コラム「北斗七星」

公明新聞:2018年4月17日(火)付

話は、20年ほど前にさかのぼる。1998年8月からの臨時国会は別名、金融国会とも呼ばれた。国内の破たん前金融機関への公的資金投入を巡り、議論は白熱した。時をほぼ同じくして、アジア発の金融危機が各国に飛び火し、世界恐慌を懸念する声も広がっていた◆銀行への公的資金投入を盛り込む法案には反対の声が上がる一方で、当時、野党の立場にいた公明党(当時は公明)は最終的に法案に賛成した。理由は「銀行を助けるため」というよりも、預金者や健全な借り手である中小企業を救うことが最も大事、と判断したためである◆この時の公明党の政策決断については後日、報道番組に出演した識者が「これで日本が救われた」とも発言した。日本発の世界恐慌を未然に防ぐ役割を果たしたとの認識、評価が示されたのである◆野党には、その役目として時の政権に対するチェック機能が求められる。与野党の緊張関係は、健全な民主主義国家を形成する上で欠かせない。だが、政党の振る舞いとしてそれだけでいいのだろうか◆通常国会は後半戦に入った。働き方改革や受動喫煙対策など国民生活に密着した、前に進めるべき法案がめじろ押しである。これらを今審議せず、棚上げにするようなことはあってはならない。野党にも政治を前に進める責任がある。(広)

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

新聞の定期購読