昭島市 平成26年6月 定例会(第2回)
6月10日
◆4番(赤沼泰雄議員)
おはようございます。無事に原稿を書き上げまして、晴れ晴れとした気持ちで臨ませていただきますので、前向きな答弁をよろしくお願いいたします。
それでは、ただいま議長の御指名をいただきましたので、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。
今回の質問は、大綱2問でありまして、どちらも今後の人口減少や経済活動が縮小していく中で、市民に必要なサービスをいかに維持していくのかという観点から質問させていただきます。
初めに、財政の見える化についてお伺いいたします。具体的には、公会計制度改革の取り組みについてお伺いいたします。
先日、消滅可能性都市という大変ショッキングな報道がありました。これは有識者らでつくる日本創成会議・人口減少問題検討分科会が独自の試算をまとめて発表したものであります。若者が東京圏に一極集中する現在の人口移動が続けば、2040年には全国の地方自治体のほぼ半数となる896の自治体で、子どもを生む中心的な世代である20歳から39歳の若年女性の数が半減し、最終的にその地方自治体は消滅する可能性があるというものであります。若年女性の減少と東京への人口の一極集中化という2つの問題に対して今どのように対応するかが、今後の社会を構築する上で非常に重要な課題となってまいります。
地方自治体が消滅すると社会の安全確保が困難となり、経済活動は衰退し、医療、年金といった社会保障システムの機能不全につながるなど、極めて深刻な問題となってまいります。今回の推計では、東京都においても町村のみならず、豊島区が含まれるなど、大変衝撃的な内容ではありましたが、極端な悲観論や楽観論に陥ることは避けるべきであります。消滅可能性都市に名を連ねなかった我が市としても正確かつ冷静に将来予測を受けとめ、今なすべきことに全力を尽くすことが重要であります。また、このような時代を生きる私たちには、これまで以上に財政の見える化の推進で適正かつ公平性を確保することが求められてまいります。
これまでにも何度となく議会でも取り上げられておりますが、日本のインフラは1970年代前半から集中してつくられるようになり、今日に至るまで50年間かけて建設が続いているわけであります。同時に老朽化も進んでおりますので、いずれ建て替えが必要で、そのピークは2020年代以降と言われております。
現在のインフラをそのままの規模で維持するためには莫大な予算が必要であります。内閣府PFI推進委員会の試算によりますと、年間8兆円が必要とされておりますが、これは単年度で終わるものではなく、50年間続ける必要があります。しかしながら、51年目には次の更新が必要となりますので、結局、毎年8兆円の予算を未来永劫確保し続けなければならないことになります。これを単純な人口比で昭島市に当てはめてみますと、毎年約80億円が必要という計算になります。毎年確実に扶助費が増大している一方、税収の伸びも望めない中で、インフラ更新のために毎年約80億円という金額を確保することは不可能であります。
インフラの老朽化に対して、そのまま放置すれば物理的に崩壊しますが、無理に借金をふやせば財政的に崩壊いたします。社会保障を削ろうとすれば市民サービスの低下となり、増税は市民の負担がふえるということになります。できるだけ機能を維持して、最大限負担を減らすということに知恵を絞る以外にありません。
東洋大学経済学部の根本祐二教授は「省インフラ」を提唱しております。2度のオイルショックを経験した日本が、石油の高騰に対してエネルギー消費を抑制する省エネ技術を進歩させたのと同じように、今までどおりのインフラ整備をしなくても同様のサービス、機能を確保しようという考え方であります。具体的には、公共施設の効率的な更新のために三階層マネジメントとして、自治体全域をサービスの対象とする「全域」、小・中学校単位を対象とする「地域」、自治会、個人を対象とする「地区」の3つの階層に分けて、それぞれにマネジメントの方法を変えることで財政負担を軽くしようとするものであります。「全域」の階層には市庁舎、中央図書館、体育館、プールなど市内に一つしかない施設が該当しますが、市庁舎を除きほかの施設については、お隣の市と広域的に共用することで財政負担を軽くしようとするものであります。2つ目の「地域」の階層では、小・中学校や市立会館、保育所、老人ホームなどが該当します。小・中学校は耐震補強したとはいえ老朽化しておりますので、いずれ建て替えなくてはなりません。その際に、単に学校機能だけではなく多機能化をすることで財政負担を軽くしようとするものであります。3つ目の「地区」の階層では、さらに小さな自治会などの単位で集会施設や公営住宅など、自治体が施設を保有するのではなく、民間施設を借りることで財政負担を軽くしようとするものであります。
