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2025参院選 重点政策

2025参院選・公約

1.生活応援(減税と給付)

物価高が家計を圧迫するなか、昨年末の税制改正では、国民の手取りが増えるように、年収が 103 万円を超えると所得税が発生する課税最低限を公明党が主導して160万円に引き上げました。今年末より99%の納税者が2~4万円程度の減税となります。

一方で、賃金の伸びは急速な物価上昇に追いついておらず、実質賃金は未だマイナスの状況が続いています。

公明党は、物価高から国民生活を守り、家計の負担を軽減するために、減税と給付を適切に組み合わせ、生活を支えていくことが必要と考えます。

国の税収増等を活用し、「生活応援給付」として、国民に還元するとともに、さらなる所得拡大に向けて、家計の税負担を軽減する「生活応援減税」を実施します。

 

(1)所得税減税(控除の更なる引き上げ)

  • 昨年の税制改正において所得税の基礎控除の引き上げが行われたことを踏まえ、所得税の更なる負担軽減へ、今後は物価上昇等に応じて基礎控除等の額を適時に引き上げる仕組みを構築します。
  • 教育費にお金がかかる子育て世帯の負担軽減につながるよう、扶養控除など各種控除の見直しに取り組みます。

 

(2)生活応援給付で還元

  • 当面の物価高対策として、税収増等を活用し、「生活応援給付」として国民に還元します。金額は、税収の上振れ分や物価の状況などを見極めながら検討し決定します。また、支給方法については、迅速性や事務負担等を考慮し、マイナポイントなどの方法を検討します。

 

(3)自動車ユーザー減税

  • 自動車の取得、保有、走行の各段階で課されている様々な税制を抜本的に見直し、自動車ユーザーの税負担を引き下げます。
  • ガソリンの暫定税率(1リットル25.1円)を廃止します。年末の税制協議で廃止時期を決定し、当面の間、補助金による支援を継続し、ガソリン価格を引き下げます。
  • ガソリン価格の上昇等を踏まえ、マイカー通勤を行う従業員に対する通勤手当の所得税の非課税限度額を拡充します。

2.現役世代の所得を増やす

現役世代の所得を引き上げ、生活水準の向上につなげていくためには、長年続いてきたコストカット型経済から脱却し、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を確実なものとする必要があります。そのためには、重点分野の成長投資や生産性の向上、人への投資の拡大に取り組むとともに、こうした政策を実行するための財源をつくり出し、経済のパイの拡大、労働分配率の引き上げを実現し、国民一人一人の所得増加につなげます。また就職氷河期世代の皆さんを全力で支援します。

 

(1)奨学金減税

  • 若者世代を中心に奨学金の返済が生活の重荷になっていることから、様々な負担軽減策を実行します。まず、月々の返済額を自分で決められる「減額返還制度」の年収制限の緩和や、企業や自治体が行う「代理返還制度」の導入メリットの拡大など、より多くの方が利用できるよう制度を拡充します。加えて、奨学金返済額の一定割合を所得控除できる仕組みなど税制における支援も検討します。

 

(2)「正社員待遇」が当たり前に

  • 同一労働同一賃金の実現を通して従来の「正規/非正規」という概念をなくし、どのような雇用形態を選んでも、賃金などの労働条件に格差が出ないよう、「正社員待遇」が当たり前の社会をめざします。同時に、リスキリング(学び直し)やスキルアップなどに取り組む労働者への支援を充実し、所得の向上につなげます。

 

(3)もう少し働ける社会へ

  • 本人の希望に応じて働きたいときにもう少し働ける社会へ、労働者の健康を第一に、労働時間のルールの見直しや多様で柔軟な働き方を推進し、所得アップにつなげます。

 

(4)エッセンシャルワーカーの所得向上

  • 公定価格で運営される医療・介護・障がい福祉・子ども子育て分野における物価・賃上げコストの適切な反映や建設業における設計労務単価の着実な引き上げ、事業間取引における労務費を含めた適正な価格転嫁などを通じて、エッセンシャルワーカー[1]の所得を抜本的に引き上げます。

 

(5)中小企業の賃上げを集中的に支援

  • 雇用の7割を占める中小企業が、物価上昇を上回る賃上げができるよう、価格転嫁等による取引適正化の徹底や、5年間で60兆円の投資を集中的に行います。特に、サービス業など、最低賃金引き上げで大きな影響を受ける、人手不足が深刻な業種については、省力化やデジタル化をきめ細かく支援し、生産性の向上を実現します。

 

(6)新たな財源をつくり出す ~日本版「ソブリン・ウェルス・ファンド[2]」の創設~

  • 財政を育て政策実現の財源を創出するため、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)等の経験を活用し、国の資産を計画的に運用していく新たな仕組みとして、日本版「ソブリン・ウェルス・ファンド(政府系ファンド)」の創設をめざします。

[1] 日常生活の維持に必要不可欠な仕事(医療・介護・保育・物流・運送等)に従事する労働者

[2] ソブリン・ウェルス・ファンド(Sovereign Wealth Fund, SWF)は、政府や中央銀行が運用する投資ファンドのこと。政府系ファンドとも呼ばれる。

3.社会保障の充実

家計の負担を減らし、給料を上げて、生活を豊かにする。加えて、働き方や地域・家族のあり方が多様化する中で、ライフステージに応じた様々なリスクに対応できるよう、セーフティネットを強化することは、将来の安心につながります。年金、医療、介護、子育て支援など「社会保障」の充実によって、生活を支える基盤を強化し、誰もが安心して暮らせる社会をつくります。

