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緊急経済対策

円高対策・デフレ脱却に向け4兆円の補正予算を

はじめに

緊急経済対策の予算の内訳

2010年4―6月期のGDP成長率は0.1%と非常に低く、日本の自律的な景気回復には程遠い。景気減速と踊り場の懸念が高まりつつあります。さらに、急速な円高が進み、日本経済の空洞化や雇用の喪失など、国民生活にさまざまな影響を及ぼすことが懸念されます。

しかしながら、今の民主党政権は、党内政局にかまけ、日本経済・国民生活を断固として守るという、強い覚悟・意志がまったく見受けられません。

8月30日に、政府は「経済対策の基本方針について」を公表し、また、日銀も臨時の政策委員会・金融政策決定会合を開催し、追加の金融緩和を決定しました。しかし、市場は反応せず、危機意識が乏しく、また、小手先の鈍い対応に対して、明確に「NO」の意思を示しています。政府が9月10日に取りまとめようとしている経済対策も、その規模も含めて、現下の経済状況を回復させるにはあまりにも力強さに欠けるものです。

急激な円高・株安の緊急事態を踏まえ、さらにデフレの脱却に向けて、政府・日銀が一体となって、危機を打開し、国民生活の安定に全力を尽くさなければなりません。そのためには、成長戦略の即時実行とともに、補正予算の編成を含めた追加的な緊急経済対策を速やかに取りまとめ、実行に移すべきです。

こうした視点から、公明党は、以下の通り「円高対策・デフレ脱却に向けた緊急経済対策」を取りまとめました。

予算規模

(1)規模

約4兆円(3兆9700億円)

(2)財源

  • 経済危機対応・地域活性化予備費=0.9兆円
  • 09年度決算剰余金=0.8兆円(プラス0.8兆円)
  • 建設国債=1.5兆円

体制作り・為替対策・金融対策

危機克服へ向けた体制

(1)国際協調体制の確立(緊急通貨協調会議の設置)

急激な円高に対して我が国の毅然たる意思を示す。早急にG8等の開催を呼び掛け、国際協調のもとで是正と安定をめざす。

(2)デフレ克服へ向けた議論の開始

デフレ克服へ向けた対策を実行するには政治の強いリーダーシップが不可欠である。閉会中審査も含め、国会における議論を早急に開始すべきである。

為替対策

急激な円高に対しては、国際的な協調体制のもとでの是正と安定をめざすとともに、必要に応じ単独介入も実施する。

金融対策

(1)デフレ克服のため日本版物価目標政策(インフレターゲット)の導入

デフレ克服のために政府と日銀が物価目標を共有し、協力して、3年を目途に実質2%程度、名目3~4%程度の経済成長を達成する。

(2)日銀による追加的な金融緩和

8月30日に発表した追加緩和策に加え、デフレ脱却へ向けて日本銀行は追加的な金融緩和を実施すべきである。

景気対策

(1)地方の活性化【2兆3900億円】

「地域活性化臨時交付金」(仮称)を地方公共団体へ(1兆2000億円)

社会資本整備(4800億円)

  • 道路の維持管理事業、幹線道路の整備促進
  • 公共関係施設の太陽光発電、洋上風力発電などを推進
  • 地上デジタル放送完全移行への支援策
  • 上下水道施設耐震化ならびに更新事業前倒し実施など

社会資本ストックの予防保全対策(3100億円)

  • 橋梁の耐震補強や道路の斜面補強、港湾施設、ゲリラ豪雨対策、学校の耐震化など

既存住宅流通円滑化事業(300億円)

農林水産関連(3200億円)

  • 米の需給調整のための緊急買い入れ
  • 農山漁村地域整備交付金など

観光振興(500億円)

(2)雇用対策【3100億円】

「ふるさと雇用再生特別事業基金(1000億円)」「緊急雇用創出事業(1500億円)」の第2弾実施により、自治体での緊急雇用創出。その際、「新規事業」の要件緩和を行う

正規雇用を一定率以上達成した企業への補助金の増額(300億円)

未就職卒業者の早期就職支援、「就活手当」の創設(150億円)

フリーター等正規雇用化緊急支援(150億円)

(3)「新しい福祉の実現」に向けた環境整備【4600億円】

うつ病対策や独居老人対策など従前の年金、医療、介護に加えて、従来の枠組みを超えた「新しい福祉」の実現のための環境整備を推進し、安心の国民生活を実現する。

◆子育て支援(1800億円)

  • 待機児童ゼロに向けた保育施設の緊急整備
  • 「児童虐待防止対策緊急強化基金」の創設
  • 妊婦健診支援基金の積み増し
  • 出産育児一時金の拡充の前倒し実施

◆医療関連緊急対策(1600億円)

  • 地域医療再生基金の拡充
  • 未承認薬開発支援の推進
  • 不妊治療費助成の拡充

◆介護、障がい者、うつ病関連対策(1200億円)

  • 「介護従事者処遇改善交付金」の対象枠の拡大
  • 認知行動療法の普及に向けた体制整備
  • 障害者自立支援機器研究開発促進事業の拡充
  • DV被害者支援の民間シェルターへの財政支援基金

(4)環境対策に資する需要喚起【5100億円】

  • 家電エコポイントなどの継続(1500億円)
  • 住宅エコポイントの延長・拡充(1000億円)
  • リフォームエコポイント制度の創設を含む
  • 太陽光発電の拡大(500億円)
  • 「スクール・ニューディール」構想の推進(2000億円)
  • 電気自動車普及促進ならびにEV自動車事業のインフラ展開など

(5)中小企業対策及び金融支援等【3000億円】

  • ものづくり中小企業開発支援事業の拡充(500億円)
  • 先端研究施設への支援(200億円)
  • 大企業の国内投資の推進(低炭素型雇用創出産業など)(300億円)
  • 緊急保証制度の1年延長・保証枠の拡充〈36兆円↓40兆円〉(2000億円)
  • 「建設業と地域の元気回復助成事業」など