昭島市 平成29年6月 定例会(第2回)
6月15日
◆12番(赤沼泰雄議員)
こんにちは。ただいま議長より御指名をいただきましたので、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。
初めに、大綱1問目、持続可能なまちづくりについてお伺いいたします。
教育者であり、私の出身大学である創価教育学を打ち立てられた牧口常三郎先生の言葉に、「認識なくして評価なし」というものがあります。私の好きな言葉の一つであり、自身の行動規範として肝に銘じている言葉でもあります。個人的には、市長が議員時代から何度となく引用されております「飛耳長目」にも通じる言葉だと解釈しております。
さて、昨今の我が国を取り巻く情勢は、人口減少・超高齢社会の到来、多発する自然災害への対応、グローバル経済の中での我が国の経済動向等々、目まぐるしく変化をしております。その中にあって、持続可能なまちづくりを確固たるものにするためには、正確な情報に基づく現状認識と、それをもとに構築をした施策の推進なのではないでしょうか。
それでは1点目として、生産性向上の取り組みについてお伺いいたします。
皆さんは、「新・所得倍増論」という本をご存じでしょうか。所得倍増といえば、昭和35年に池田内閣が掲げた長期経済政策で、10年間で国民1人当たりの消費支出を2.3倍に拡大した国民所得倍増計画が思い浮かびます。所得倍増、高度経済成長期、右肩上がりなど、私にはプラスのイメージしかわいてこないタイトル名と、著者がデービット・アトキンソンという外国人であるということに興味を覚えて読んでみました。さまざまな評価があることと思いますが、アナリストとしての経験からデータをもとにした指摘には説得力があり、大変興味深い視点でありましたので、多少長くなるかもしれませんが、内容を紹介させていただきながら、質問につなげてまいりたいと思います。
著者が日本にやってきたのは、バブル直前の1985年。そのころ日本は既にGDP総額で世界第2位の経済大国で、日本じゅうに自信がみなぎっているのを感じたそうであります。その後、中国に抜かれて第3位となっておりますが、世界190以上の国がある中での第3位は大変すばらしいことであると言っております。しかしながら、日本の輸出額世界第4位の輸出大国、製造業生産額世界第2位のものづくり大国、研究開発費世界第3位の科学技術大国、ノーベル賞受賞者数世界第7位の文化大国等にみられる、全体で第◯位という表現に対して、疑問を投げかけております。
例えば、100億円の利益を上げている会社でも、従業員100人の会社と1000人の会社では、当然ながら1人当たりの社員の豊かさや潜在能力の発揮度合いに10倍の差があるわけであります。それと同様に、日本全体で世界第◯位ではなく、国民1人当たりで世界第◯位という尺度から見た場合には全く違った風景が見えてくる、このように指摘しております。
具体的に見ますと、GDP世界第3位の経済大国の部分も、1人当たりのGDPでは世界第27位、先進国では最下位となります。国際通貨基金が発表した2016年の購買力調整後の1人当たりGDPで見た場合には第30位へと、さらに順位が下がります。
また、輸出額世界第4位の輸出大国という姿も、1人当たり輸出額で見た場合には世界第44位。製造業生産額世界第2位のものづくり大国も、1人当たり製造業生産額ではG7平均以下。研究開発費世界第3位の科学技術大国も、1人当たり研究開発費は世界第10位。ノーベル賞受賞者数世界第7位の文化大国も、1人当たり受賞者数は世界第39位、というぐあいであります。
ちなみに、アメリカの中央情報局によりますと、2015年の日本の輸出額は世界第4位でありますが、その輸出額は世界第3位のドイツの輸出額の48.3%であります。一方、日本の人口はドイツの約1.57倍ですので、1人当たりの輸出額で見ると、ドイツの約31%にすぎません。同様に、世界第5位の韓国との比較においても、日本の輸出額は韓国の1.17倍ですが、1人当たりの輸出額で見た場合には、韓国の47.3%という数字であります。
