昭島市 令和4年9月 定例会(第3回)
8月31日
◆19番(赤沼泰雄)
ただいま議長の御指名をいただきましたので、通告に従いまして、順次質問させていただきます。
まずは、大綱1問目、平和への取組についてお伺いいたします。
細目の1点目として、核兵器の脅威についてお伺いいたします。
作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏は、以前、ある新聞のインタビューで次のように答えておりました。「現在、ウクライナで広がっている戦火を一日も早く終結させなければなりません。にもかかわらず、核戦争の可能性を軽々に口にするような人間がいます。それは非常に危険だと思います。口にすると、人間はいつしか慣れてしまうからです。」
ロシアのウクライナへの軍事侵攻後、核兵器が再び使用されかれないリスクが、冷戦後、最も危険なレベルに高まっていると言われておりますが、だからこそ、唯一の戦争被爆国の国民として、ヒロシマ・ナガサキという原点に立ち返って、冷静に核の問題と向き合うべきではないでしょうか。
今月26日、核兵器の不拡散と核軍縮の促進、原子力の平和的利用の3つを柱とする核兵器不拡散条約、NPTの運用状況を見直す再検討会議が閉幕いたしました。
NPTの締約国は、今月1日から約4週間にわたり、アメリカ・ニューヨークの国連本部で交渉を続けてまいりましたが、最終日になってロシアが反対し、前回の会議に続いて再び最終文書が採択できなくなったことで、NPT体制への信頼が大きく揺らぎかねない結果となりました。
一方、最終文書では、完全な核廃絶が核兵器の脅威に対する唯一の絶対的保障であること、また非保有国に核兵器を使用しないと保有国が約束をした消極的安全保障の条約化など規範の強化に向けた交渉が必要であることがアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の核兵器保有5か国を含む各国で確認されていたという事実は大きな意味があるのではないでしょうか。
今月1日に行われた一般討論演説で岸田文雄首相は、核兵器のない世界に向けた国際的な機運を高めるため、各国の現職・元職の政治リーダーの関与を得た国際賢人会議の第1回会合を11月23日に広島で開催するとともに、来年2023年にも広島でG7サミットを開催することを発表いたしました。
核軍縮は核廃絶に欠かせない現実的なステップであり、唯一の戦争被爆国として、日本は核保有国との率直な対話の中で核軍縮を進める責務があります。
核兵器の非人道性を訴えることと核抑止に代わる安全保障の模索は、核廃絶のための車の両輪であり、双方に取り組みながら、核兵器のない世界を目指すことが日本の核兵器禁止条約参加への環境整備につながってまいります。
そこでまずお伺いいたしますが、非核平和都市宣言を行っている自治体の長として、核兵器の脅威についてはどのように捉えているのでしょうか。平和への取組に対する昭島市長としての基本的な考え方についてお聞かせください。
次に、細目の2点目として、昭島市の取組についてお伺いいたします。
先日、市役所1階の市民ロビーで原爆被害に関するパネル展示が行われており、私も拝見いたしました。一瞬にして全てを奪う核兵器の恐ろしさや残虐さを写真一枚一枚が語りかけてきて、改めて一枚の写真が持つメッセージ性、またその写真の持つ力の大きさというものを認識したところでございます。と同時に、せっかくなので、もう少しスペースを確保して、パネル自体も増やしてもよいのではないかという感想も持ったところでございます。
いずれにしても、今回のNPT再検討会議や、6月に行われた核兵器禁止条約の締約国会議の結果などを踏まえると、これまで以上に核兵器廃絶に向けた機運を高めていく必要があるのではないでしょうか。
そこでお願いいたします。
平和に対する昭島市としてのこれまでの取組と、新たな取組があればお聞かせください。
また、可能であれば、平和首長会議を通じて、核兵器禁止条約の第2回締約国会議へ日本がオブザーバー参加することや、核保有5か国が速やかに核兵器の先制不使用の制約を行うよう、政府として最大限に努力することなどを具体的に要請すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
細目の3点目として、平和教育についてお伺いいたします。
