議員自ら、し尿船の船底に入って証拠を発見

公明党は一貫して公害問題に力を入れてきた。その取り組みは常に、議員自ら現場に足を運び、身を挺して調査を行うものだった。中でも、1963年の都議会公明党(当時は公明会)による隅田川し尿不法投棄問題の追及は、語りぐさとなっている。  当時、都江北清掃作業所で、都の清掃車が集めてきた大量のし尿の一部が、消毒もしないまま隅田川に垂れ流されていた。周辺住民が悪臭に悩まされているとの情報を得た公明都議は、現地調査を重ね、不法投棄の証拠写真まで揃えて都当局を追及。だが、都側はのらりくらりの答弁を重ねた。  さらに、業者と都職員が事実を隠そうとする中、公明都議はメタンガスが充満し、悪臭立ち込めるし尿運搬船の船底に入り、放流口を閉ざした真っ白い釘を見つけた。それは、追及を恐れて最近放流口を閉鎖したという動かぬ証拠であった。  そして、清掃所周辺の川ざらいや河川消毒などが行われ、し尿不法投棄事件は終止符を打ったのである。

【写真】大量のし尿を隅田川へ不法に投棄していた、し尿運搬船の船底で調査を行う公明・星野都議会議員ら (東京 1963年7月2日)