経済は人口と生産性によって構成されますので、約1億3000万の人口を擁する日本の経済規模から考えると、世界第4位という輸出額はそれほど高い実績だと考えることができないという指摘であります。
著者は、国連の調査からも、日本は労働者の質が世界一高い国であるのにもかかわらず、この程度の結果にとどめているのは、1人当たりのデータを見ずに世界ランキングが高いということだけを見て、日本は諸外国より上だと信じ込む勘違いによって成長が阻まれているためではないかと見ております。そして、能力がありながら結果がよくないというのは、潜在能力が生かされていないことを示しているのであり、日本にはまだまだ伸びしろがあるということであり、改革を実行すれば、日本は必ずやGDP770兆円、今の約2倍の平均年収1000万円というレベルの劇的な復活を果たせるはずだといいます。
そして、国民1人当たりの生産性を向上させるには、どの先進国でも当たり前として行っているように、政府は国家として経営者にプレッシャーをかけ、経営者に成長戦略の実現を求めるよう真剣に働きかけるべきであると主張しております。
歳入の確保にもつながるこうした考え方、あるいは意識改革というのは、昭島市にとっても大変意義のあることだと考え、質問をさせていただきます。
まず、こうした指摘に対する感想、あるいは認識についてお聞かせください。また、市内の各種産業の生産性を向上させるために取り組むことについて、市長としてのお考えをお聞かせください。
2点目として、行財政運営計画についてお伺いいたします。
改めて申し上げるまでもなく、各種施策を展開する上で、財源の確保は極めて重要な課題であり、その裏づけとなる将来の財政需要を見通した財政運営であります。昭島市においては、第五次総合基本計画の実現を図るため、具体的な取り組み項目を定めた第四次昭島市中期行財政運営計画を、さらにその財源的裏づけとなる中期財政計画を策定しながら、計画実現のための取り組みを推進しているところであります。
そうした中で市長は、本年の第1回定例会において、「多様化・高度化する市民の皆さんのニーズにこたえていくために、新たな行財政健全化計画を策定し、その取り組みを進め、持続可能な自主・自立の行財政運営の確立を目指してまいりたいと存じます。これまでの中期行財政運営計画の基本的な部分は堅持しつつ、本年度中に昭島市行財政改革推進会議の御意見も参考にいたしながら、基本的な考え方を定めてまいりたいと存じます」、このように述べておられました。
そこでお伺いいたします。現時点では骨子の部分しか固まっていないのかもしれませんが、堅持する部分、そして新たに取り組まれようとしている部分など、その方向性などについて、可能な範囲で結構ですのでお聞かせください。
3点目に、公共施設等総合管理計画の今後の取り組みについてお伺いいたします。
平成26年4月に総務省が公共施設等総合管理計画の策定を全国の自治体に要請したために、ほとんどの自治体が計画策定に取り組んでおります。公共施設の計画的な総合管理、いわゆる公共施設マネジメントは、白書作成や再配置計画の作成が注目される中、施設数や施設総面積の圧縮が課題とされております。その一方で、具体的に計画を進めるために、どこからどのように取り組むのかが見えないという自治体からの声も少なくないようであります。
自治体が具体的な計画の進め方に悩む要因として、取り組みの手法やレベルが施設面積の縮減という目標設定に縛られ過ぎている傾向にあることや、施設の再配置においてどの施設から進めるのかという選択の意思決定が進まない状況があることなどが挙げられております。
しかしながら、老朽化した施設の更新のための財源が確保できているのであれば、それほど注目される課題ではなかったことと思われますが、現在のように緊急課題として認識されてきた主な要因は、やはり財源不足であります。特に、近年の一般的な財政運営の傾向として、枠配分方式などのように対前年度比5%、あるいは10%と一定の割合を強制的に削減するという方法が主流でありました。その結果、経常経費の削減は限界に達した自治体が少なくないのであります。
