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昭島市 平成28年9月 定例会(第3回)

9月2日

◆12番(赤沼泰雄議員)

改めまして、おはようございます。ただいま議長の御指名をいただきましたので、通告に従いまして、順次質問させていただきます。

 今回の私の質問は、経済の好循環についてと、障がい者施設殺傷事件についての大綱2問であります。
 質問に入る前に、1点申し述べさせていただきます。議会初日の市長のあいさつの中で、来る市長選には出馬されない旨のお話がありました。本年3月には前任の佐藤副市長、木戸教育長が引退され、一つの時代が終わったような感覚を覚えましたが、北川市長におかれましては、昭島市の歴史の中で初めての5期20年という長きにわたる市長の時代を切り開いていただきました。時代の変化が速過ぎるせいか、最近では余り耳にすることがなくなりましたが、十年一昔という言葉があります。その意味では、2つの時代が終わることになるのかもしれません。
 市長に就任される前年は阪神・淡路大震災が発災し、甚大な被害をもたらしました。20世紀が終わりに向かっていた時期でもあり、当時の私には、いわゆる世紀末を象徴するような出来事として映ったことを鮮明に覚えております。
 その後、新たな21世紀を迎えて今日に至るわけですが、2つの世紀にわたって市長を務められたことになるわけであります。この間は、文字どおり時代の変わり目であり、地球温暖化、気候変動などの地球規模における自然災害だけでなく、9.11アメリカ同時多発テロを初めとするアルカイダや、自称イスラム国という過激派組織によるテロという新たな脅威にも直面するようになりました。また国内においても、東日本大震災を初めとする各地での大震災や豪雨災害、少子高齢化や人口減少問題、景気経済の問題も含めて、これまでに経験したことのないような問題が次々と起こるなど、大きな時代の転換期の中でのかじ取りだったのではないでしょうか。
 そのような激動の時代にあって、パフォーマンスを嫌い、現実を見据え、行財政改革を根本にしながら、ハード・ソフトの両面にわたって、「住み続けたい昭島」のまちづくりに邁進してこられたのが北川市長であり、その評価は、過去3回の市民意識調査において、8割を超す方々が「今後とも住み続けたい」という定住意識を示している中にあらわれているのではないでしょうか。
 私は、十八史略の中に出てくる「鼓腹撃壌」という次のような話を思い出すのであります。堯という中国古代の帝王は、数十年にわたって世の中を平和に治めておりました。堯は、余りに平和なため、天下が本当に治まっているのか、自分が天子で民は満足しているか、かえって不安になり、目立たぬように変装して、家を出て自分の耳目で確かめようとしたのであります。すると、街中では子どもたちが堯を賛嘆する歌を歌っておりました。これを聞いた堯は、子どもたちは大人に歌わされているのではないかと疑って真に受けず、立ち去ったのであります。その後、ふと傍らに目をやると、老いた百姓が腹をたたき、地を踏みならしながら、「日が昇ったら仕事をし、日が沈んだら休む。井戸を掘っては水を飲み、畑を耕しては食事をする。帝の力など、どうして私たちに関係があろうか。いや、ない」と、楽しげに歌っておりました。これを聞いた堯は、自分の政治は、国民に自分を意識させることなく、国民が豊かな生活を営むことを実現できていることを知ったという内容であります。
 いずれにしましても、10月20日の任期満了まで、まだ1月半以上あるわけでありますが、市制施行から62年のうちの約3分の1という長きにわたって、市政発展のために御尽力された北川市長に対しまして、この場をおかりして、心より敬意と感謝を申し上げるものでございます。本当にありがとうございました。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 
初めに、大綱1問目、経済の好循環についてお伺いいたします。
 私は、実質GDP、名目GDP、完全失業率や有効求人倍率、賃金引き上げ率、さらには法人税や所得税など、さまざまな数字が、アベノミクスによる経済再生の着実な進展を示していると考えている一人であります。しかしながら、アベノミクスの恩恵は道半ばの状態で、地方や中小企業、家計には十分に行き届いていないということも、マスコミ報道だけではなく、市内企業の経営者の方、あるいは市民の皆様からも伺っているところでございます。
 政府は先月2日、リニア中央新幹線の開業前倒しや、生活密着型のインフラ投資、年金受給資格期間の短縮や、保育士、介護人材の処遇改善などを盛り込んだ事業規模28兆1000億円の未来への投資を実現する経済対策を閣議決定したところであります。この経済対策の効果が直接地方や中小企業、家計に及ぶことを期待しながら、何点かお伺いいたします。
 まず1点目として、アベノミクスに対する評価についてお伺いいたします。特に、市としての立場から、これまでの政府の取り組みに対する評価と今後の期待についてお聞かせください。
 続いて、経済成長の実感を中小企業、家計に届けるための市の取り組みについてお伺いいたします。内閣府が先月15日に発表した2016年4月から6月期の国内総生産の速報値は、2期連続のプラス成長となりましたが、GDPの約6割を占める個人消費は力強さを欠いている状態であります。要因として挙げられるのは、若年層での非正規社員比率の高さや、将来への不安が挙げられております。
 政府は、大企業の収益を家計や中小企業に還元し、経済の好循環を持続的に果たしていくために、同一労働・同一賃金や、最低賃金の引き上げなど、賃金の引き上げに向けた最大の努力と、取引企業の仕入れ価格の上昇などを踏まえた価格転嫁や、支援、協力への総合的な取り組みなどを経済界にこれまで求めてまいりました。
 最低賃金の引き上げが行われる一方で、中小企業における取引単価の上昇がなければ、中小企業の経営は圧迫されるだけであります。中小企業の取引状況の改善と好循環の実現に向けて、2014年12月には、政府、労働界、経済界が一致して取り組む政労使合意が結ばれておりますが、経産省が昨年12月以降に、大企業1万5000社以上、中小企業1万社程度を対象として行った調査によりますと、この大企業の半分以上がこの政労使合意を知らず、中小企業のうち、約3割は原材料価格の上昇分を転嫁できていないという実態であったようであります。
 ぜひ政労使合意が実効性のあるものとなるよう願うものでありますが、市内企業を支援するという観点から、市が行える支援策としてはどのようなものが考えられますでしょうか。また、建設業界においては、公共工事の設計労務単価の引き上げがここ毎年のように行われておりますけれども、現場で働く労働者の賃金に反映されていないという声も聞いております。市内企業における実態の把握と労働者の賃金増加を実現するための市の取り組みについてお聞かせください。
 また、市が行う業務委託についても、労働者の賃金増加という観点ではどのように取り組まれているのでしょうか、あわせてお聞かせください。
 
