは私だけでしょうか。正確ではないかもしれませんが、特に小学校などでは、川に近づかないよう指導されているという話も聞いております。危険があれば、その原因を取り除くという発想は間違いではないにしても、結果として河川での死亡事故が多いのであれば、むしろ川での楽しみ方や怖さを正確に伝えることのほうが重要なのではないでしょうか。
そこでお伺いいたしますが、多摩川を抱える自治体として、川の楽しさや危険性も含めて、子どもや市民の皆様を対象に、多摩川を活用した環境教育、あるいは体験学習などを行うことについて、市はどのようにお考えでしょうか。現状の取り組みとあわせてお聞かせください。
次に、細目の3点目、生態系保持の取り組みについてお伺いいたします。
この中にもごらんになったことがある方がいらっしゃると思いますが、住民や自治体などの要請を受けて、各地にある池の水をポンプで抜き、水質の改善や外来種駆除などを行うテレビ番組があります。当初は不定期放送の特番としてスタートした番組でありますが、ことし4月からは月1回のレギュラー放送になったことだけでも、人気の高さをうかがい知ることができます。
池の水を抜くという個人ではできない非日常体験を通し、気軽に楽しみながらも、好奇心を満たしてくれるこの番組は、私も好きでよく見ますが、特に私が番組を通じて感じていることは、可視化、見える化、認識することの重要性という点であります。私自身、コイやクサガメなどが外来種であることや、在来種のヌマガイという二枚貝の存在、あるいは準絶滅危惧種に指定されているニホンイシガメが意外と生息していることなども、この番組を通じて知ることができました。私以外にも、この番組によって、在来種や外来種、特定外来生物に対する認識や関心が高まった方は多いのではないでしょうか。
テレビ番組と直接関係はありませんが、ゴールデンウィーク初日の4月29日には、多摩川漁業協同組合昭島支部の皆さんが、多摩川においてブラックバスの駆除を目的とした刺し網漁を行いました。私も三田議員とともに組合員の一人として参加をしたのですが、私自身、刺し網漁というのは初めての経験であり、一体何がとれるのだろうと期待しながら当日を迎えました。
刺し網漁では、40センチほどのコクチバスの成魚が1匹と、そのほかにはナマズやコイなどがとれました。そのほかに川岸でコクチバスの稚魚を400匹ほど網ですくい、駆除は終了となりました。このような活動が行われていることは、組合に加入しなければ知り得ませんでしたが、広く呼びかければ、参加を希望する人も少なくないのではないでしょうか。
また、話は変わりますが、昭島市では外来植物のナガミヒナゲシやオオキンケイギクを初めとする植物の特定外来生物の駆除のお願いをホームページで呼びかけられております。実は私も、ホームページに載る直前に、知り合いの方から「市としてナガミヒナゲシを積極的に駆除すべきではないか」との指摘を受けましたが、その時点では、「ナガミヒナゲシって何」というほど全く知識を持ち合わせておりませんでした。その後、どのような植物なのかを教えていただき、改めて足元を見てみると、あちこちに咲いているのを見ることができました。続けざまに何本か抜いた後に、ふと考えたのですが、何も知らない人がこの姿を見たら、どのように思うのだろうか。「いい年をしたおっさんが、健気に咲いている可憐な花を抜いている」、そのように見えるのではないかと、思わず手をとめてしまいました。しかし、ナガミヒナゲシは至るところで目にします。本気で駆除を考えるならば、やはり人海戦術に頼るしかありません。
動植物に関心のある方々、特に環境学習講座に参加されるような方々は、外来生物や特定外来生物に対する専門的な知識をお持ちかもしれませんが、そうではない方々も巻き込みながら、より多くの方々にこの問題を知っていただき、かかわっていただき、行動につなげていただくためには、その導入部分では娯楽性も大切なのではないでしょうか。楽しみながらも結果的に学ぶことになり、行動につながっていく、そのような取り組みを考えるべきではないでしょうか。
そこでお伺いいたします。先ほど一つの例として漁協の取り組みを紹介させていただきましたが、民間団体が行っているイベントや取り組みとタイアップしながら、生態系保持の取り組みにつなげていってはいかがでしょうか。市の御所見をお聞かせください。
大綱2問目、個別施設計画についてお伺いいたします。
公共施設の更新問題は、財政的な側面だけではなく、特に東日本大震災以降、人命にかかわるという側面がクローズアップされるようになったのではないでしょうか。その象徴的な出来事が、千代田区九段会館の天井の一部が崩落した事故でありますし、翌2012年12月の中央自動車道の笹子トンネル天井板落下事故であります。