ところが、そのように限界に達した経常経費の中で、さらに大幅な削減を実現した例があります。それは香川県まんのう町における取り組みであります。自治体においては、縦割りの所管する行政組織の施設の維持管理経費は施設ごとに予算配分がなされていて、同じような種類の契約業務が個別に契約されていることが一般的であります。まんのう町では、町内にある65の施設の保守点検業務委託を一本化することによって、前年までの契約金額総額の約2割の削減を実現いたしました。また同時に、公民連携による的確なリスク分担も実現したのであります。
町の取り組みが成功した背景には、大学院の経営学修士コースで学んだ職員が、合理的な施設整備、維持管理の手法を実践したこと。技術系の専門職員がいないことで、従来の発想に縛られない公共施設マネジメントの実践に踏み出したこと。町内に総合型ビルメンテナンス企業が存在しなかったため、町外の大手企業との対話型の発注が成立したこと。また、65という施設数は、経費削減効果の面でも、事業企画の大きさの面からも、最初に包括契約を実践するのにほどよいサイズであったこと、などが成功事例の要因として挙げることができます。
ほとんどの要因は、まんのう町に特有のものでありますが、この保守点検業務の包括委託は、まねることができる手法の典型事例となる可能性があります。実際にこの事例をもとに、千葉県流山市では、複数施設の電気工作物、浄化槽、消防用設備、自動ドアなどの保守点検を一括発注するデザインビルド型包括施設管理業務委託を実施することで、事務量の大幅な削減と1000万円を超えるコスト削減、質の向上などを図ることができております。人口20万人以下の自治体には、十分な技術系職員が配置されていない実態にあると言われ、そのような自治体においては専門性を補完しながら大幅に事務を削減することができるこうした取り組みは、十分参考になると思われます。
そこでお伺いいたしますが、まんのう町や流山市なども参考に、縦割り行政に横ぐしを通すという発想の包括的保守点検管理委託を昭島市においても検討してみてはいかがでしょうか。御所見をお聞かせください。
全庁的な課題である公共施設マネジメントは、従来型の専任担当者を二、三名配置するというような取り組み体制では、部局間の壁を超えることは難しいと言われております。これまでの企画・財政・人事部局は、各事業部局からの要求を個別に査定することで機能を果たしてきましたが、公共施設の統廃合の場合は、計画策定の部署と更新事業を実施する部署が別という縦割りの組織構造のため、思うように取り組みが進まない可能性が高いからであります。縦割り組織を超える存在である市長を軸に、効率的な意思決定の仕組みを検討する必要があるとの指摘がありますように、今後、公共施設マネジメントを推進していくためには、そうした仕組みづくりとともに、施設の概要から資金回収、工程管理までを身につけた人材の確保にも取り組まなくてはなりません。そのような人材育成も含めた人材の確保や、縦割り組織を超える効率的な意思決定の仕組みづくりの必要性と取り組みについて、市のお考えをお聞かせください。
大綱2問目の快適なまちづくりについてお伺いをいたします。
傍聴に見えられている方もおりますので、ぜひ前向きな答弁をお願いしたいと思います。
1点目として、福島第五児童遊園のトイレについてお伺いいたします。
第五次昭島市総合基本計画の第5章「基盤を築くあきしま〈快適な都市空間の整備〉」の中に、「公園・緑地には、都市生活にうるおいややすらぎをもたらすレクリエーションの場としての役割や、生態系の保全など環境保全の役割に加え、都市防災の拠点としての役割や都市景観を形成する役割などがあり、まちづくりにおいて公園・緑地の果たす役割は極めて大きい」とあります。福島第五児童遊園もまさにそのとおりで、子どもたちにとっての遊び場であるだけではなく、ウォーキングやサイクリングを楽しむ方々にとっては休息の場であり、周辺にお住まいの方々にとっては、お祭りや防災訓練等の実施を通じてコミュニティを形成するのを助ける場となるなど、その果たす役割は本当に大きなものがあります。
