昭島市 平成25年3月 定例会(第1回)
3月4日
◆4番(赤沼泰雄議員)
おはようございます。ただいま議長の御指名をいただきましたので、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。
突然ですが、皆さんは最近驚いたこと、感動したことはありましたでしょうか。私は二つありました。一つは先日の施政方針の中に、ビートルズの名前が出てきたことであります。ビートルズファンを自認している私ですが、ビートルズを初めて知った中学1年生当時は、いわゆるロックミュージックは不良の音楽という風潮が残っていた時代でありました。そのような空気を感じながら育ってきた私にとって、施政方針でその名を耳にするようになったこと自体が大きな驚きであり、隔世の感を禁じ得なかったのであります。
もう一つが、中学校の教科書であります。先日、息子の通う中学で学年末試験があり、机の上に開いたまま置かれていた音楽の教科書を何げなくのぞいてみますと、見開き2ページにわたって「世界の楽器」というのが写真入りで紹介されておりました。シタールというインドの楽器が載っておりましたので、中学校の教科書にしては珍しいなと思いながら、一つ一つの楽器の写真下に書かれている説明文を読んでみますと、ビートルズのどの曲で使われている楽器であるということが書かれているではありませんか。以前から、音楽の教科書にビートルズが載るようになったとは聞いておりましたが、まさかここまでとは思いませんでした。
この二つのことを通じて、民衆に支持されたもの、よいものは、時代を超えて生き続ける、また時代をも動かす力を持っている、そういったことを改めて考えさせられました。また同時に、ここで私が行う質問もかくあるべきではないかと、このように質問前に自分自身で勝手にちょっとハードルを上げたことを後悔しながら、質問に入らせていただきたいと思います。
先ほど、順次と申し上げましたが、今回の私の質問は公会計制度に関する1問であります。シンプルにお伺いいたしますので、よろしくお願いいたします。
公会計の問題については、最近では橋本議員や大島議員も質問されており、公明党昭島市議団として積極的に取り組んできたテーマの一つであります。特に、引退された木村元議員は、民間企業在籍時における実務経験をもとにして、さまざまな視点から公会計制度改革の必要性を主張され、一般質問だけ数えても10回を超えておりました。私自身はそうした実務経験もありませんし、専門知識も持ち合わせておりませんので、極めて素人感覚のイメージ先行の質問になってしまうかもしれませんが、御了承を願います。
最近の日本経済を取り巻く状況は大変厳しいものがあります。改めて申し上げるまでもありませんが、ここ数年だけを見ても、リーマンショック、欧州金融財政危機、東日本大震災など、100年に一度、あるいは1000年に一度と言われるような出来事が毎年のように起こっております。そうした中で、長期にわたるデフレから脱却できないまま、今日に至っているわけであります。
昨年末には安倍新政権が誕生し、金融政策と財政政策、成長戦略の「三本の矢」で日本経済の再生を目指す、としております。皆様もご存じのとおり、先ごろ、平成24年度補正予算が1票差で参議院を通過いたしました。平成25年度予算の早期成立とともに、予算の執行がそのまま景気の回復、経済成長に結びついていくことを期待するものであります。しかし、同時期に行われたイタリア総選挙の影響で急速に円高に振れるなど、日本経済を取り巻く状況は依然不透明であります。
ちなみに、平成23年度までの10年間における日本の平均経済成長率は年0.9%であるのに対し、昭島市の決算における一般会計の伸長率の平均は1.5%であります。大変ざっくりとしたとらえ方かもしれませんが、そのギャップを基金の取り崩しと借金で賄っているということになるのだと思います。
少子高齢化の進展だけではなく、家族にあっては核家族化や単身世帯の増加、地域においても自治会加入率の低下など、人間同士の結びつきが弱まれば弱まるほど、子育て、高齢者や障害者、教育、さらには医療、健康の問題など、行政に求められる比率が高まってまいります。
平成25年度の昭島市の予算規模は、一般会計で396億5500万円、特別会計も含めますと649億7343万4000円で、対前年度比5.4%の増という積極予算となっております。市民サービスの維持向上と自主自立の財政運営を図りながら、これだけの予算を組むこと自体、仕事とはいえ大変な御苦労があったであろうことは、想像にかたくありません。
財政運営を持続可能なものにするために、昭島市においては北川市長を先頭として行財政の健全化に取り組み、平成13年度からは事務事業評価制度、平成16年度からはさらに予算編成における枠配分方式の導入、平成23年11月には事務事業外部評価制度を導入しながら、限られた財源をより効果的・効率的に配分することで、予算の透明性・信頼性の確保に努めてこられました。