したがって、これから迎える本格的なインフラの更新時期は、取り組み方によっては将来のインフラに対する維持管理経費を抑制することができる最大のチャンスでもあります。従来の基準にとらわれることなく、これからのインフラ整備、公共施設のあり方を根本からとらえ直すことも必要でしょうし、場合によっては施設そのものをなくすという選択もあると思います。国は公共施設の除却に75%の財政措置を設けているようでありますので、そうした選択を誘導しているものとも考えられます。ともあれ、今後の公共施設の更新計画策定に当たっては、複式簿記・発生主義会計のもと、その基礎的資料となる公共施設台帳や固定資産台帳による正確な資産把握が重要になってまいります。
本年4月には、総務省より「今後の新地方公会計の推進に関する研究会報告書」が通知されたところであります。これまでの総務省方式改訂モデルにおいて課題となっていた複式簿記・発生主義会計を原則とすること、固定資産台帳を整備することなど、統一的な基準による財務書類等の作成をしていくことが示されました。統一基準による具体的な財務書類等の作成については、来年1月を目途に改めて要請するとしておりますので、詳細はこれからになると思いますが、複式簿記・発生主義会計の導入を積極的に推進する立場をとってまいりました我が党として、大変歓迎すべき内容となっております。
そこで、まずお伺いいたしますが、今回の通知を受けて、昭島市としてどのように取り組まれるのでしょうか。特に、今後の市政運営において、どのような効果を期待されておりますでしょうか、市長の御所見をお聞かせください。
また、同じ4月に総務大臣から地方公共団体に対し、公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進する公共施設等総合管理計画の策定に取り組むよう要請がありました。その中には計画策定に対する交付税措置なども示されていることから、計画策定を外部委託する自治体もあるようであります。その一方で、毎年の台帳更新や施設マネジメントへの活用段階で職員が理解しておらず、使いこなせないという宝の持ち腐れ状態になりかねないとの指摘もあります。昭島市ではどのように対応するか未定とのことでありますが、固定資産台帳の整備作業自体は極力職員が行うなど、ぜひ人材育成を意識しながら取り組んでいただきたいと思います。
いずれにいたしましても、いまだ公共施設台帳策定も完了していないとのことでありますので、公共施設台帳の取り組み状況について改めてお伺いいたします。また、要請では固定資産台帳の整備期間を1年から2年としておりますが、公共施設台帳ができ上がっていない中で、今後のスケジュール、取り組みについてはどのようにお考えでしょうか。
次に、高齢者が安心して暮らせるまちづくりについてお伺いいたします。
内閣府が発表した平成25年版「高齢社会白書」では、2012年の総人口に対する75歳以上の割合が11.9%であるのに対し、2025年では18.0%になると予想されております。また、ひとり暮らしの高齢者が高齢者人口に占める割合は、2010年で男性11.1%、女性20.3%となっておりますが、2025年では男性14.6%、女性22.6%に増加すると予想されております。このように高齢化が進む中で、社会保障費の見直しや介護の担い手不足も予想される中、高齢者が住みなれた地域で自分らしい生活を続けられる新しいシステムの構築は、これからの深刻な超高齢社会への対応に欠かせない喫緊の課題となっております。国においては、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年をめどに、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援のもと、可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療や介護、生活支援など必要なサービスを一体的に受けられることを目指す地域包括ケアシステムの構築を推進しております。