その児童遊園内にあるトイレは、簡易トイレのため、臭気や衛生面などから利用しづらいとの御指摘があることは、これまでに何度となく取り上げてまいりました。せっかく設置していただいても、あまり利用されないのでは意味がありません。昨年の第2回定例会での一般質問に対しては、「水洗トイレの実現につきましては、さきに設置した水飲み場の利用状況や課題などを検証しながら、国土交通省との間で協議を行ってまいります」との答弁もいただいているところであります。
改めてお伺いいたしますが、課題等の検証や国土交通省との協議など、その後の取り組み状況についてお聞かせください。
最後に、多摩川堤防上の照明設置についてお伺いいたします。
さきに挙げた第五次昭島市総合基本計画の同じく第5章の中に、「多摩川堤防上などの遊歩道について適切な維持・管理に努める」とあります。この適切な維持・管理とはどうあるべきなのかという点が解釈の分かれるところなのかもしれませんが、これまでにも防犯上の理由や周辺地域にお住まいの方々の声を紹介しながら、適切な維持・管理のあり方として、照明設置の必要性を訴えてきたつもりであります。
一昨年の第4回定例会において、「堤防の本来の目的である治水を図りながら、照明の設置場所の選定及び器具選定、防犯灯としての明るさや電源の確保、照明の連続性などの詳細な検証等、さまざまな課題があるが、京浜河川事務所多摩川上流出張所と協議調整を行うとともに、近隣自治体とも調整を行いながら、どのような対応が可能か調査研究する」という趣旨の答弁をいただいております。
さまざまな課題があることは十分理解できておりますが、今回お聞きしたいのは、そのような多くの課題がありつつも、京浜河川事務所との協議調整はどのように行われているのか、また近隣自治体との調整がどうなっているのかということでございます。そうしたその後の取り組み状況について、改めてお聞かせください。
私の質問は、以上です。
◎臼井市長
赤沼泰雄議員の一般質問につきまして、私から、持続可能なまちづくりについてのうち、細目1点目、生産性向上の取り組みについて御答弁申し上げ、他の御質問につきましては担当部長より御答弁申し上げますので、よろしくお願いしたいと思います。
初めに、私もデービット・アトキンソン氏の「新・所得倍増論」を読ませていただきました。ちょっとデービット・アトキンソン氏の経歴を赤沼議員さんはちらっとしか触れていないので、私の方から言わせていただきますと、1965年に英国に生まれ、オックスフォード大学卒、日本学科専攻。アンダーセン・コンサルティングを経て来日し、金融アナリストとして活躍。ソルモン・ブラザーズ証券やゴールドマン・サックス証券に在籍。90年代の不良債権問題や銀行再編を予測して注目を集めた。2009年に、国宝や文化財を補修する小西美術工藝社に入社。2010年に代表取締役会長に就任。2011年から社長を兼務され、裏千家にも入門されて宗真という名前をいただいている。「新・観光立国論」というのをこの人はベストセラーで出しているので、そのときからちょっと注目を集めて、この「新・観光立国論」も読ませていただいて、この「新・所得倍増論」の話については、どこかの機会であいさつがあったときに引用して使ったことがあるものですから、いやあ、すごいなと思いながら、きょうはしっかりと答弁させていただきますので、よろしくお願いします。
デービット・アトキンソン氏の「新・所得倍増論」において、まず驚かされたことは、世界第3位の日本のGDPは1人当たりのGDPでは何と、御指摘のとおり世界第27位、先進国では最下位であるということであります。技術力と勤勉な国民性で戦後の高度成長を成し遂げたとする神話を、単に労働人口が激増する人口ボーナスによるものと結論づけており、この点については賛否両論があるようですが、1人当たりのGDPの低さは事実であると認識しているところであります。
本書が指摘している、政府が国家として経営者に、内部留保をやめ時価総額を上げるようプレッシャーをかけるべき。そうすることによって生産性を引き上げ、GDPをふやす処方箋として大変共感のできるところであります。
