昭島市 平成30年9月 定例会(第3回)
8月31日
◆12番(赤沼泰雄議員)
おはようございます。
ただいま議長より御指名をいただきましたので、通告に従いまして、順次質問させていただきます。
それでは早速、大綱1問目、1問目というか、私の場合1問しかないんですけれども、小中学校の体育館について、細目の1点目として、児童・生徒の生命を守る取組みについてお伺いいたします。
今週の水曜日から新学期が始まりました。身長も少し伸び、日やけによって一層たくましく見える小中学生が元気に登校していく姿を見送りながら、ぜひとも健やかに育ってほしいという思いが改めて込み上げてまいりました。しかしながら、全国に目を向けて見ますと、ことしの夏も海や川で事故に遭い、残念ながらとうとい命を失ってしまった子どもたちも少なくありません。
また、水難事故ではなくても、6月18日の大阪北部地震で、小学校4年生の女子児童が学校のブロック塀の下敷きになって亡くなるという大変痛ましい事故もありましたし、それから1カ月後の7月18日には、愛知県豊田市で校外学習に参加していた小学1年生の男子児童が教員がそばについていたにもかかわらず、重度の熱中症である熱射病で亡くなるという大変ショッキングな事件も起きてしまいました。亡くなった男子児童のほかにも女子児童3人が不調を訴え、そのうちの1人は午後になって嘔吐したという報道もありました。改めて亡くなられたお子さんたちの御冥福をお祈りするものでございます。
それから5日後、全国各地で記録的な猛暑が続き、埼玉県越谷市や青梅市など、各地で40度超えを観測した7月23日、気象庁は会見で命の危険がある暑さ、一つの災害と認識していると表明いたしました。ことしの夏がいかに暑かったかといっても、まだ終わったわけではありませんので、いかに暑いのか、一つのデータでお示ししたいと思いますが、私が注目したのは、熱中症の症状で救急搬送された人数であります。
消防庁によりますと、熱中症の症状で4月30日から7月29日までの3カ月間に救急搬送された人数は全国で5万7534人になり、昨シーズンの5月1日から9月30日までの5カ月間ですが、この5万2984人を7月末の時点で既に上回っております。そして、2008年の集計開始以降、1シーズン当たりの搬送者数が最多だったのが2013年6月1日から9月30日の5万8729人だったわけですが、今シーズンは8月26日の速報値で8万9305人と、これを大きく上回り、過去最高を更新しております。
発生場所別では、庭などを含む住居からの搬送が3万6243人で、全体の40.6%を占めておりますが、学校などの教育機関も5896人で6.6%に上ります。小中学生がこのうち何名なのかという内訳は示されておりませんでしたので、わかりかねますが、豊田市のような事故は全国のどの学校でも起こり得る問題であり、児童・生徒が1日の大半を過ごす学校が必ずしも安全な場所とは言い切れない昨今の状況になってきているのではないでしょうか。
そこで、まずお伺いいたしますが、ことしの連続猛暑日のように、これまで経験したことない環境の変化の中で、いかにして児童・生徒の命を守っていくのか、基本的な考え方についてお聞かせください。
熱中症を防ぐための対策の第一は、脱水症を起こしやすい環境に注意を配ることであります。熱中症は体液の不足で起こる障害、あるいは体温上昇で起こる障害の総称で、人間が本来持つ体温調節機能が働かなくなって、さまざまな体の臓器に障害があらわれる状態であります。
通常は高温の環境で運動や労働を行うと体温が上がり、体温を下げるために発汗が起こります。汗は蒸発するときに気化熱を奪うので、体温を下げる働きがあります。しかし、発汗で体液が失われるため、適切に補給しないと、体での栄養素、酸素、老廃物の出し入れが滞り、さまざまな障害が起こります。これが脱水症と言われるものだそうです。
それが悪化し、人間が本来持つ体温調節機能が働かなくなって、さまざまな体の臓器に障害があらわれる状態が熱中症でありますが、小学生低学年の児童は、大人に比べるとその調節機能が完全ではありません。また、小学校高学年や中学生は、ほぼ大人に近い機能を持ちますが、学校の行き帰り、初めてのクラブ活動、野外活動など、人生において最も運動量が激しくふえる時期を迎えます。体が体温を調節することに十分になれていない状態での運動量の増加ですので、脱水へのリスクが大きいと考えなくてはいけません。