岸田首相は、一般討論演説の中でさらに、未来のリーダーを日本に招き被爆の実相に触れてもらい、核廃絶に向けた若い世代にグローバルなネットワークをつくっていくために、国連に1000万ドルを拠出してユース非核リーダー基金を創設することも表明されておりました。
核兵器の再使用に対するリスクが高まっている今こそ、これまで以上に昭島市の小中学生をはじめとする若い人たちに被爆の実相に触れてもらい、核廃絶に向けてグローバルなネットワークの中で活躍できるよう、力をつけていっていただきたいと思うところであります。
そこでお伺いいたしますが、小中学校におけるこれまでの平和教育の取組についてお聞かせください。
また、今後、質量ともに拡充させていくことが重要ではないかと考えますが、その点に対する御所見をお聞かせください。
次に、大綱2問目、特定公共物についてお伺いいたします。
一般に利用されている道路、河川、水路などのうち、道路法、河川法といった法律で管理方法が定められているものを法定公共物というのに対し、法律の適用を受けないものを法定外公共物といいます。代表的なものとして里道や水路がありますが、それらのほとんどは地番がなく、法務局備付けの公図で、以前は里道が赤色で記載されていたことから赤線や赤道、水路は青色で記載されていたことから青線や青道とも呼ばれておりました。
法定外公共物は、その多くが地域住民の日常生活に密着した道路、水路として共同で利用されてきた一種の共有財産のようなものであったことから、明治時代の大改革と言われた地租改正で国有財産とされました。
その後、平成12年4月に地方分権一括法が施行され、国有財産特別措置法の一部が改正されたことによりまして、国有財産であった里道・水路等のうち市町村から申請のあったものについて、平成17年3月末までに法定外公共物として各市町村に無償で譲与されました。
昭島市においては、平成15年4月1日に国から3909件の法定外公共物、昭島市では特定公共物と呼んでおりますが、それが譲与されました。
昨年12月の建設環境委員会の時点で、これまでの売払実績は、平成15年から令和2年までの18年間における件数では108件、面積では6265.25平米、金額では4億8573万4752円でありました。全体の件数に占める売払実績の数字だけを見ても、そこに至るまでの大変な御苦労があったことと推察いたします。
そこでお伺いいたしますが、昭島市における特定公共物に関する問題点とはどのようなものがあるのでしょうか。
長い時間の経過の中で、周辺の農地等が開発されたり耕作されなくなるなど、不要となった里道や水路もあり、中には完全に機能を喪失し、事実上、周辺の民有地の一部となっていて、公図上でのみ存在するといったケースも少なくありません。このため、相続や売買の際に法務局で公図を取得して初めてうちの家の敷地の中に里道や水路が存在していることを知り、驚かれることもありますし、また善意か悪意かは別としても、不法占用となっているケースもあります。
この特定公共物の不法占用という問題について、昭島市としてもプロジェクトを組んで取り組んできた経緯があることは認識しておりますが、特定公共物の時効取得を認める凡例もあることなどから、時効取得を危惧する声もあります。
改めてお伺いいたしますが、昭島市として、不法占用の実態についてはどの程度把握されているのでしょうか。また、その不法占用に対してどのように取り組まれているのでしょうか。
昭島市特定公共物管理条例では、第21条に罰則を定めておりますが、実際に適用されたケースはあるのでしょうか。
また、罰則は5万円以下の過料となっておりますが、抑止力という観点から罰則を強化することについてはどのようにお考えでしょうか。
私の質問は以上です。
◎臼井市長
赤沼泰雄議員の一般質問にお答えいたします。
私からは、1点目の平和の取組についての基本的な考え方について御答弁申し上げ、他の御質問につきましては担当部長より御答弁申し上げますので、よろしくお願いいたします。
令和4年、今年ですね、2月24日、ロシアによるウクライナへの一方的な軍事侵攻が開始されてからもう半年余りが経過いたしました。不幸にして犠牲となられた全ての方々に改めて心から哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々及び祖国を追われ避難を余儀なくされている方々に心よりお見舞い申し上げる次第であります。