また、赤沼議員御指摘のとおり、国連の分析では、日本は高スキル労働者の比率が48%を占め、世界一のレベルであると、アトキンソン氏は試算しております。潜在能力を発揮し生産性を高めれば、GDPが770兆円に拡大するであろうということも試算しているところでございます。GDPがふえれば税収もふえ、所得も伸びるのは期待できるところでございます、というふうに述べております。私としては、そうなればいいなというふうに思いますし、やはりいろいろな中で、この前も昭島市に御寄附いただいた田中孝さんとお話しさせていただいても、やはり最後、自分で一生懸命お金を稼いだ分は何か社会に貢献するために使っていくというのは一番いいよねというお話をされていましたから、まさに企業もそうであるべきだと思いますし、タックス・ヘイブンなんていうことをしているところはいけないというふうに思っております。
次に、市内の各種産業の生産性向上するための取り組みについてであります。現在、政府が進めております働き方改革におきまして、労働生産性を向上させる多くの施策が検討されており、その施策として正規・非正規の不合理な処遇の差の改善、長時間労働の是正の問題や、単線型の日本のキャリアパスの問題の改善など、日本経済の再生に向けた改革が、すべて労働生産性を改善する方向の施策となっております。この働き方改革を実行に移され、政府による各産業界への働きかけが実現すれば、多様で柔軟性な働き方の環境整備が図られ、世界一高い労働者の質と潜在能力で、生産性の向上は成し遂げられるものと考えます。
このような動きの中、東京都におきましても、働き方改革を推進するため、TOKYOライフ・ワーク・バランス推進窓口の設置や働き方改革宣言企業の募集を行っており、応募した企業の助成金の支給や宣言した企業の生産性の向上のために、専門家による無料のコンサルティングなどの支援を行っております。本市におきましては、独自の施策等は困難性がございますが、国や東京都の支援策の周知に努め、市内企業の生産性向上のために何ができるのか検討してまいりたいというふうに思っております。
また、先ほども飛耳長目の話がございましたけれども、今大変いろいろな意味で昭島の各企業の皆さんには、固定資産税、法人市民税等々、大変御協力をいただいている観点から、いろいろな企業回りをさせていただいて、企業の実態、そうしたものをよく話をし、そしてその要望というか御意見、いろいろなものを今お話を聞いているところでございますので、そこらも含めて施策の展開を図っていくというふうに思っていますので、今後とも御指導、御鞭撻をよろしくお願いしまして、御答弁とさせていただきます。
◎山下企画部長
御質問の1点目、持続可能なまちづくりについてのうち、初めに行財政運営計画について御答弁申し上げます。
少子高齢化・人口減少社会に対応した自主・自立の行財政運営の確立を図るため、本年度におきまして、これまでの行財政改革の取り組みを踏まえ、新たな行財政運営計画を策定してまいります。この新たな計画の策定に当たりましては、引き続き限られた行財政運営資源を効果的・効率的に活用し、市民サービスの向上に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を視点に、歳入歳出両面からの行財政改革に向け、より焦点を絞った検討を進めてまいりたいと考えております。
具体的な内容につきましては、今後行財政運営審議会に諮問し、その答申を踏まえた内容となりますが、将来世代に負担を先送りすることのないよう、実効性のある計画の策定を目指してまいります。
次に、公共施設等総合管理計画の今後の取り組みについてであります。本計画を推進・実行するため、施設類型の特性を踏まえた施設ごとの個別施設計画等を平成32年度までに策定いたすべく、本年度におきましては、計画の短期目標期間に取り組むべき施設について、その方向性を検討する予定となっております。今後も厳しい財政状況が見込まれる中で、公共施設の老朽化に伴う維持管理費や修繕・更新にかかる財政負担の軽減を図るため、本計画の中では公共施設の適正な保有量を確保するための縮減目標を設定したところでありますが、同時に施設の維持管理経費の縮減につきましても重要な課題ととらえております。