 

(1)子育てのトータルな安心を確保

  • 妊娠・出産から子どもが社会に巣立つまでの切れ目ない支援を充実するために、公明党が提唱した「子育て応援トータルプラン」を踏まえ、児童手当の抜本拡充や妊娠・出産期の伴走支援、高等教育の無償化拡大などが着実に実現しています。子育ての不安を解消し、子どもを持ちたいと希望する人が安心して子どもを産み育てられるよう、さらに支援を充実し、子育てのトータルな安心を確保します。
  • 就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる「こども誰でも通園制度」について、保育人材の不足や利用時間等の課題の解消を図りつつ、地域の実情に応じた取り組みを進めます。
  • 放課後における子どもの安心・安全な居場所を確保し、「小1の壁」を打破するため、「放課後児童クラブ」などの受け皿の拡大に取り組むとともに、開所時間の延長や夏季休業中の対応など待機児童対策の充実に向けた支援を強化します。

 

(2)年金の給付水準を底上げ、高齢者が働きやすい環境整備

  • 現在の年金受給者はもちろん、将来世代にも安心いただけるよう、老後の所得保障の充実に向けて、すべての方に共通する基礎年金の給付水準を底上げします。
  • パート・アルバイトの方も、働く企業の規模にかかわらず厚生年金に加入できるよう、被用者保険のさらなる適用拡大を進め、保障を充実します。
  • 高齢者が働きやすい環境を整備するため、在職老齢年金の見直しを進めるとともに、ハローワーク等のマッチング機能の強化や定年後における継続雇用後の処遇改善に取り組みます。

 

(3)医療、介護DXで事業者や家族の負担を軽減

  • 介護事業所等のICT化による業務の効率化、情報の共有化を進め、介護従事者等の負担軽減とサービスの質・生産性の向上を図ります。
  • 移動が困難な高齢者のために、オンライン診療や健康状態のモニタリング等による地域医療の提供体制の整備、介護施設や在宅介護における人手不足を補うための介護記録の電子化や介護センサーの導入等の取り組みを進めます。

 

(4)がん検診の充実

  • がんの原因となる感染症などリスクに応じた検診の実現、企業等におけるがん検診受診率の向上とともに、女性、障がい者、非正規雇用者など誰もが質の高いがん検診と治療を受けられる社会を構築します。

【現下の重要政策課題】

<コメの価格高騰対策>

コメの安定供給と価格抑制に向け、公明党は備蓄米の活用に道を開き、店頭価格の引き下げに努めてきました。今般、これまでの取り組みに加えて、備蓄米の売り渡し方法の見直しや、これまでの売り渡しで生じた差益分を活用した流通経費等への支援を新たに要請し、5キロで2千円程度の備蓄米が流通し始めました。引き続き、国民が対策の効果を十分に実感できるよう、あらゆる手立てを講じてコメの価格高騰対策に取り組むとともに、来年以降こうした事が起こらないよう、生産者への支援を含めた抜本的な対策を講じます。

 

(1)適正価格での流通を促し消費者の不安に応えます

  • 消費者と生産者が納得できる価格に落ち着くよう、肥料・燃料等の生産・流通コストの増加を適切に反映するとともに、きめ細かな流通実態調査と取引適正化に向けた監視機能の強化を推進します。

 

(2)生産性向上とセーフティネット対策により生産者の不安に応えます

  • コメの安定供給を確保するため、コメを増産します。農家の所得向上に向けて生産性を向上させるため、農地の大規模化・集約化、担い手の育成支援、スマート農業や高温に強い品種の導入を推進します。
  • 大規模化が難しい中山間地域についても、国土を守る上で欠かせない地域であることから、安心して営農できるよう支援を強化します。
  • コメの価格が急落する恐れがある場合には、当面は政府が備蓄米を買戻すことによって流通量を調整し農家を守ります。また、価格下落や不作時など農家の経営リスクを支えるセーフティネット対策については、収入保険の拡充などにより万全を期します。

 

 

<消費税の軽減税率について>

少子高齢化、人口減少が進むなか、国民の将来不安を払拭するためには、社会保障制度の持続可能性の確保が何より重要です。そのために公明党は、社会保障と税の一体改革を行い、安定財源を確保しつつ、年金・医療・介護・子育て支援など社会保障の充実に取り組んできました。

一方で足元の物価高、とりわけ食料品の継続的な値上げが家計に与える影響は大きく、2024年のエンゲル係数は28.3%と、1981年以来、43年ぶりの高水準を記録しました。

こうした中で、公明党の主張で導入した消費税の軽減税率は、日々の生活に不可欠な食料品の購入にかかる痛税感を緩和し、家計の負担を軽減する大事な役割を果たしています。

その上で公明党は、軽減税率について、財源を確保しながら、福祉的な観点から税率を深掘りし、恒久的な措置にしていくことが必要と考えます。

我が国の消費税率10%は、導入している主要国で最も低い税率ですが、軽減税率8%は最も高い水準となっています。

他党の中には、物価高対策として軽減税率の時限的な引き下げを主張する声もありますが、公明党は、一時的な物価高対策のために消費税率を下げることは、事業者の手間等も考えると非効率であり、適切ではないと考えています。

国民が安心できる社会保障制度の構築は、与野党共通の最重要課題であり、こうした議論とあわせて、軽減税率のあり方を検討していくべきです。軽減税率が果たす役割や機能を一層拡大し、生活の安心へとつなげていくために、税率の引き下げなどについて検討を進めます。

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