人々の貴い命と平和な暮らしを理不尽に奪うロシアによるこの侵略行為に対し、断固抗議いたしますとともに、一刻も早い平和的な解決を願うばかりであります。
私が参画する東京都平和の日記念行事企画検討委員会、これは昭和20年3月11日に東京大空襲、11万の方々が亡くなられたということで、決して忘れることはできない日であります。その検討委員会の場においても、ウクライナから昭島に避難してこられた方々から直接お話をお聞きし、自国で自宅のマンションが攻撃された様子など、ロシア軍の侵攻による平穏な生活が一瞬で奪われた、許し難い、そして恐ろしい事実の一端もその場で紹介させていただきました。
本市で生活をスタートした避難民の方についてでありますが、私は当初より、少しでも安心して日々を過ごしていただきたいとの思いから、できる限り寄り添い、どのような支援が必要なのかを丁寧に伺う中で、きめ細かなサポートに全職員連携の下で取り組むよう指示してまいりました。
今後、このウクライナ情勢がどのように推移していくのか不透明な状況でありますが、当面は継続的な支援が必要であるものと考えておるところであります。
引き続き、避難されてきた皆様に寄り添い、必要な支援内容を把握するとともに、国や東京都とも連携しながら、個々に置かれている状況に応じたきめ細やかなサポートに努めてまいる所存であります。
そして、このウクライナ情勢を機に、以前にも増して悲惨な戦争の記憶を忘れてはならない、戦争を繰り返してはならない、また戦争の惨禍を次世代にしっかりと伝えていくことが大変重要であるとの思いを一層強くしたところであります。
本年、昭島市が昭和57年に非核平和都市宣言してから昭和、平成、令和へと時代を変遷する中で、40周年の節目の年を迎えたわけであります。この宣言以来、真に平和な世界の実現には決して諦めない、たゆまぬ努力が必要であるとの考えの下、核と平和を考える市民のつどいを開催し、市民の皆様にも御参加いただく中で平和事業に取り組んでまいりました。
今後も、人類共通の願いである世界の恒久平和に向け、市民の皆様と共に一歩一歩確実に平和への歩みを進めていきたいと思っております。
かなうか、かなわないかじゃなくて、世界平和を目指していきたいと思います。
◎永澤企画部長
御質問の1点目、平和への取組について御答弁申し上げます。
初めに、核兵器の脅威についてであります。
本年1月、核兵器を保有する5か国、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国は、核戦争に勝者はいない、決して戦ってはならないという共同声明を世界に発信しました。
しかし、その翌月、ロシアはウクライナへの軍事侵攻に際し核兵器の使用を示唆し、国際社会に戦慄を走らせました。そして、世界に核兵器がある限り、私たち人類はその脅威にさらされているという現実を改めて全世界に突きつけました。
先行きが不透明な世界情勢の中、核兵器のない世界の実現は厳しさを増しているものと捉えております。
次に、昭島市の取組についてであります。
本市では、核と平和を考える市民のつどいを開催し、市民の皆様にも御参加いただく中で、パネル展示や映画会など様々な平和事業に取り組んでまいりました。
従来から実施しているパネル展示につきましては、令和3年度からアキシマエンシスの市民ギャラリーにおいても原爆に関連したミニミニ原爆展や被爆アオギリ二世を御案内する写真パネル並びに現在の平和記念公園一帯にあった旧中島地区の町並みを写した写真パネルを展示するなど、市役所本庁舎市民ロビーでのパネル展の開催と時期を合わせて事業を実施しております。
さらに本年は、ミニミニ原爆展で英語表記を追加するなど、工夫を加えながら内容の充実に努めております。
加えて、変わることのない平和への願いを込め、市民の皆様と改めて核のない平和な社会について考える契機とするため、原爆被爆者からの言葉を後世に伝えるために広島市が養成している被爆体験伝承者をアキシマエンシスにお招きし、被爆体験や平和への思いをお話ししていただく講話会を開催したところでございます。お子様と一緒に参加された御家族もおられ、話の中の悲惨な体験があまりにも恐ろしく、耳を背けたくなるような内容もございましたが、真に心に響くものでありました。
次に、核兵器禁止条約の締約国会議へ日本がオブザーバー参加することについてであります。