次に、大綱2問目、「障がい者施設殺傷事件」について、市としてどのように受けとめるのかについてお伺いいたします。
 私の認識違いでなければ、昭島では障害者の意向を受け、「がい」の字を従来から使用していた漢字を採用していたと思いましたので、通告に当たり、漢字にしようか、平仮名にしようか迷いましたけれども、ここでは神奈川県相模原市の施設のことでしたので、平仮名を使わせていただきました。御了承願います。
 ことし7月26日に神奈川県相模原市にある「障がい者福祉施設」で、抵抗できない障害者を対象とした残虐非道な無差別殺人が発生いたしました。入所者19人が死亡、26人が重軽傷を負うという余りにも痛ましい事件であり、断じて許されるものではありません。事件の異常性、重大性を深く受けとめ、改めて被害に遭われた方々に心から御冥福とお見舞いを申し上げるものでございます。
 異常極まりない卑劣な犯行であるために、極めてまれに起こった事件として取り扱いがちですが、仏教の中に「一念三千」という考え方があります。結論だけ申し上げますと、だれにでも今回の事件の容疑者の考え方や行動に対して共感してしまう感覚、あるいは同様の行動を起こすかもしれないという可能性があるということになるのであります。事実、事件後にはツイッターなどで「15人が死亡し、およそ20人がけがという手段はおかしいかもしれない。だが、障害者に安楽死をという目的は非常に合理的だと思う」「容疑者が言っていることも正直言ってわかる。でも殺すのはだめで、なんか複雑」といった容疑者の犯行や動機を擁護するような書き込みが多数見られるのであります。
 障害の有無にかかわらず、だれもが互いに個性を尊重し合う共生社会の実現に向けて、本年4月から障害者差別解消法がスタートしたところでありますが、障害への理解を深めるバリアフリー教育が、互いに個性を尊重し合う共生社会の実現の大きな推進力になると考えます。
 そこでお伺いいたしますが、意識啓発という観点から、障害者への差別や偏見をなくすバリアフリー教育の充実に向けての取り組みについて、市の御所見をお聞かせください。
 今回の事件では、社会的弱者と言われる障害者が対象となっておりますが、社会的弱者、特にみずから避難したり、意思表示したりすることが難しい施設入所者という点で考えますと、老人福祉施設入居者も該当すると思われます。そうした方々はもとより、その御家族の方々も含めて、非常に不安を抱かれている方がおられるということも聞き及んでおります。そうした方々の不安を払拭するための対策が大変重要になってくると思いますが、市として各障害者施設や、あるいは高齢者福祉施設における防犯マニュアル作成の把握、徹底などは行われておりますでしょうか。
 また、社会的弱者を守るための市の取り組みと今後の課題についてもお聞かせください。またあわせて、各施設内における虐待等の実態と対策についてもお聞かせください。
 