地域包括ケアシステムについては、一つの正解があるものではなく、それぞれの地域の特性に応じて、ほかの地域の取り組み例も参考にしながら、それぞれの地域の自主性に基づいてつくり上げていくものとされております。埼玉県和光市では、介護予防、医療機関との連携強化、地域密着型サービスの整備、自立支援型ケアマネジメント、すべての認知症高齢者に対応可能な体制の構築を基本方針として、徹底したニーズ調査により的確な課題抽出と的確なサービスの供給体制を構築することで、利用者一人一人にとって真に必要な個別のケアプランを作成しているそうであります。その結果、要介護認定率は、平成15年まではほかの自治体同様、毎年1%ずつの増加率を示しておりましたが、その後横ばいとなり、平成18年、19年の2年間は逆に1%ずつ減少し、平成20年からは横ばいで、認定率と介護保険料は国の平均を下回っているのであります。
制度の持続可能性という点から考えますと、保険料の問題も避けて通るわけにはいきません。例えば介護保険の1号保険料は各市町村の給付費の水準に応じて3年ごとに改定されておりますが、高齢化の進展による介護サービスの充実に伴い、制度発足当初、全国平均で月額2911円であったものが、現在は4972円となっており、2025年には8200円程度になると推計されております。介護保険料は月5000円が負担の限界とも言われ、深刻な状況であります。
先進的に取り組んでいる自治体は、平均的な保険料よりも低く抑えられております。厚生労働省も介護・医療関連情報の見える化の推進に取り組み、保険料や給付費などのさまざまな指標を地図やグラフで示すことで、他の自治体との比較や時系列での比較を目で見てわかりやすく比べられるようにするシステムづくりに取り組んでおります。ぜひそうした先進的な取り組みを参考にしていただきながら、自立支援を促し、持続可能な昭島型の地域包括ケアシステムを構築していただきたいと考えます。
そこでお伺いいたしますが、これまで介護保険での取り組みの中でさまざまな課題が明確になっていることと思いますが、2025年に向けて昭島市としてどのような地域包括ケアシステムを構築される御予定でしょうか、市の御所見をお伺いいたします。
私の質問は、以上です。
◎北川市長
おはようございます。本日2日目でございますが、きのうに引き続き、よろしくお願いいたします。
それでは、赤沼泰雄議員の一般質問につきまして、私から1点目の財政の見える化についてのうち、基本的な考え方について御答弁申し上げ、他の御質問につきましては担当部長より御答弁を申し上げます。
御案内のように地方自治体を取り巻く財政環境が厳しさを増す中で、財政の透明化を高め、市民や議会などに対する説明責任を適切に果たし、より一層の財政の効率化、適正化を図るため、公会計制度改革への取り組みは、これまでも申し上げておりますとおり必要不可欠なものであると認識をいたしております。本市におきましては、平成20年度決算から発生主義・複式簿記の考え方を取り入れた総務省改訂モデルによる財務書類を作成し、昭島市の財務書類として市民や議会等の皆様に公表してまいったところでございます。また、東京都が主催をいたします東京都会計制度改革研究会にも積極的に参加し、各市と協力、連携を図りながら、固定資産台帳の整備に向けた研究など、新たな公会計制度への準備も進めてきたところでございます。
こうした中で、質問にもございましたとおり、国におきましては今後の新地方公会計の推進に関する研究会におきまして、新地方公会計の推進などについて、本年4月に報告書の取りまとめが行われたところでございます。この中で、固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を前提とした統一的な基準による財務書類について、原則として平成27年度から平成29年度までの3年間ですべての自治体において作成するよう、平成27年1月ごろまでに国より要請があるとされております。
この統一的な基準による財務書類等の作成により、市民や議会等に対し、本市の財務情報をよりわかりやすく開示することによる説明責任が履行できるものと考えております。さらには資産・債務管理や予算編成などに有効に活用することにより、マネジメントを強化し、財政の効率化、適正化にも資するものであります。今後におきましても、東京都会計制度改革研究会に引き続き参加をし、これまでの成果や他市の動向などを踏まえながら国の要請にも着実に対応いたし、新たな地方公会計の整備促進に向け積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
◎早川企画部長
御質問の1点目、財政の見える化についてのうち、公共施設台帳の取り組み状況等について御答弁を申し上げます。