事故は私たちの都合や想定に合わせてくれませんので、公共施設の更新は、事故が起こる前にできることから始めなければならない、喫緊の課題であります。平成26年に総務省より、全国の地方公共団体に対し、公共施設等総合管理計画の策定が要請されました。さらに、平成28年11月7日には、「公共施設マネジメントの一層の推進について」において、計画の不断の見直しや施設の集約化、複合化を進めている取り組みの事例集の活用など、積極的な取り組みを促しております。
昭島市においては、昨年3月に公共施設等総合管理計画が策定され、再来年までに個別施設計画を策定予定とお聞きしておりますし、全国的に見ても、本年3月31日の時点で、市区町村においては99.6%の自治体において、公共施設等総合管理計画が策定済みとなっております。今後は全国の自治体で計画を実施する段階に入ってまいります。
一方で、先駆的に公共施設台帳や再配置計画を策定して取り組んできた自治体であっても、施設の面積や経費の削減という観点では計画どおりに進んでいないところも少なくないようであります。計画どおりに進んでいない自治体と先駆的に取り組んでいる自治体の大きく違う要因の一つは、この問題に対する首長の熱意の違いにあるとの指摘もありますので、臼井市長の熱意に大いに期待しているところであります。
同時に、もう一つの要因は担当者の熱意だそうです。公務員は、さまざまな角度から自治体の状況を理解・把握できる力を養うために、四、五年程度で部局を異動しながら、幅広い分野の業務に携わり、いわゆるゼネラリスト公務員として活躍できるような人材育成がなされているようであります。しかしながら、全員がゼネラリストの集団は、最悪の場合、何の取り柄もない、金太郎あめ集団になってしまうリスクがあるとの指摘もあります。逆に、強い組織とは、多様性のある、バランスのとれたスペシャリスト集団であるとも言われております。公共施設の更新問題を計画倒れとしないためには、ゼネラリストよりもスペシャリストが必要なのではないでしょうか。
そこでお伺いいたしますが、面積縮減に向けた今後の具体的な取り組みとともに、個別施設計画、公共施設等総合管理計画にかかわる担当者をスペシャリストとして育成する観点で、任期を10年程度として、面積縮減を具体的に推進できるような体制づくりを行うべきではないでしょうか。市のお考えをお聞かせください。
私の質問は以上です。
◎臼井市長
おはようございます。定例会3日目、よろしくお願いいたします。そして、木﨑議長のお話もありましたけれども、地震、大変心配しております。地震大国の日本ですから、本当にいつ起こるかわからないということで、引き締めて取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
赤沼泰雄議員の一般質問にお答えいたします。
私からは、水と緑の基本計画についてのうち、細目1点目、基本的な考え方について御答弁申し上げ、他の御質問につきましては担当部長より御答弁申し上げますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
本市においては、環境との共生をまちづくりの大事な大事な理念の一つとしております。この理念のもと、かけがえのない環境を将来にわたって維持していくことにより、人とまちが調和したまちづくりを進めているところであります。先般、6月16日土曜日に環境未来会議が開催され、高校生を初め、一般の方々が参加されて環境問題に取り組まれました。おおたけ議員も参加いただいて、ありがとうございます。しっかりとそうした裾野を広げていくということが、一歩一歩、環境に対する共生を掲げている市として大事な取り組みだと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
平成14年には環境政策の柱として環境基本計画を策定し、「美しい水と緑を将来の世代に」を基本理念として、環境問題を市政の重要な課題と位置づけ、取り組んできたところであります。さらには、平成23年には水と緑の基本計画を策定し、「水と緑と人々のふれあいを大切にするまち」を将来都市像として各施策を展開してきております。
水という面においては、市域内を、赤沼議員御指摘のとおり、多摩川を初め、玉川上水、昭和用水などの多くの水路が流れ、初夏には蛍も飛び交う美しい水に触れることができます。緑という面においては、南に多摩川河川敷の緑地や崖線緑地、北には玉川上水周辺の緑地の3つの連続したグリーンベルトがあり、また武蔵野の雑木林の面影が残る樹林も数多く見ることができます。一方、宅地開発が進み、自然環境が減少していることも事実でありますが、市といたしましては、水と緑に代表される豊かな環境を将来の世代へと引き継いでいかなければならないと強く認識しているところであります。
いずれにいたしましても、市内の貴重な水と緑は、「住んでみたい、住みつづけたい昭島」の実現に向け、大変重要なまちの特性を担っておりますことから、今後のまちづくりを進めていく上においても、環境基本計画及び水と緑の基本計画に沿い、昭島大好きと市民の皆様に思っていただけるような各施策の展開を進めてまいりたいと思いますので、また御支援、御協力、また御指導をよろしくお願いいたします。