私の質問は、以上です。

◎北川市長

皆さん、おはようございます。本日、4日目となりましたが、本日もどうぞよろしくお願いを申し上げたいと存じます。

 ただいま赤沼泰雄議員から一般質問をちょうだいいたしました。私の市長職の関係につきまして、十八史略を参考にお褒めの言葉をちょうだいいたしまして、大変恐縮に存じております。この件につきましては、改めて議会の方の皆様方にお礼のごあいさつをさせていただきたいと存じます。
 それでは、一般質問の中で、私は1点目の経済の好循環についてのうち、アベノミクスに対する評価について御答弁を申し上げ、他の御質問につきましては担当部長より御答弁を申し上げます。
 これまでにも申し上げておりますとおり、アベノミクスの経済政策の取り組みによりまして、企業の経常利益は昨年、過去最高水準に達しております。また、厚生労働省が発表いたしました6月の全国求人倍率は1.37倍と高水準での改善が続いているとのことであり、雇用、所得環境が改善傾向にある中で、我が国の経済は経済再生、デフレ脱却に向け着実に前進をしているものと認識をいたしております。
 内閣府が先月24日に発表しました月例経済報告におきましても、景気はここのところ、弱さも見られるが緩やかな回復基調が続いているとのことであります。本市におきます市民の給与所得、また営業所得も緩やかな上昇傾向にあり、また先般、市内の大手製造事業者に経営状況を伺いましたところ、雇用状況、また生産ラインは順調であるとのことでありました。しかしながら、個人消費を初めといたします民需は力強さを欠いた状態であり、地域経済におきましては、いまだアベノミクスの恩恵を十分に実感できていない状況にあるものとの認識をいたしております。
 こうした中での本市の経済状況と動向でございますが、中小事業者へのアベノミクス効果の波及にはいまだ時間を要しているようでありますが、企業収益は堅調に推移をしており、法人市民税では、平成26年度の税収は前年度と比較して大幅な増収となり、平成27年度決算におきましても、法人市民税の税率の引き下げの影響を除いた比較では、ほぼ同額となっております。また個人市民税におきましても、給与所得者1人当たりの平均所得は、前年度と比較して約5万円の伸びを示すなど、本市の勤労者、経営者の所得環境は緩やかに改善しつつあり、これまでのアベノミクスの取り組みの効果があらわれてきているものと判断をいたすところであります。
 日本経済の先行きにつきましては、熊本地震の経済に与える影響に十分留意する必要があるほか、アジア新興国の景気の下振れや、英国のEU離脱問題など、世界的な需要の低迷、成長の原則も懸念をされており、グローバル経済の動向が我が国経済に与える影響も注視していく必要があるものと考えております。
 今後、政府におきまして、アベノミクス「新三本の矢」にしっかりと取り組み、賃上げによる労働分配率の向上を通じた消費の拡大や、生産性革命による民間投資の拡大と生産性の向上、さらには若者の雇用安定や介護離職者の減少を図るなど、総じて好循環を生み出し、中小事業者を含めましてアベノミクスの効果が実感できるような、さらなる経済成長が図られることを期待いたすところでございます。

◎佐々木総務部長

御質問の1点目、経済の好循環についてのうち、経済成長の実感を中小企業、家計に届けるための市の取り組みについて御答弁申し上げます。
 初めに、市内企業を支援する観点から、市としてどのような支援策が考えられるかについてでございますが、中小企業への資金融資における金融機関へのあっせん事業として、中小企業事業資金融資利子等補助金や、緊急対策事業資金融資利子等補助金などによりまして、中小企業の財政基盤の安定や経営活動の促進を支援してまいります。また、物づくり企業立地継続支援事業補助金により、物づくり中小企業の防音等の操業改善経費の補助を行い、地域に重要な物づくり企業の立地継続を支援してまいります。
 他の支援策といたしましては、東京都産業労働局における下請適正取引の相談や経営相談、東京都中小企業振興公社による総合支援事業など、各種の相談窓口の周知啓発を、昭島市商工会と連携を図ってまいります。
 次に、市内企業の実態の把握と労働者の賃金増加を実現するために市としてどのように取り組むのかについてでございますが、労働者の賃金が増加することは労働者の確保、育成や技能及び工事品質の向上にも寄与し、建設産業を健全に発展させることにもつながることから、重要なことであると認識をいたしております。したがいまして、本市におきましては、工事の積算に当たって、公共工事設計労務単価が改定された場合には速やかに新労務単価を適用し、予定価格としております。契約におきましては、この予定価格に対し適切に最低制限価格を設けることにより、適正な価格での契約が履行されるよう対応いたしております。
 国は、公共工事の品質確保の促進に関する法律を平成26年6月に改正し、適正な額の請負代金での下請契約の締結、技術者、技能労働者に係る賃金、その他の労働条件、安全衛生、その他の労働環境の改善が受注者の責務として規定しております。これらの関係法令を遵守することにより契約が履行されることが、労働条件の確保に必要であると考えております。本市が受注者と取り交わす工事契約約款におきましては、法令を遵守し、契約を履行しなければならないことが規定されており、受注業者につきましては、法令を遵守し、契約を履行していると認識いたしております。
 このようなことから、市内企業の実態の把握は現在考えておりませんが、引き続き関係法令遵守について受注者に対してお願いするとともに、ホームページにおきまして、国の取り組みを紹介し、受注業者に適正な対応をお願いしてまいりたいと存じます。
 次に、業務委託について、労働者の賃金増加の観点ではどのように取り組んでいるのかについてでございますが、過度な低入札価格への対応といたしましては、一定の金額を下回る落札予定者が発生した場合には、履行の確保等について調査等を実施する基準を適用しております。また、労働者の賃金増加の観点からは、労働条件の改善や労働者の生活の安定などを目的とした最低賃金法について、委託業務に限らず遵守されるべきものと考えております。

