2024年4月4日
助成事業について説明を受ける真鍋市議(左)
■公明市議 闘病体験を踏まえ推進
がん治療に伴う外見(アピアランス)の変化に悩む患者を支援しようと、香川県善通寺市はこのほど、医療用ウィッグ(かつら)や乳房補整具の購入費用に対する助成事業を始めた。背景には、自身の闘病体験を踏まえて導入を訴えた公明党の真鍋範子市議の推進があった。
真鍋市議は2019年12月定例会で一度、アピアランスケアについて取り上げたが、前向きな答弁は得られなかった。それから約2年が過ぎた22年1月、顎の下にしこりを見つけた。すぐに病院を受診すると、悪性リンパ腫と診断された。
同年3月から抗がん剤治療が始まり、8月に寛解。闘病中は副作用により髪の毛が抜け落ちた。治療しながら議員活動を続けるために医療用ウィッグを購入したが、負担額の大きさを痛感した。
「抗がん剤治療を経験したからこそ、がん患者に寄り添って支援を訴える使命がある」―。こう決意した真鍋市議は、23年3月定例会でアピアランスケアについて再度質問。自身も医療用ウィッグを使用していると述べ、「患者の心の負担を少しでも軽くするために、補整具の費用助成を」と強く要望し、実現に導いた。
今回の事業は、購入日の翌日から1年以内に申請した医療用ウィッグと乳房補整具について、それぞれ1回限り費用の3分の2(上限2万円)を助成するもの。申請する補整具が過去に他の補助を受けていないなどの条件があり、市内に住所がある全年齢が対象だ。市保健課の香川昇課長は「より良い支援につなげられるよう、今後も周知に努める」と話す。
真鍋市議は「悩んでいるがん患者にとって、一つの“希望の光”になったと思う。これからも相談体制の充実などを推進していきたい」と語っていた。