コラム「北斗七星」

公明新聞:2018年2月23日(金)付

強い人だと思った。2009年に郵便不正事件の冤罪で逮捕された元厚労事務次官の村木厚子さん。取り調べで同僚らが虚偽の供述に追い込まれる中、なぜ一人闘い抜けたのか◆理由の一つとして本人は「好奇心が強いこと。それが気持ちを紛らわせてくれた」(読売連載1月30日付)からだと言う。拘留中も、拘置所ってどんなところか、刑務官は仕事と生活をどう両立しているのか、下着を注文したらユニクロの製品が届いて「へえっ」、とか興味が尽きない◆その好奇心のせいか、推理好きで人気漫画『名探偵コナン』の大ファン。検察のシナリオを覆す決定的な証拠を発見できたのは、『コナン』で知った探偵の心得、「証拠は思い込みを排して新鮮な目で見ること」(同1月31日付)だったと◆最近、その『コナン』の作者・青山剛昌氏も大好きな『相棒』をはじめ、『警視庁捜査一課9係』などのドラマ制作を長年手掛けてきたスタッフの話を聞いた。ドラマは“人間”を描くことができれば成功すると言い、「いつも好奇心を持って“人”を観察している」と語っていた◆こういう制作陣がいるからか。『相棒』は今年、放送300回を数え、『9係』は12年も視聴者を引きつけている。「好奇心はいつだって、新しい道を教えてくれる」(ウォルト・ディズニー)。忘れないでいたい言葉だ。(三)

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