さらにきめ細かな社会保障の充実と教育の改革

社会保障と税の一体改革関連法が昨年成立しました。これにより当面の年金改革(年金受給資格年数の25年から10年への短縮、被用者年金の一元化等)と、子ども・子育て支援は成果を得ました。公明党は、包容力のある「共助社会」をめざし、引き続き、年金・医療・介護・子育て支援等の充実に取り組みます。
また、いじめ問題への対策や教育委員会制度の機能強化、大学教育の改革、奨学金制度の拡充など、教育の改革に取り組みます。

ワークライフバランスの推進
(仕事と子育て・介護等との両立)

①待機児童を早期に解消(遅くとも5年で解消)

待機児童解消への取り組みを加速化し、可能な限り早く、遅くとも5年で解消します。
認定こども園、保育所の整備促進、小規模保育や延長保育、病児・病後児保育、夜間・休日保育などを計画的に拡充します。また、社会福祉法人だけではなく、株式会社やNPO等、多様な主体の参入を進めます。仕事と家庭の両立支援に積極的に取り組む企業に対する税制優遇制度を積極的に検討します。
それとともに、認可外保育施設の認可施設への移行を促進するための財政支援等を拡充。保育士等の必要な人材の確保、処遇改善を進めます。

②幼児教育の無償化を推進

すべての子どもに質の高い幼児教育を保障するため、小学校就学前3年間の幼稚園・保育所・認定こども園等の幼児教育の無償化を実現します。まずは、保育所の待機児童の解消を進めながら、財源の確保とあわせ、段階的な導入をめざします。

③短時間正社員制度など多様な働き方を促進

【既述】

④育児介護休暇・休業を拡充

仕事と子育ての両立を推進する施策を充実させます。男女とも正規・非正規を問わず、子どもが3歳になるまでは育児休業(現行:1歳まで。一定の場合は1歳半まで)を取得できるようにします。また、子どもの看護休暇制度の対象者を、現行「就学前」を「就学後の児童」へ、短時間勤務等の措置が受けられる対象者を、現行「3歳未満」を「就学前」へ、それぞれ拡充します。
介護と仕事の両立を図るためには、介護休業・介護休暇・短時間勤務等の制度を拡充し、あわせて要介護者の状況等によって柔軟に介護休業制度を活用できるよう見直します。
企業における従業員の仕事と子育ての両立支援を推進するための「次世代育成支援対策推進法」(2014年度末が期限)を延長します。また、ワークライフバランスを推進する企業に対する税制優遇を含めた支援措置を設けます。

充実の医療・介護体制の確立

①「地域包括ケアシステム」を構築

医療、介護、生活支援サービスを、高齢者が住み慣れた地域で安心して受けることができるよう「地域包括ケアシステム」の構築を進めます。小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせた複合型サービスを大幅に拡充。さらに、ICTの活用も含め24時間365日いつでも利用可能な在宅支援サービスを強化します。あわせて、必要な介護・看護人材の確保、処遇改善を進めます。

②健康日本へ、がん対策・予防医療を拡充

健康長寿の社会を構築するため、がん、循環器疾患、糖尿病などの生活習慣病の予防対策を進めます。
がん対策については、放射線療法・化学療法の普及と専門医を育成。また、がんを担当するすべての医師への緩和ケア研修の推進、がん検診率50%以上の達成、がん登録の義務化、新たな医薬品などの承認審査の迅速化等に取り組むなど、がん対策推進基本計画の個別目標の実現をめざします。
あわせて、小中高校生に対するがん教育を推進します。
2013年度から定期接種化された子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌に加え、成人用肺炎球菌、水痘、おたふくかぜ、B型肝炎など、必要なワクチンの定期接種化を推進します。

③高額療養費制度の見直し

高額療養費制度について、70歳未満の年間所得300万円以下世帯(住民税非課税世帯は除く)の医療費の負担上限額を、現在の月額約8万円から約4万円に引き下げます。また、年間上限額の新設や70歳未満について医療費が2万1千円を超えたものでないと世帯合算できないなど、現行制度が抱える問題を早急に見直します。

④難病対策の抜本的な改革

難病対策を抜本的に改革し、難病で苦しむ患者を社会で支える体制を築き上げます。
そのため、将来にわたって安定的な難病対策が施されるよう、医療費助成の対象疾患の拡大、医療体制の整備、効果的な治療方法の開発・研究の促進、就労支援の拡充・強化、福祉・介護の充実などに力強く取り組むための「難病対策総合支援法(仮称)」を早急に制定します。
医療費の負担軽減については、医療保険における高額療養費制度の見直しとあわせて、適切な措置を講じます。

