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みんながヒーロー(HERO)に!/大リーガー岩隈投手らプロジェクト始動/いじめ撲滅へ勇気の行動/浜松市

2017 . 12 . 16

いじめはなぜ起こるのか、どうすれば止められるのか。その答えを科学的視点から考え、研究の成果を使って正しく効果的な対処法を見つけ出す――。これまでにないアプローチで、いじめ撲滅をめざすプロジェクト「BE A HERO」を米大リーグ・マリナーズの岩隈久志投手らが立ち上げ、このほど浜松市の市立中郡中学校で、同校と中郡小学校の5、6年生の児童・生徒約620人を対象に初めてのセミナーを行った。

小中学生620人 予防プログラムを実践

同プロジェクトは11月20日に発足。「科学でいじめのない世界を創る」をテーマに、教育のさまざまな問題を科学的な研究成果を用いて解決する指導法を提案している。岩隈投手と共同でプロジェクトを推進する「子どもの発達科学研究所」(本部・大阪市、研究拠点・浜松市)が開発した「いじめ予防プログラム」などを使い、全国の学校やイベントなどで啓発していく予定。

浜松市立中郡中学校のセミナーで正しい行動を起こそうと生徒らに呼び掛ける岩隈氏ら浜松市でのセミナーは、岩隈投手のほか、同研究所の和久田学主席研究員らが講師を務めた。和久田氏は、思春期には気持ちや行動をコントロールする機能が育ちにくく、精神的に不安定になることを説明。「傷つけ合うのでなく、互いに安全な空間をつくることが大切だ」と強調した。

この後、いじめに対する正しい行動を身に付ける予防プログラムを実践。和久田氏は、学校で起こり得る場面として(1)ある日、急に無視された(2)鬼ごっこをするとAさんが必ず鬼になる(3)部活内でレギュラーの人が後輩に荷物を持たせる(4)転校生を仲間として受け入れない――を一つずつ提示した。それぞれの場面ごとに、どういう行動を取るべきかについて2種類の答えを示し、子どもたちは周りの人と議論して自分が正しいと思う答えを選択。その後、和久田氏が正しい行動を各場面ごとに説明した。

ヒーロー(HERO)になるために最後に和久田氏は、各場面で正しい行動を取るには四つの勇気が必要だと強調し、各キーワードの頭文字をとった「HERO」に込めた思いを子どもたちに語りかけた。

さらに、岩隈投手が「一人一人が行動を起こすヒーローになってほしい。勇気を持って声を出せば強い人間になれる」と激励した。

この学習は、いじめの加害者の「シンキングエラー」(「これは遊びだから問題ない」などという間違った考え)を予防したり、子ども同士で居心地の良い安全な空間をつくれるようにする効果があるという。子どもたち一人一人は“HEROになるために自分が何を変えていくか”を決意し行動宣言を用紙に記入。参加した中学2年の男子は「誰に対してもやさしくしたい。自分もヒーローになろうと思いました」と語っていた。

セミナー終了後、岩隈投手は市役所で鈴木康友市長と懇談。これには、同プロジェクトを後押しした公明党の黒田豊、松下正行、小倉篤、幸田惠里子、丸英之の各市議も同席した。