加えて、地球温暖化やヒートアイランド現象、あるいは近年の節電リスクなどに加えて緑の減少など、生活環境も私が子どものころとは比較にならないほど変化しており、小中学生の脱水へのリスクは大きくなり続けております。
教員の方々は、それぞれが大変に努力をされて、子どもたちの健康に気を使われていることと思いますが、全ての指導者が化学的裏づけ、あるいは医学的知識を持って、彼らの健康を管理することは、物理的に不可能であると思います。
そこで、必要になるのが判断の基準となる指標や指数であります。
以前、三田議員も触れておられたようですが、暑さ指数という熱中症を予防することを目的として、1954年にアメリカで提案された指標があります。湿球黒球温度のことで、WBGTと訳されるそうでありますが、単位は気温と同じ摂氏度、℃で示されますが、その値は気温とは異なります。
暑さ指数は人体と外気との熱のやりとりに着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい気温、湿度、輻射熱の3つを取り入れた計算によって出される指標であります。指数によって4段階の基準に分かれますが、暑さ指数が28℃の厳重警戒を超えると、熱中症患者が著しく増加すると言われております。今はさまざまな計測器も簡単に入手できるようですので、体育館など、室内でのクラブ活動だけでなく、屋外活動も含め、運動量の多い小中学生の熱中症対策としてぜひ活用していただきたいと思います。
終業式の日まで連日猛暑が続き、学校によっては終業式を体育館で行わず、普通教室での放送で対応したという話も耳にしましたが、特に7月中の授業における体育館使用について、またさまざまな対応の判断基準など、学校ごとの熱中症対策はどのようになっているのでしょうか、実態についてお聞かせください。
同様に、放課後子ども教室における体育館使用やさまざまな対応の基準など、学校ごとの熱中症対策はどのようになっておりますでしょうか。学校教育部と子ども家庭部で情報を共有しながらの対応になっているのかどうかも含めて、実態についてお聞かせください。
文科省によると、平成29年年4月1日現在の公立小中学校普通教室のエアコンの設置率は49.6%、体育館ではわずか1.2%にとどまっております。また、自治体間で設置状況に開きがありますが、東京都だけで見てみますと、普通教室の設置率は99.9%、体育館では8.4%の設置率となっております。
昭島市も防衛の補助事業として早い段階から、たしか私の記憶では私が小学生の時代だったと思いますけれども、小中学校の校舎への空調設備が設置されてまいりましたが、体育館には設置されておりません。学校の体育館以外にも総合スポーツセンター、美堀体育館などがありますが、そうしたところにも設置はされていないようであります。しかしながら、昨今の異常気象のもと、体育館で部活中の中高生が熱中症と見られる症状を訴え、病院に緊急搬送されるという報道は毎年のように行われております。たまたま昭島市でなかっただけで、いつ市内の小中学校で起こらないとも限りません。
そこで、お伺いいたしますが、小中学校の体育館へのエアコン設置について、その必要性に対する認識と導入に対する考え方をお聞かせください。
細目の2点目として、災害時の活用についてお伺いいたします。
7月の西日本豪雨の被災地に対し、政府は被災した自治体からの要請を待たずに、国が送り先や支援物資を決めて送るプッシュ型支援を行いました。経済産業省からそれぞれの被災地に合計で約280台のクーラーが届けられ、それまで扇風機で暑さをしのいでいた被災者から大変喜ばれている様子も報道されておりました。
地震や津波はもちろん、この数年は異常気象が常態化し、毎年のように大規模災害が起こるようになってきております。東日本大震災で話題になった想定外に対する対応の必要性は、大型台風やゲリラ豪雨、竜巻などにより家屋が甚大な被害をこうむり、一時的にでも避難生活を余儀なくされる事態を想定せざるを得ない状況となっております。
その場合の多くは、避難所として小中学校の体育館が指定されておりますが、一昼夜程度の避難であれば何とか過ごすことはできても、数日から数カ月を過ごすことを余儀なくされた場合は、災害による直接的な被害と同時に、トイレなどの設備の不備による身体的、心理的なストレスなど、間接的な被害の増大が考えられます。避難所として数日間以上の期間を過ごすことを想定すると、滞在に耐え得る最低限の設備という観点から、絶対に必要となってくるものは、トイレ、シャワー室、更衣室、そして無線などの連絡装置が考えられますが、現在学校の体育館はトイレは設置されているものの、シャワー設備や更衣室などを設置をしてある学校体育館はないのではないでしょうか。
