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エピペンへの保険適用が実現

アレルギー対策がさらに前進

エピペンの保険適用を求める園部代表らと
党プロジェクトのメンバー

アレルギー対策がさらに前進―。食物アレルギーなどのアナフィラキシーやアナフィラキシーショックと呼ばれる重篤な症状を和らげるアドレナリン自己注射薬「エピペン」への保険適用が、9月22日から始まった。エピペンがアレルギー患者の救命手段として着実に浸透する中、患者支援団体と連携した公明党の取り組みがまた一つ実現した。

食物アレルギーなどによる重い症状を和らげる「エピペン」

 

重篤症状から命守る“自己注射薬”
「これで安心して使えます!」

「これで経済的にも安心してエピペンを使うことができます!」。エピペンの保険適用が実現し、こう笑顔で語るのは埼玉県在住の佐藤かなえさん(仮名)だ。佐藤さんの次男で小学6年生の健太君(仮名)は、重い食物アレルギーがあり、このエピペンが手放せない。

健太君は、生後11カ月からアナフィラキシーの症状を示すようになった。

とりわけ牛乳や卵に対する反応が強く、かつてはたった1滴の牛乳が肌に触れただけで、じんましんなどの皮膚症状が全身に広がり、呼吸困難や血圧低下などのショック症状に陥ったという。

サインペンのような形状で、安全キャップを外し太ももに押し当てて使用するエピペンは、命を脅かすこれらの症状を短時間のうちに緩和する。公明党の推進で2005年に食物・薬物アレルギー患者が病院に駆け付ける前に使う補助治療薬として使用が認められてからは、健太君も学校に持ち歩くようになった。

使用経験のある佐藤さんは、「子どもが苦しみから解放される様子が手に取るように分かりました。まるで魔法の薬です。いつも医師がそばにいるのと同じくらいの安心感があります」と語る。

急激に症状が進行するアナフィラキシーショックは、30分以内にエピペンを打てるかどうかで生死を分ける場合があるとされる。それだけに、食物アレルギーの患者にとってまさに“命綱”といえる。

その一方で、これまでエピペンは、1本1万2000円~1万5000円程度と高額な上に、有効期限が入手から1年あまりと短いことから、患者負担の重さが指摘されていた。

それを裏付けるかのように、NPO法人「アレルギーを考える母の会」(園部まり子代表)などの患者支援団体が今春行ったアンケートでは、費用が高額なためにエピペンの処方をためらう保護者がいることや、費用が低減されれば複数本を持ちたいと考える保護者が多いことが浮き彫りになった。

「本当は万が一に備えて、2本持ちたいと思っていました。でも、なかなか踏み切れなくて」。こう語るのは、神奈川県に住む野口美貴さん(仮名)だ。野口さんも、次男で小学6年生の秀樹君(仮名)が重い食物アレルギー。

野口さんは昨年12月、秀樹君がアナフィラキシーの症状で救急車で病院に向かう際、エピペンを忘れた事に気付いて自宅へ取りに戻り、ようやく車内で秀樹君にエピペンを打った経験がある。当時を振り返り、野口さんは「もしあの時エピペンがなかったら、息子は病院まで持たなかったかもしれません」と話す。

また、野口さんは、「子どもが苦しむあの姿は一生忘れられません。親ならだれもができる限りの医療を施してあげたいと思うはずです。保険が適用になったので、私たち親子も、エピペンをぜひ2本持ちたい」と語る。

公明党が取り組んだアレルギー対策

 

公明が患者団体と連携
学校関係者の研修など 正しい知識の普及必要

公明党はこれまで患者支援団体と協力して、エピペンの早期承認や学校での取り組みガイドラインの発行を推進するなど、アレルギー対策の充実に全力を挙げてきた。

エピペンへの保険適用については、昨年5月の参院決算委員会で、荒木清寛氏が「命にかかわる薬剤が保険対象にならないのは、どう考えても問題だ」と強く主張。その後も、党アレルギー疾患対策プロジェクトチーム(江田康幸座長=衆院議員)が中心となって、厚生労働省と話し合いを続け、保険適用の必要性を粘り強く訴えてきた。

さらに同プロジェクトチームは今年9月1日、「母の会」の園部代表らと共に厚労省に要望書も届けた。

「母の会」の園部代表は、保険適用について「患者の声がまた一つ実現し、大変にうれしい。今後、エピペンの処方が増えることが予想されるが、エピペンの使用には正しい知識に基づいた対応が必要で、緊急時には本人に代わって打つことが可能な学校関係者に対する研修の充実など、使用環境の整備をお願いしたい」と語っている。

「患者が安心できる社会」への一助
国立病院機構福岡病院名誉院長、(社)日本アレルギー学会前理事長 西間 三馨氏

「エピペン」の保険収載(保険適用)は、アレルギー疾患の日常の治療・管理の主役が、より患者・家族・周辺社会へと近付いてきている一つの証左といえる。また、この薬剤の使用法が、より多くの人たちに知られることを通して、アレルギーの患者が安心して暮らせる社会を作っていくための一助となることも期待される。

今後は、国・行政・医学界・医師会を中核に講習会を計画的に行い、知識・技術の均てん化(格差の是正)を図っていかなければならないと考える。

【文中敬称略、肩書は当時】
2011年10月6日付 公明新聞