御質問にもございましたとおり、国より要請のありました「公共施設等総合管理計画の策定に当たっての指針」の中では、地方公会計との関係におきまして、計画は現時点では固定資産台帳の作成や公会計の整備を前提とするものではないが、公共施設等の維持管理、修繕、更新等に係る中・長期的な経費の見込みを算出することや、総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針等にも活用していくため、将来的には固定資産台帳等を利用することが望ましいとされているところであります。
地方公会計におきます固定資産台帳の整備に当たりましては、インフラ資産や工作物、公共施設などの詳細なデータが必要となってまいります。その基礎的資料となります公共施設台帳の作成に当たりましては、一昨年12月に市の公共施設の実態把握の視点から、関係課長職により組織する庁内検討委員会を立ち上げ、その対象となる施設の選定や台帳に記載する項目などについて検討を行ってまいりました。当初の計画におきましては、昨年度中での完了を目指しておりましたが、現在の取り組み状況といたしましては、定めた様式に対象施設所管課による一定のデータ入力を行い、そのデータについての点検等を行っているところであり、各施設ごとのデータのチェックになお時間を要してございますことから、予定よりおくれている現状にございます。
しかしながら、新たな地方公会計の整備に当たっては、固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を前提としていることからも、なるべく早い時期に公共施設台帳を作成し、そのデータを活用しながら固定資産台帳の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
また、固定資産台帳の整備につきましては、今後、国において具体的なマニュアルが作成される予定となっておりますが、東京都や大阪府などでは既に複式簿記・発生主義の考え方を加えました新たな公会計制度を導入しており、国基準との整合性の問題など、その動向にも注視する必要があると考えてございます。
いずれにいたしましても、早期に公共施設台帳を作成いたすとともに、他の自治体の状況等も勘案しながら、固定資産台帳の整備について、その手法も含め多角的に検討してまいりたいと考えております。
◎佐藤保健福祉部長
御質問の2点目、高齢者が安心して暮らせるまちづくりについての(1)地域包括ケアシステムの取り組みについて御答弁申し上げます。
本年4月のこととなりますが、総務省が2013年10月1日現在の人口推計を公表いたしました。65歳以上の人口は3190万人に達し、初めて人口の25%を超え、こうした傾向は今後数十年は変わることがないとの推計が明らかにされたところであります。本市におきましても高齢化はますます進み、世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯、また認知症高齢者はさらに増加していくことが見込まれております。こうした中、高齢者が住みなれた地域で自立した生活を続けていくためには、介護や支援が必要となったときに、介護、医療、予防、生活支援、そして住まいが一体的に提供される地域包括ケアシステムがしっかりと構築をされ、必要に応じて適切なサービスの提供が図られることが大変重要であると考えております。
しかしながら、介護保険は共助の制度であり、提供するサービスが増加すれば、その分は介護保険料に反映され、制度の持続性の確保にも影響が及びかねません。御質問にもございましたように、和光市では介護予防と自立支援型のマネジメントにより、こうした課題に取り組んでいる先進自治体であると認識をいたしております。高齢者の立場に立ったマネジメントの実施により、本人が真に必要なサービスを提供し、介護からの卒業を目指していく、こうした取り組みにより高齢者本人の自立を実現し、介護保険料や制度の安定的な運営に好影響を与えていくものであります。
地域包括ケアシステムの構築は、団塊の世代が75歳を迎えることとなります2025年に向けまして、取り組むべき最重要な課題であると認識をいたしております。また、その構築により目指していくものは、「高齢者が生き生きと暮らすまち あきしま」の確かな実現にほかなりません。そのため本年度策定をいたします第6期介護保険事業計画の中で、和光市を初めとした各種の先進的な事例なども十分参考にさせていただきながら、どのような取り組みが本市にとってベストであるのか関係者の意見もしっかりとお聞きし、2025年を見据えた上で慎重に検討いたしてまいりたいと存じます。