阪神・淡路大震災、東日本大震災、またそれ以外の近年の大規模災害においても、簡易トイレや仮設風呂の設置、冷暖房機能の問題など、避難所における課題はその都度指摘されてきましたが、長期にわたる避難所生活は例外的な事例との認識のためか、避難所としての小中学校の体育館に整備すべき必須設備という観点からは、私も含めて十分な検討が行われてこなかったように思います。しかしながら、異常気象の常態化が懸念される近年の状況を考えると、小中学校の体育館の機能はどうあるべきか、改めて見直す時期を迎えているのではないでしょうか。
そこで、確認の意味でお伺いいたしますが、避難所として市内小中学校の体育館を活用する場合、特に冷暖房機能面で具体的にどのような対応がとれるのでしょうか、現状と今後の課題についてお聞かせください。
避難所としての機能という観点から考えられた事例ではありませんが、スポーツ活動の拠点でありながら、避難所機能という面でも理想的といえる設備を備えた体育館を整備した事例があります。
愛知県半田市の成岩中学校では、老朽化した体育館を建て替える際に、地域共同利用施設として、体育館とクラブハウスの複合施設を建設しました。NPO法人を指定管理者として、施設の管理運営を委託しておりますが、中学校は最優先で授業や学校行事に施設を利用でき、それ以外の時間を市民に開放するという事業内容となっております。1階にバスケットコート2面がとれるアリーナとサブアリーナ、2階には更衣室とカフェテリア、3階には広い浴室と会議室、そして屋上にはテニスコートも設置され、地域のスポーツ活動の拠点として大きな成果を上げております。
昭島市においても、そうした事例などを参考にしながら、冷暖房機能も含めて小中学校の体育館の避難所機能を充実させていくべきではないでしょうか。
私の質問は以上です。
◎臼井市長
赤沼泰雄議員の一般質問にお答えいたします。
私からは小中学校の体育館についてのうち、細目1点目、児童・生徒の生命を守る取組みについての基本的な考え方について御答弁申し上げ、他の御質問につきましては、担当部長より御答弁申し上げますので、よろしくお願いします。
私は、将来の昭島を担う児童・生徒が1日の大半を過ごす学校は、安心して学ぶことができる安全な場所でなければならないと考えております。しかしながら、時として学校の安全を脅かす災害等が発生する場合もあります。
先般、今夏の猛暑を受けて、気象庁は異例の会見を開き、40度前後の暑さはこれまで経験したことのない生命に危険があるような暑さ、一つの災害と認識していると伝えております。そのような災害等に備え、学校においては、適切かつ確実な危機管理体制を確立しておくことが必要です。
学校における危機管理の最大の目的は、児童・生徒及び教職員の生命や心身等の安全を確保することであります。そのためには、平常時から安全な環境を整備するとともに、敏感に危険を察知し、災害等を未然に防ぐための事前の危機管理、発生時に適切かつ迅速に判断、対処し、災害等を最小限に抑えるための発生時の危機管理、心のケア、再発防止を図る事後の危機管理の3段階の危機管理に対応して、安全管理と安全教育の両面から取り組みを行う必要があると考えております。
一方で、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、地方公共団体の長と教育委員会との連携の強化を図るため、総合教育会議の設置が地方公共団体に義務づけられ、本市においても同会議を設置し、昭島市教育に関する大綱を制定しております。この大綱の基本方針の中にも、教育環境の整備を掲げているところでございます。
このような中で、私といたしましては、児童・生徒の生命を守るための学校の安全管理については、教育委員会とも十分連携を図り取り組んでまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◎高橋学校教育部長
御質問の小中学校の体育館についてのうち、1点目の児童・生徒の生命を守る取り組みについて、御答弁申し上げます。