一方、財政の透明性・信頼性の確保という点では、公会計制度に対する取り組みも、この10年余りで大きく変わってまいりました。従来の現金主義・単式簿記を特徴とする会計制度、いわゆる官庁会計では、自治体の総合的な財務状況が把握しづらく、予算審議など内部管理への利用が困難であり、住民にとってわかりにくいという課題がありました。そこで、資産や債務の管理、費用の管理、財務情報のわかりやすい開示、行政評価・予算編成・決算分析との関係づけ、あるいは議会における予算や決算審議での利用という目的で、発生主義・複式簿記などの企業会計手法を自治体の公会計制度に取り入れる動きが出てきているのであります。
公認会計士出身で私たち公明党の竹谷とし子参議院議員が、あるニュースサイトのインタビューで次のように言われております。「現金の入金や出金を記録する単式簿記は、お金の収支を把握する意味で必要ですが、それだけでは不十分です。企業の会計でいえば、現場で使う補助的な帳簿の一つにすぎません。経営者が財務状況を判断するために使うのは、補助的な帳簿ではなくて、財政や経営状況の全体を見るためのバランスシートや損益計算書です。財政が良好ではない状態なのに、日本政府はバランスシートを余り見ないで、現金の出入りのみを予算・決算の中心にしていることが問題です」、このように指摘しております。
昭島市においても、平成13年度からいち早くバランスシートを導入し、その後、行政コスト計算書の導入、平成20年度決算からは地方公共団体財務書類作成にかかる総務省方式改訂モデルを用いた貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、及び純資産変動計算書の財務4表を作成、公表にするようになり、今日に至っております。
そこでお伺いいたしますが、これまでの昭島市の公会計制度に対する取り組みと、その効果についてお聞かせください。また、今後の課題についてはどのようにとらえておられるのでしょうか、御所見をお伺いいたします。
昭島市が採用している総務省方式改訂モデルは、全国の多くの自治体でも採用されておりますが、独自の会計制度を用いているのが東京都であります。東京都では、総務省が提示する以前の平成18年度から複式簿記・発生主義会計を取り入れた独自の公会計制度を導入しております。先日、公明党昭島市議団として、その公会計制度について講義を受けてまいりました。
総務省が提示した基準モデルや改訂モデルは、決算統計という全国統一的な基準にもとづく係数をもとに作成するため、客観的で自治体間の比較がしやすいというメリットがあります。また、建物などの固定資産の数字が過去の支出額の積み上げであるなど、決算統計の数字を組み替えて簡便に財務諸表を作成することができるのであります。
しかしながら、自治体の作成労力の抑制などに主眼が置かれた取り組みであり、適切な資金管理などの観点からすると、複式簿記・発生主義会計の本格的な導入という状態ではありません。また、複式簿記・発生主義会計を導入している基準モデルも、独自の考え方のモデルであり、採用する自治体が限られていることから、財務諸表の比較などの点で課題を残していると言われております。
時間的な問題も大きな課題であります。改訂モデルは決算統計情報の組み替えによって作成されておりますので、年度が終わってから1年以上たってからでないと作成されないことになります。極端な言い方をすれば、仮に必要性の低いことにお金を使ってしまったとしても、1年後に損をしていたなと見るだけで終わってしまう可能性があるということであります。一般的な企業の場合では、月に1度は決算情報を出しているようですし、競争が激しいところはもっと頻繁に厳しくチェックしているそうであります。
東京都は、複式簿記・発生主義会計を導入したことで、どの事業に毎年どれだけのお金を使っているかが明確になり、総額1兆円もの隠れ借金が判明したのであります。逆に言えば、従来の官庁会計では発見できなかったということであります。大阪府や新潟市など、全国でも東京都の公会計制度を導入する自治体が出てきておりますし、都内に限定しても、多摩地域では町田市が本年度から導入、区部では江戸川区が平成27年度からの導入予定と聞いております。そうしたそれぞれの自治体の動きや総務省がもともと一つのモデルに絞り切れなかったことなどを考え合わせますと、公会計のあり方は近い将来、東京都の公会計制度の方向に進んでいくように思われます。