⑤再生医療を推進

世界に先駆けて、国民が「iPS細胞」等による再生医療を迅速かつ安全に受けられるようにするため、先進的な研究開発への助成等の支援、臨床研究や治験環境の整備、承認審査の迅速化、専門的知識を有する人材の確保と養成、などを進めます。

年金の機能を強化

①低所得者への年金加算の拡充

新たな福祉的給付として実施される実質的な年金加算や免除期間加算の効果を検証し、より一層の拡充による低年金・無年金対策に取り組みます。その際、あわせて障害基礎年金の加算など所得保障をより充実させます。

②被用者年金のさらなる適用拡大

社会保険における「格差」を是正するために、一体改革による短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大(2016年10月)を踏まえ、さらなる被用者年金の適用拡大に取り組みます。
また、マイナンバー制度の早期導入による「免除制度」の確実な適用を図るなど、国民年金の未納・未加入問題の解消を進めます。

万全なセーフティネットの強化

①新しい生活困窮者支援制度を構築

生活困窮者が自立でき、安心して暮らすことができるよう、総合的な生活困窮者支援の体制を整備します。生活困窮者に対する包括的な相談支援事業、中間的な就労の場の提供、教育学習支援、住まいの確保のための給付金の支給など、地域の実情に応じて実行できる施策です。また、低所得世帯などに対する生活福祉資金貸付制度など既存の制度を含め、万全なセーフティネットを構築します。

②子どもの貧困対策を総合的に推進

子どもの将来が、生まれ育った環境によって左右されず、健やかに育成される環境を整備するため、教育の機会均等、生活支援、経済的支援、保護者の就労支援など、子どもの貧困対策を総合的に推進する体制をつくります。

③求職者支援制度を充実

求職者支援制度は、雇用保険を受給できない場合に職業訓練や生活費の支給を受けることができる制度です。対象となる職業訓練のメニューを社会的ニーズや対象者のニーズに合わせ拡大するなど、制度の充実を図ります。

④税と給付を組み合わせた生活支援制度の導入

生活支援、子育て・教育支援等のため、減税と低所得者への給付を組み合わせた「給付付き税額控除制度」の導入を検討します。

教育の改革

①いじめのない学校へ、体験教育の充実など

スクールカウンセラーや児童支援専任教諭等の常時配置を一層進めます。それとともに、養護教諭の大幅な増員を図るなど、いじめ等で悩む子どもたちが相談しやすい環境を整えます。
子どもの健やかな成長のために文化・芸術等の体験学習をはじめスポーツやキャンプ等の自然体験などを増やします。

②教育委員会制度の機能を強化

いじめ・体罰などは、現在学校を取り巻く深刻な課題です。この課題等に適切に対応するため、教育委員会制度について、政治的中立性・教育の継続性をしっかりと確保した上で、権限と責任を明確にし、教育委員の選定方法を見直し、その機能強化を行います。
さらに、議論の形骸化を防ぐため、地域住民の意向が反映される仕組みの導入に取り組み、教育委員会制度の質の向上を図ります。

③大学教育の改革

就職活動期間の早期化・長期化を是正するため、学生の就活開始の時期を遅らせます。社会の求める人材を育成するため、大学生のインターンシップ参加、資格取得などキャリア形成支援を強力に推進します。
秋入学やギャップイヤーの導入により、海外への留学生数を倍増させるとともに、留学生数増加に向けた留学奨学金などの経済支援を抜本的に拡充します。
給付型奨学金の創設や無利子奨学金の拡充をめざし、現行10%の奨学金延滞利息の引き下げなどを実現します。

④障がいのある子どもへの特別支援教育

障がいのある者とない者が共に学ぶことを通して、共生社会の実現に貢献しようという考え方=「インクルーシブ教育システム」を構築し、特別支援教育の充実を推進します。小学校・中学校・高等学校等に特別支援学級の設置を推進するとともに、特別支援教育支援員の拡充を進め、国連の障害者権利条約の批准を推進します。

⑤教育ニーズの多様化への対応
(電子黒板やデイジー教科書の普及)

教育ニーズの多様化に対応するために、電子黒板をはじめとしたICTを利用した教育プログラムを普及させます。また、特別支援教育でのマルチメディアデイジー教科書の導入を促進するなど、教科書のバリアフリー化を進めます。

⑥文化芸術立国の実現

【既述】

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