御質問の、包括的保守点検管理委託につきましては、民間のノウハウを活用することで、施設の保守管理業務の質の向上、事務量の低減、コストの削減が図られるなど、御紹介をいただきました先行自治体の事例には一定の評価があり、学ぶべきところがあるものと認識をいたしております。今後、本市の施設類型や組織体制に照らした場合の包括的保守点検管理委託のメリット・デメリットを分析し、財政効果などを検証する中で、導入の適否の判断につなげてまいりたいと考えております。
また、本計画を推進するに当たりましての組織体制につきましては、企画部を総括部門として、総括管理及び情報管理を行い、庁内連携検討組織として、理事者及び関係する部課長級職員で構成されます既存の公共施設計画検討委員会を活用し、全庁横断的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
あわせまして、施設類型ごとの個別の調整を行う検討部会を設置することにより、縦横につながる取り組み体制を構築いたしながら、本計画の推進に向け多角的な方策を検討いたしてまいりたいと存じます。
◎金子都市整備部長
御質問の2点目、快適なまちづくりについての御答弁を申し上げます。
初めに、福島第五児童遊園のトイレについてであります。
多摩川河川敷における堤防は、洪水などの災害から河川周辺に住む人々や土地を守る重要な治水施設であり、災害を防ぐだけではなく、緊急時には作業車両等の輸送路としての役割もございます。また、洪水発生時には基本的に工作物の早急な撤去の条件が示されていることや、昨今の異常気象での局地的な豪雨による堤防決壊などで災害が発生していることから、国土交通省といたしましても、堤防における工作物設置に関しては堤防断面への影響等、大変慎重になっているところでございます。
御質問の公園のトイレでありますが、くみ取り式のトイレのため、近隣住民の方々や公園利用の方々から、においや衛生面に関する改善を以前から要望されているところでございます。現在のくみ取り式トイレを水洗化するには、給水管及び排水管を接続し、その上でトイレ建屋の設置方法が堤防断面にどのような影響があるか、また緊急時の早急な撤去方法などの検討を行い、国土交通省の承諾を得る必要がございます。このような中、公園利用者が利用しやすい水洗式トイレの設置に向けて、公園利用状況や撤去方法など課題を整理し、引き続き協議を行ってまいります。
次に、多摩川堤防上の照明設置についてであります。
堤防の役割につきましては、1点目で御答弁申し上げたとおりでございますが、その堤防に照明設置の御要望は以前よりいただいているところでございます。当該箇所につきましては、生活道路としての利用があることは認識しておりますが、堤防上の道路であることから、昼夜を問わず不特定多数の車両や歩行者、自転車が通行することは想定されておりません。
照明の設置につきましては、堤防上への設置という観点から、照明の連続性や河川という自然環境の身近な場所での自然共生と生物多様性の保全、夜間全体的に暗い場所への一部区間に設置することによる周辺地域への影響など、さまざまな課題があることから検証してまいりました。平成28年8月に開催した国土交通省京浜河川事務所、東京都及び多摩川沿いの9つの区市で構成する「たまリバー50キロ」幹事会において、他の構成自治体と街路灯設置について協議をしたところ、現時点では堤防上への街路灯設置の要望を受けている自治体はありませんでした。本来、遊歩道としての位置づけから、自然環境の中で御利用いただくことを基本としているため、堤防という環境の中で夜間の利用がふえる可能性も心配される意見があるところでございます。
そうしたことから、幹事会での議論を踏まえると、現在、設置につきましては困難な状況でございますが、引き続き京浜河川事務所や幹事会を通じて、他自治体とも協議してまいります。