以前のように、10年間の平均経済成長率が年9%以上もあったころであれば、収入がふえた分をいかに市民サービスとして還元させることができるかということが、政治家の仕事の一つであったかもしれません。しかし、昨今の経済状況からは、再びそのような時代が来るとは考えにくい状況であります。各部課における一つ一つの事業について、必要性、有効性、経済性、効率性、公平性などの観点からチェックし、より効果的で透明性の高い、市民の信頼に耐えうる財政運営が行われているのかどうか、そのことをしっかりと監視していく。また、そこのところを今後ますます私たちにも求められるようになってくるのではないでしょうか。
また、これまで取り組まれてきた事務事業評価、今年度から本格導入された事務事業外部評価についても、複式簿記・発生主義会計から得られる数字は、それぞれの事業を評価する上で、今まで以上に説得力のある裏づけを与えることになると思われます。
このように見てまいりますと、昭島市にとっても大変有益な会計制度ではないかと思われます。これまでの質疑の中で、市は、東京都市長会の中に研究会を発足させて、総務省が提示した基準モデルと改訂モデルの二つのモデル方式と東京都方式について、それぞれの長所や活用方法についての研究を進めると答弁されております。
また、東京都が主催する東京都の公会計制度に関する勉強会にも参加されていると伺いました。そうした機会を通じて、他の自治体の動向を初め、東京都の公会計制度のメリットや問題点、昭島市にとっての課題など、さまざまな情報をお持ちのことと思います。
そこでお伺いいたしますが、東京都の公会計制度を導入することについてはどのようにお考えでしょうか。東京都と昭島市では自治体としての規模、そこからくる所管部署の数や事務量など、さまざまな違いがありますので、単純にあてはめることはできないのかもしれませんが、導入する際の課題は何かということも含めて、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
私の質問は、以上です。
◎北川市長
皆さんおはようございます。本日は第1回定例会本会議4日目となりました。引き続いての一般質問でございますが、本日もよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
それでは、赤沼泰雄議員の一般質問について、私から御答弁をさせていただきます。
御案内のように、社会経済状況が目まぐるしく変化をし、地方自治体を取り巻く行財政環境は、引き続き厳しい状況にございます。こうした中で、持続可能な自治体経営を進めていく上で、これまでの現金主義による官庁会計から、資産や負債、あるいは公共施設にかかるコストを正確に把握をし、またわかりやすく市民に公表していくために、公会計制度改革は必要不可欠なものとなっております。
御質問にもございましたとおり、本市では平成13年度以降、他市に先駆けまして、バランスシート及び行政コスト計算書を作成し、また平成20年度決算からは資産・債務の適切な管理等の観点から、発生主義・複式簿記会計の考え方を取り入れました総務省方式の改訂モデルによる財務書類を作成し、昭島市の財務書類として市民の皆さんに公表してきたところでございます。
本市において採用いたしております総務省方式改訂モデルにつきましては、全国統一基準の決算統計に記録されている数値をもとに作成できますことから、他団体との比較も容易であり、多くの自治体が採用しております。しかしながら、企業会計と同等の固定資産台帳の整備を前提とした基準モデルや東京都方式のように、より精度を高めた財務書類の整備に努める必要性につきましては、十分認識をいたしておるところでございます。
こうしたことから、東京都が主催しております東京都会計制度改革研究会に本市も積極的に参加をし、各市と協力・連携をしながら、公有財産台帳の整備や財務諸表の活用などを研究しているところでございます。具体的には、現在、固定資産台帳の整備に向けまして、道路などのインフラ資産の評価手法の確立に取り組んでおります。これらを踏まえた上で、公共施設の社会的需要や老朽度、改修時の費用対効果などを勘案し、既存ストックの有効活用なども含めました公共施設台帳の整備を、今後進めてまいる予定でございます。こうした取り組みを進めながら、新たな公会計制度へ向けての努力をいたしてまいりたいと考えております。
また、東京都方式の導入につきましては、東京都方式では日々の会計処理の段階からのデータ蓄積により、精度が高く、より詳細で多角的に活用できる財務書類の整備ができるものとなっております。しかしながら、導入に当たりまして多額のコストを要することなどの問題点もございまして、本市においてすぐに導入できる状況には至ってございません。今後におきましては、東京都方式の財務書類の整備手法について、さまざまな視点から研究を深めながら、市民の皆様にもわかりやすい公会計制度改革への取り組みを進めてまいりたいと存ずる次第でございます。