◎池谷環境部長
御質問の1点目、水と緑の基本計画について御答弁申し上げます。
初めに、環境教育についてであります。
本市には、多摩川や用水路など多くの親水空間があります。特に多摩川は、流域の中流部に当たり、穏やかな流れと、ナメと呼ばれる河床など、地形的にも変化に富み、また多種多様な生物や植物の生育の場となっております。このような自然の宝庫を環境教育や体験学習の場として活用していくことは、子どもたちや市民の皆様が本市特有の自然の豊かさに接し、自然環境に対する理解を深める機会として大変意義があるものと認識いたしております。
一方、水の事故等、さまざまな危険がありますことから、小中学校等においては、子どもだけで川に近づかないよう指導している現状もございます。
こうした中、市におきましては、環境学習講座を開催し、多摩川での自然観察等のプログラムを実施しているほか、各種団体主催によるカヌー教室等、事業への協力、夏の多摩川上流域親子源流体験等を通じ、多摩川を活用した環境学習や体験ができるよう努めているところであります。引き続き、教育委員会を初め各種団体との連携を密にするとともに、国や流域自治体等との連携を図りながら、多摩川を環境教育や体験学習の場として活用する事業展開について検討してまいります。
次に、生態系保持の取り組みについであります。
現在、市内においては、アライグマ、ブラックバス、オオキンケイギク、アレチユリ等、特定外来生物、ハクビシン、ナガミヒナゲシ等、外来生物の生息が多く確認されており、これらの生物は、日本固有の生態系を崩し、在来種等への脅威となることから、市ホームページ等で駆除について啓発を重ねているところであります。
一方、多摩川流域全体においては、ピラニアやアロワナ、ワニガメを初め、およそ200種類もの熱帯産の生物が捕獲されたとの報告がございます。これらの生物は、飼育をしていた方が飼うことができなくなり、放したものと考えられ、熱帯魚を含む生物の終生飼養等についても、今後、市ホームページ等で啓発を図ってまいります。
市といたしましては、地域固有の生物多様性を維持する観点から、こうした啓発に加え、生態系保持のための新たな取り組みを行うことについては大変意義あることと認識いたしており、秋川漁業協同組合、多摩川漁業協同組合を初め、各種団体等とどのように共同していくことができるのかということについて、今後検討してまいります。
◎山下企画部長
御質問の2点目、個別施設計画について御答弁申し上げます。
初めに、個別施設計画策定に向けた今後の具体的な取り組みについてであります。
公共施設等個別施設計画につきましては、昨年3月に策定いたしました公共施設等総合管理計画に基づき、平成31年度の策定を目途に鋭意進めてまいりたいと考えております。
面積縮減などへ向けました今後の具体的な取り組みでありますが、施設類型の特性を踏まえる中で、短期目標期間に取り組む施設について、その方向性を検討いたしますとともに、個別施設計画の策定支援業務委託を実施し、専門的な知見を用いながら個別具体な方針を定めてまいりたいと考えてございます。
執行管理を行う庁内の体制といたしましては、理事者、部課長職から成る庁内検討委員会及び各施設を所管し、実務に当たっている係長職から成る庁内検討部会を設置いたしたところでございます。こうした連携体制を構築することにより、庁内横断的に情報の共有が図られますとともに、単に財政負担の軽減にとどまらず、各施設の担う役割や課題等を明確にし、それを踏まえた上で、公共施設の適正保有量やサービス業務の展開に至るまで具体的に検討することが可能になるものと考えております。
同時に、全庁横断的に連携する体制により、計画に実効性を持たせることが可能になるものとも考えております。
また、個別施設計画策定の過程におきましては、市民説明会などを開催し、市民の皆様からの御意見なども伺いながら、合意形成が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
なお、個別施設計画のもととなる総合管理計画につきましても、個別施設計画策定の進捗に合わせ、次期総合基本計画との整合性も考慮し、平成32年度におきまして改めて見直す予定となっております。
次に、本計画を確実に遂行するため、任期を10年程度とするスペシャリストを育成すべきではないかについてであります。
長期にわたる事業を進めていく上で、スペシャリストの育成は一つの手法であると認識いたしております。しかしながら、スペシャリストとゼネラリストには、双方が持つメリット・デメリットがあり、一概にどちらのほうがよいとはっきり決められるものではないと考えております。しかしながら、その時々の条件により、結果的に長期間にわたり同一職務に従事する職員が生まれることもございますので、スペシャリスト、ゼネラリストと決めつけずに、今後の検討課題とさせていただき、まずは全庁を縦横に連携した体制で、計画倒れとならないよう臨んでまいりたいと存じます。