◎佐藤保健福祉部長

御質問の2点目、「障がい者施設殺傷事件」について御答弁申し上げます。
 初めに、市としての受けとめ方についてであります。御質問にございましたとおり、神奈川県の障害者支援施設における事件は、全国に大きなショックをもたらしました。報道等によりますと、容疑者は障害のある方の命や尊厳を否定するような供述をしていると伝えられており、このような卑劣な行為は、いかなる理由があるにせよ、決して許すことはできません。本市といたしましては、この事件でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたすとともに、こうした痛ましい事件が再び起こることがないよう、だれもが住みなれた地域で自分らしく、安全で安心して暮らしていける共生社会の実現に努めてまいります。
 次に、バリアフリー教育の充実についてであります。障害者差別解消法の成立や障害者権利条約の締結により、障害者の権利の実現に向けた取り組みが一層強化されることが期待をされております。こうした国の政策やノーマライゼーションの理念の浸透により、障害に対する理解は一歩一歩着実に進んできております。しかしながら、障害のある方の地域での円滑な生活を妨げるような物理的、制度的、また心理的な障壁はまだ存在をしております。こうした障壁を取り除き、心のバリアフリーを実現するためには、障害に対する正しい理解のさらなる周知や啓発が必要となっております。幼児教育や学校教育のみならず、家庭、地域、職場等でこうした取り組みを進めていくため、関係機関で連携し、バリアフリー教育の充実に努めてまいります。
 次に、社会的弱者を守るための取り組みと今後の課題についてであります。神奈川県の障害者支援施設での事件を受けまして、国におきましては、現在、今回の事件の検証や再発防止に向けた取り組みが進められております。また、東京都におきましては、施設や事業所における防犯等安全管理について改めて通知をし、施設の安全確保の徹底を図っております。本市におきましては、国や都の動向を注視する中、関係機関と連携し、施設利用者や御家族の不安を取り除くため、施設の安全対策の徹底に努めてまいります。
 御質問の施設における防犯マニュアルにつきましては、作成が必須とされてはいないため、その状況については把握をいたしておりません。また、今後の課題といたしましては、こうした事件が再び起こらないようにするため、施設のセキュリティー対策だけでなく、施設入所者の人権に関する正しい理解を広げていくことが必要であると考えております。引き続き心のバリアフリーの推進を図る中、さまざまな機会をとらえ、障害のある方の人権を正しく理解する取り組みに努めてまいりたいと思います。
 次に、施設内における虐待の実態と対策についてであります。平成27年度におきましては、障害者施設に関する通報や相談が4件あり、このうち、市外の施設で発生した1件につきましては、虐待が行われたとの認定を行いました。また、介護施設におきましては、通報や相談が2件ありましたが、虐待の認定に至ったケースはございません。障害者施設における虐待のケースに関しましては、今後、こうしたことが起こらないよう関係者へ指導を行うとともに、東京都や関係機関へ報告をいたしました。
 施設利用者に対する虐待は、その尊厳や権利・利益の擁護を害するものであることから、虐待を防止することは極めて重要なことであると認識をいたしております。本市といたしましては、保健福祉センター内にある障害者虐待防止センターと連携を図りながら、障害のある方への虐待の防止等についての周知啓発に努めてまいります。
 また、介護の分野では虐待事例に携わる職員に対し研修会を開催し、そのスキルアップを図るとともに、地域包括支援センターと連携を図りながら、高齢者虐待の防止等について周知啓発を進めております。
 こうした取り組みを進める中で、障害のある方や高齢の方などを虐待という権利侵害から守り、尊厳を保持しながら安定した生活を送ることができるよう、引き続き支援に努めてまいります。

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