初めに、7月中の授業における体育館使用について、基準や学校ごとの熱中症対策についてでありますが、熱中症対策につきましては、平成30年5月29日付で、教育委員会から、熱中症は児童・生徒の健康や生命に甚大な影響を与えることを十分認識した上で、健康管理を適切に行うことなどを全小中学校に通知し、熱中症による事故防止の徹底を図ってまいりました。特に運動を行う場合には、公益財団法人日本体育協会発行の、スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブックの熱中症予防運動指針に基づき、暑さ指数(WBGT)が31度以上、もしくは気温が35度以上になった場合は、原則中止をしております。また、校庭や体育館で実施する行事につきましても、冷房のきく教室に変更して実施するなど、適切な対策を講じてまいりました。
1学期の終業式におきましても、体育館の状況を確認した上で、式の時間を短縮したり、校内放送を利用しながら各教室で実施したほか、夏季休業日中の部活動については、教育委員会と中学校長会において熱中症事故の未然防止のための取り組みについて協議、確認をし、暑さ指数(WBGT)の測定器の貸与などをするなど、事故防止に努めてまいりました。
次に、7月中の放課後子ども教室における体育館使用について、基準や学校ごとの熱中症対策についてでありますが、放課後子ども教室につきましては、富士見丘小学校を除いて体育館を利用して実施しております。体育館利用の基準は特に設けておりませんが、学校と情報を共有しながら、想定し得る範囲での熱中症対策を実施してまいりました。
なお、1学期終了時まで、放課後子ども教室における熱中症等の報告はございません。
次に、小中学校の体育館の冷房設置についてでありますが、小中学校の体育館は体育の授業や部活動、また災害時の避難所として利用するなど、重要な役割を担っております。体育館の冷房設置は、猛暑日における安全対策として非常に有効な施策であると認識しておりますが、イニシャルコスト及びランニングコストを考慮いたしますと、財政的には非常に厳しい状況にございます。今後も引き続き市長会や教育長会を通して、財政支援を国及び東京都に要望するとともに、国や東京都の動向を注視する中で研究、検討してまいります。また、熱中症のさらなる予防対策が必要であると考えておりますことから、大型扇風機や大型冷風機の導入など、さまざまな角度から検討してまいります。
次に、御質問の2点目、災害時の活用について、御答弁申し上げます。
初めに、避難所となった場合の対応についてでありますが、避難者の健康確保のため、昭島市地域防災計画に基づき、扇風機やスポットクーラーの設置等、暑さに考慮した対策を検討することとしております。
次に、愛知県半田市の中学校体育館とクラブハウスの複合施設についてでありますが、御提案いただいた愛知県半田市の取り組みにつきましては、地域に住んでいる皆様が主体となって、生涯スポーツ社会の実現に向けて運営をしている、総合型地域スポーツクラブが基盤となっております。そのため、市民の皆様のボランティアマインドや会員からの会費など、会員自身がお金と労力と時間を提供し合って築いている仕組みと理解しております。
本市といたしましては、体育館を学校、地域共同で利用する新たな取り組みであると考えておりますが、地域の皆様の協力運営体制や学校教育との連携などもありますことから、今後研究してまいります。
◆12番(赤沼泰雄議員)
ただいま一定の答弁をいただきまして、ありがとうございます。
意見だけちょっと述べさせていただきたいと思いますが、今答弁の中でさまざま御答弁いただく中で、財政的なというお話もありました。私も”そうは言ってもない袖は振れない”ということで、財政的な問題というのは大変何をやるにしても大きな問題であると思っていますので、そこは理解はするところなんですけれども、その上で先ほど市長のほうも引用されていました気象庁の命の危険がある暑さ、また一つの災害と認識しているというそのお言葉がありましたけれども、私自身も含めて、もし仮に市内の小中学校で1人でもお子さんが亡くなるような事態になったときには、財政的なということで片づけられない問題となってしまうと思いますので、学校施設環境改善交付金ということで、何か国のほうの3分の1負担という交付金であったりとか、そういったものの活用であったり、またあるいは本格的な形ではなくても、既存施設にコンテナハウス的な附属棟を設置して、その中に更衣室だとかシャワー室、事務スペースなどをつくったりとかというような、そういうあらゆる方法を考えていただきながら、この問題に取り組んでいただければということを意見として申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
