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自転車を活かす道

小林成基氏インタビュー 「暮らしに基盤を置いた移動の自由をどうす確保するか」

Profile:NPO自転車活用推進研究会 理事長・事務局長 小林成基(こばやし・しげき)氏
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政治は、暮らしに基盤を置いた移動の中での自転車という位置付けととらえていくべきなのでしょうか。

9割が若者だった時代の道路整備方針をいまだに使っている

小林氏

自民党政権、民主党政権時代を通じて、国民の移動というと、テーマは2つしかなかったと思っています。高速道路と新幹線です。明らかに、利益誘導合戦そのものです。ところが、自治体に丸投げで終わってしまっている道をどうするかは置き去りにされたままなのです。現在の交通事故の死者のほとんどが自宅から500メートル以内に亡くなっているという事実に政治は目をそむけてはいけません。道路整備のもとの考えとなっている道路構造令※1ができたのは1970年です。1970年代というのは、まだ高齢化率が10%程度のころです。1970年に日本は高齢化率7%になって、高齢化社会となったのですが、そのころにできた道の整備の方針をいまだに使っています。地方主権改革一括法※2で道路についても、地方自治体に条例として委任したので、地方自治体は今の時代、これからの時代に合うような道路基準、道路の整備基準というものを持たなければならないのに、かつてのものをコピーアンドペーストして使ってしまっています。つまり日本人の9割が若者だった時代の道路整備方針をいまだに使っているというのは政治の問題だと思います。官僚は最終的な決定権はないわけですから、やはり政治がリードしなければなりません。圧倒的な元気なお年寄りがいるわけで、この人たちに対して、移動を可能にする環境にすることが喫緊の課題です。それをしないと、元気なお年寄りが寝たきり症候群へと移ってしまうわけです。ここを手当をしなければ、医療費が膨らんで、財政がひっ迫します。お年寄りも含めて、弱者が移動できるさまざまな手段の選択肢の一つとして、車イスがあったり、杖があったり、ベビーカー等があるわけですが、まずは歩道を守り、それから自転車は安全快適に通れる道というものを整備していく手順を踏んでいくことしかないと思います。
※1 道路構造令
道路法 第30条第1項および第2項 の規定に基づき、道路を新設し、または改築する場合における道路の構造の一般的技術的基準を定めた政令。
※2 地方主権改革一括法
2011年8月公布の「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」のこと。これによって、都道府県道及び市町村道の構造の技術的基準は、政令で定める基準を参考に、道路管理者である地方公共団体の条例で定めることになった。
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