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瀬戸内海の魅力 世界へ
国立公園指定から80周年

 

▲世界で最も美しいと評される瀬戸内海。夕日に島々が映える(愛媛・今治市の亀老山展望公園から撮影)

「瀬戸内海国立公園」が3月16日、国立公園指定から80周年を迎えた。世界的に著名なニュージーランドのヨットレーサー、ラッセル・クーツが“世界で一番美しい”と評したとされる瀬戸内海。その魅力を生かした施策を次々と展開し、活性化を進める同圏域内の取り組みを追った。(公明新聞2014年3月29日付)

“多島美”生かし活性化

自転車通行の無料化、小型バイク積載船導入へ 博覧会、国際芸術祭も



宝石のように輝く海面に島々が映える。家島諸島が顔を出す播磨灘を一望できる万葉の岬(兵庫県相生市)。約3000の島々が点在する瀬戸内海国立公園の一つだ。世界初の旅行会社を設立した英国のトマス・クックは「湖のほとんど全てを訪れているが、瀬戸内海はそれらのどれよりも素晴らしい」(『トマス・クック物語』中央公論新社)と絶賛していたという。

▲開幕した「瀬戸内しまのわ2014」を訪れた観光客ら=21日 広島・宮島

「瀬戸内海は自然や食べ物、人情など多くの風情があり、宝箱のような地域。全国、世界に発信していこう!」。3月21日、瀬戸内海を舞台に広島、愛媛両県が共催する博覧会「瀬戸内しまのわ2014」が開幕した(10月26日まで)。記念式典が開かれた広島県の宮島では、各自治体がブースを出し特色をPR。兵庫県から家族と訪れていた田端亮太さん(38)は「豊かな自然を満喫し、子どもと一緒に楽しみたい」と話していた。

博覧会では期間中、グルメフェスタや花まつり、島巡りクルーズ、現代アート展、コンサートなど300以上のイベントが行われる。

なかでも、最終日に行われる瀬戸内しまなみ海道(西瀬戸自動車道)をコースとした「国際サイクリング大会」は国内外から注目を集めているメーンイベントだ。

▲しまなみ海道を軽快に走るサイクリストら

舞台となる愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ同海道は、普段でも“多島美”を眺めながらサイクリングを楽しむ人が多く訪れるところ。橋に併設された歩行者・自転車道で瀬戸内海を渡ることができるからだ。この特徴を生かし両県はこれまで、“サイクリストの聖地”として全国に売り出しており、サイクリングを楽しむ観光客は年々増加傾向に。昨年度、レンタサイクルの利用台数は、過去最高の約7万5000台に上った。

この“追い風”になると期待されているのが自転車通行の無料化だ。現在、全線走行すれば、計500円掛かるが、公明党が地域振興の観点から、太田昭宏国土交通相(公明党)に自転車通行無料化を粘り強く要望。今年2月には、太田国交相が「無料化が促進されるよう直ちに指示をしたい」と明言し、具体的な協議が進められることになったのだ。

一方、明石海峡大橋が架かる兵庫県でも新たな動きが始まった。

「復活するなら利用しますよ」。同県淡路市で喫茶店を営む太田正昭さん(60)が目を輝かせた。復活するのは、現在、本州と淡路島を行き来することができない125㏄以下の小型バイクの輸送手段のこと。公明党の推進により、小型バイクなどを積載できる新造船の導入で、国や関係自治体が合意。来年夏をめどに運航が始まる予定で、島内を巡る“観光の足”として期待が高まっている。

既に国内外から注目されている取り組みも。「瀬戸内国際芸術祭」だ。2010年の1回目は香川、岡山両県内8カ所の島や港を会場に、18カ国・地域から75組の作家が出展し、105日間で約93万人が来場。昨年開かれた2回目は作家が200組に増え、新たに五つの島などが会場に加わった。島の特色を踏まえ春、夏、秋で会場を分けて実施。来場者数は108日間で107万人を超え、経済波及効果も「132億円に上った」(同芸術祭実行委員会)という。次の16年開催に向け、同実行委員会では、ファン層拡大への仕掛けを検討中だ。

公明党離島振興対策本部「瀬戸内海フォーラム」

ネットワークで施策推進/識者ら招き意見交換/「広域観光ルート」など提唱


公明党において、瀬戸内海の広域的な振興策を検討し活性化を図る“軸”になってきたのが、2011年8月、離島振興対策本部(遠山清彦本部長=衆院議員)内に設置された「瀬戸内海フォーラム」(山本博司座長=参院議員)だ。現在、兵庫、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛の瀬戸内海沿岸7県の公明党議員が参加する。

▲多数の来賓が出席し開かれた「瀬戸内海フォーラム」=2月9日 兵庫・淡路市

初会合は広島市内で同年10月に開かれた。席上、山本座長は「瀬戸内海全体をつなげる広域、一体的な振興策の構築が必要。自治体を超えて連携できる公明党のネットワークの力を発揮しよう」と訴えた。

公明党の“強み”を生かした施策推進をめざし出発した同フォーラム。毎回の会合には各県の公明党議員のほか、行政、企業関係者らが参加し意見交換を重ねる一方で、著名な識者らによる講演・提言を政策立案に反映させてきた。

11年12月、高松市で行われたフォーラムでは、香川県観光協会会長の梅原利之氏が「京都から西の西日本に、(東アジアを中心とした)観光客を呼び込むため、瀬戸内海を核にした広域観光ルート(エメラルドルート)を」と提案し、公明党の取り組みに期待を表明。12年3月、岡山県玉野市では、瀬戸内国際芸術祭総合ディレクターの北川フラム氏が「島に住んでいる人々が幸せを感じるような観光の在り方でなければならない」と指摘。同年9月、岡山市では植物生態学者の宮脇昭・横浜国立大学名誉教授が「地域経済と共生する『いのちの森づくり』を瀬戸内地域から全国、アジア、世界に発信してもらいたい」と要請した。

また、今年2月には兵庫県淡路島の淡路市でフォーラムが開催され、国文学者の中西進・京都市立芸術大学名誉教授が「国内への認知を広げるため『瀬戸内海圏』の構築を提唱したい。さらに瀬戸内海圏を多島海域など四つの圏に分け、文化振興などを議論すべき」と述べ、注目された。

この間、公明党の国・地方議員は視察調査を重ね、瀬戸内海沿岸地域や離島の活性化につながる施策などを提案、推進してきた。