
返済に苦慮 限界のある「貸与型」
「返す額の多さに、びっくりしました」
都内のIT企業に勤めるSさん。有名私立大学院を卒業後、同支援機構から届いた奨学金の返還を求める手紙を見て、息が詰りそうだった。
Sさんは、大学4年時、家庭の経済的事情から緊急採用奨学金(有利子)の貸与を受けた。その後、大学院へ進学し、無利子奨学金の貸与も受けた結果、奨学金の合計貸与額は300万円以上にのぼっていた。
Sさんは、現在、月2万円以上を返済している上、別の教育ローンの返済が月3万円あり、経済的負担は軽くない。「奨学金のおかげで大学院にも行け助かった。しかし、20年近くかけて返すのは大変。結婚など遠い話だ」とこぼす。
埼玉県に住むKさんも、大学時に奨学金(有利子)480万円の貸与を受けた。社会人となり、月2万5000円を返済中だが、給料から生活費も除くと、手元にお金はほとんど残らない。「今後、返せるのか、不安でいっぱい」と語る。
返済に困惑する卒業生のほか、返済の自信がないため進学を断念する学生も出るなど、「貸与型」奨学金だけでは、学生の負担軽減策に限界があるのも事実だ。
景気悪化で高まる奨学金の重要性
景気の悪化により、学生の経済状況が厳しくなっていることは、数字上からも示されている。
同支援機構がまとめた2008年度学生生活調査結果によれば、大学の学部生(昼間部)の年間平均生活費は67万6300円で、ピーク時の00年度と比べ27・8%も減少。逆に、授業料などの学費は約118万円で過去最高を記録した。
一方、学生の収入総額に占める奨学金の割合は1998年度が7・0%だったのに対し、08年度は15・3%と倍増した。
こうした背景を踏まえ、近年、教育関係者から提案されているのが、「給付型奨学金」だ。「給付型」は、貸与型と違って、卒業後の返済は不要。返済の心配から奨学金を受け取ることを諦める学生の問題に対応でき、欧米などでは充実した制度として整備されているともいわれる。
日本でも、大学の一部では「給付型」を導入し始めているが、公的な奨学金制度には未だない。
公明は実現へ全力。民主は消極的
学生が安心して勉学に励めるよう、奨学金制度の抜本的拡充を図ってきたのは公明党だ。例えば、99年度にスタートした有利子奨学金「きぼう21プラン」は、一握りの英才を育てる従来の制度から、希望者ほぼ全員が貸与を受けられる制度へと転換させるものだった。その後も、公明党は一貫して、貸与人員枠拡充、緊急採用奨学金の創設などを推進してきた。
「給付型奨学金」についても、09年に発表した学生政策集「スチューデント・ポリシー」や、衆院選マニフェストで、「『給付型奨学金制度』の創設」を明示するなど、実現をめざしている。
一方、民主党もマニフェストで、給付型奨学金について言及しているが、「検討を進めます」とあるだけで消極的。実際、鳩山政権では「給付型」の実現への具体的な道筋を示されていない。
公明党は、どこまでも「学生のミカタ」として、給付型奨学金の導入に全力投球していく。














