子宮頸がん予防に役立つ制度を知る

今、「子宮頸(けい)がん」は定期的な検診とワクチンの接種によってほぼ100%予防できるといわれています。しかし、若い世代における検診の受診率は低く、ワクチンについてもまだ正確に認知されていないのが実情。国では、一人でも多くの女性を子宮頸がんから救うため、検診とワクチンに関する政策を推進しています。

「子宮頸がん検診」受診率向上のために

現在、厚生労働省では「20歳以上の女性に2年に1回の子宮頸がん検診」を推奨しています。これを受け、各自治体では、低額の自己負担または無料で受診できる子宮頸がん検診を実施。対象者に受診を呼びかけています。さらに、2010年度からは一定年齢の女性を対象に、子宮頸がん検診および乳がん検診の「無料クーポン」を配布しています。(なお、子宮頸がん検診は、企業が従業員やその配偶者を対象に実施している職場検診、人間ドックや婦人科ドックなどの自費検診でも受けることができます。)

子宮頸がん検診に対する国の取り組み

子宮頸がんの初期は明確な症状がないため、がんにかかっていても自分で気付くことができません。初期に発見するためには定期的な検診が必要です。子宮頸がん検診の目的は、がんになる直前の状態や早期のがんの発見であり、この検診によって死亡率を減らすことが証明されています。

自治体で「子宮頸がん検診」を実施しています

日本では1982年度から、市町村が主体となって「子宮頸がん検診」「胃がん検診」を行ってきました。その後、がんの種類が追加され、現在では胃がん検診、子宮がん検診、肺がん検診、乳がん検診、大腸がん検診の5種類が実施されています。各自治体によって料金は異なりますが、低額の負担ないしは無料での受診が可能です。2004年度以降は、子宮頸がん検診の対象年齢を、それまでの30歳以上から"20歳以上"に引き下げ、若い年齢層のがん予防にいっそう力を入れています。

「子宮頸がん検診」が受けられる施設はこちら

「無料クーポン」を配布しています

「無料クーポン」と「検診手帳」

対象者に配布された「無料クーポン」と、一緒に配られた「検診手帳」。検診手帳には、子宮頸がん検診と乳がん検診を受けた時期などを記録できます。

グラフ:がん検診受診率の比較

受診率の比率は
OECD Health Data 2008

残念ながら、対象者に受診を呼びかけているにもかかわらず、子宮頸がん検診の受診率は2割台前半。英米で7~8割程度が受診している現状と比較するまでもなく、極端に低い状況です。特に20代女性の子宮頸がん検診の受診率はわずか11%にとどまっています。

そこで、受診率の向上を目指し、2009年度より一定年齢の女性を対象に、子宮頸がん検診および乳がん検診の「無料クーポン」の配布が実施されています。2011年度は、2010年度(2010年の4月2日から2011年の4月1日までの間)に20歳、25歳、30歳、35歳、40歳になった女性を対象として「子宮頸がん検診無料クーポン」が、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳になった女性に「乳がん検診無料クーポン」が配布されました。無料クーポンを使った受診をきっかけにした、定期的ながん検診受診の定着が期待されています。
※「子宮頸がん検診」の実施内容や、「無料クーポン」の配布内容は自治体によって異なります。詳しくは、お住まいの市区町村のがん検診担当窓口へ問い合わせを。

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