本市の加盟しております平和首長会議において第1回会議への参加を要請していたところではありますが、第2回会議への参加につきましても同様の要請を行うよう働きかけを行ってまいります。
さきのNPT再検討会議において核兵器先制不使用宣言に至らなかったことは承知しており、改めて、真に核兵器のない平和な世界の実現には、いまだ長い道のりとたゆまぬ努力が必要であると思うところであります。
いずれにいたしましても、核兵器を保有する国としない国がある中、昨今の安全保障環境に鑑みますと、世界唯一の被爆国としては、核兵器を保有する国、しない国、それぞれに非核平和を訴えていくべきと考えております。
引き続き、核と平和を考える市民のつどいの内容を充実しながら、時代を担う若者や子どもたちに戦争の悲惨さや核兵器の恐ろしさをしっかり伝えていくことが大切であるとの考えの下、市民の皆様と共に一歩一歩確実に平和事業の取組を進めてまいります。
◎高橋学校教育部長
御質問の1点目、平和への取組についてのうち、3点目の平和教育について御答弁申し上げます。
各小中学校においては、社会科を中心に道徳科、総合的な学習の時間など、人権教育と関連づけながら教育活動全体を通して平和教育を進めております。
こうした中、毎年市役所で開催している原爆と人間展の展示物を借用し、各中学校においても1週間程度の期間を設けて展示する取組を平成27年度から継続して実施しており、本年度におきましても9月2日からの昭和中学校をはじめとして順次実施していく予定となっております。
展示に際して、中学校では、8月6日に開催された広島市の平和記念式典において広島市長が発表した平和宣言の日本語版と英語版を全生徒に配付し、平和への理解を深めてまいります。
また、学校独自の取組として、つつじが丘小学校では、コロナ禍により中止とした令和元年度、令和2年度を除き、平成27年度から6年生を対象に、毎年、NPO法人から原爆の被害や威力及び構造などの化学的な説明ができる原爆先生を招聘し、広島の被爆当時の悲惨な状況や爆心地の様子などを解説していただく特別授業を実施しております。福島中学校では、長崎県、長崎市、長崎大学の3者で構成された核兵器廃絶長崎連絡協会主催のナガサキ・ユース代表団から外部講師を招聘し、令和2年度には3年生、令和3年度には1年生を対象に平和学習を実施しております。
今後におきましても、教育基本法や学習指導要領に基づき、教育活動全体を通して平和を尊ぶ心や世界の平和と発展に寄与する態度を養い、国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者に必要な資質を備えた児童・生徒の育成に努めてまいります。
◎鬼嶋都市整備部長
御質問の2点目、特定公共物についての適正な管理について御答弁申し上げます。
初めに、特定公共物に関する問題点についてであります。
地方分権一括法により、平成15年に国から譲与された赤道・水路等の特定公共物は、御質問にもありましたように3909件でありました。その中には不法占用の状態のものが存在していることや、多くが未舗装地であることから夏場を中心に雑草の繁茂の対応に苦慮していることなどであります。
次に、不法占用の実態でありますが、敷地の一部となっているものや建物が建っているものなど290物件を確認しているところであります。
それらの不法占用に対する取組でございますが、境界未確定物件については境界確定を行う必要があることから、平成19年度から平成23年度にかけて境界確定作業を行ったところであります。また、その際に状況の説明を行い、不法占用部分の撤去や払下げ等をお願いするなど解決に努めてきたところではありますが、地権者のその時々の状況により、その時点での対応が困難であったことなどから、令和3年度末時点での不法占用物件は206件となっております。
次に、不法占用者に対する罰則についてであります。
昭島市特定公共物管理条例第21条において定めております罰則規定の適用実績はございません。
また、罰則の強化についてでありますが、地方自治法第14条第3項及び同法第15条第2項に過料の上限が定められており、この上限額5万円以下の過料としていることから、罰則強化の予定はございません。
今後におきましても、特定公共物は市の貴重な財産でありますことから、適切な維持管理に努めてまいります。
