食品ロス削減 「国民運動」に

公明新聞:2018年3月16日(金)付

竹谷とし子参院議員竹谷とし子参院議員

消費者、事業者ら一体で
党プロジェクトチームが推進法骨子案を作成
竹谷座長に聞く

まだ食べられるのに捨てられている「食品ロス」を減らすため、公明党のプロジェクトチーム(PT、座長=竹谷とし子参院議員)が取りまとめた「食品ロス削減推進法」(議員立法)の骨子案について、意義やポイントを竹谷座長に聞いた。

――なぜ、食品ロスの削減が必要なのか。

竹谷とし子座長 日本では毎年、東京都民の食事量に匹敵する621万トンもの食品ロスが発生する一方で、貧困状態にある子どもは7人に1人もいます。また、世界でも栄養不足の人々が大勢おり、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」で食料廃棄の半減が定められるなど、食品ロスの削減は地球的な課題です。

――骨子案の内容は。

食品ロス削減推進法骨子案のポイント竹谷 食品ロスの削減に向け、自治体、消費者、食品事業者などが一体となり「国民運動」として取り組む内容にしました。まず、関係大臣や有識者らでつくる「食品ロス削減推進会議」を内閣府に設け、基本方針を策定します。その方針を踏まえ、都道府県と市町村は削減推進計画を策定し、対策を実施します。

消費者や事業者に対しては、食品ロス削減への理解と関心を深める教育・学習を振興し、必要量に応じた食品の購入・販売や食べ残し食品の持ち帰りなど、消費者と事業者の連携の重要性を啓発します。食品ロス削減で顕著な功績を上げた人や団体を表彰したり、10月を「食品ロス削減月間」に定めたりもします。

また、家庭や事業者から提供された未利用食品を、食べ物を必要とする人や団体へ提供している「フードバンク」の活動を支援します。食中毒などを懸念して提供をためらう事業者がいることを踏まえ、食品の提供に伴う責任のあり方も調査・検討します。

――法律を作らなくても取り組み可能では。

竹谷 法制化の必要性については、党PTで何度も議論を重ねました。公明党が推進した「循環型社会形成推進基本法」や「食品リサイクル法」によって、ごみの減少や食品のリサイクルは進みました。しかし、食品ロスそのものの削減や、未利用食品の活用は進んでいません。

食品ロス削減に国民運動として取り組むには立法化が必要だと確信しました。法律を作り国の支援を明確化すれば、消極的だった自治体や企業でも動きが活発化すると期待されます。

野党と合意形成し今国会の成立めざす

――今後の動きは。

竹谷
自民党とは骨子案で合意し、現在は野党との合意形成に取り組んでいます。多くの賛同を得て、今国会で成立できるよう努力してまいります。

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